米ぬか栽培米

おいしいお米の栽培指針(堀野敏郎著)の本を見て米ヌカ栽培にチャレンジしています。

自分でコシヒカリを作り始めてから12年目になります。
また、米ぬか栽培米づくりは8年目になります。

何もわからず、おじいちゃんから教わって始めた米作り。
田植えと稲刈りをすれば米が出来ると思っていたが、実際は、重労働の繰り返し。
しかし、お客様から「お米がおいしかった」と言ってもらえることで、米作りをしていて本当に良かった。もっとおいしいお米を作ろうと意欲が湧いてきます。

自分なりに本を読みあさり、実際に山間地で実行できるのか、あるいはどういった工夫が必要か考えてきました。

どうしておいしい米、おいしくない米が出来るのか。
ほんの一部が見えてきました。

米ぬか栽培米とは
米ぬか栽培とは、お米の玄米を精米した際に出る「米ぬか」を主な肥料として使用し、栽培する農法です。

米ぬかには、リン酸やミネラル、ビタミン等が豊富で、米ぬかを散布することにより、土中の微生物の働きが活発になり、分解 発酵を促し、微生物の持つ力を利用し、稲の生育を健全にして食味、品質を良くします。

米ぬかのチッソは、大半はタンパクないしアミノ態で存在する。そのため化学肥料のように憂慮されるほどの硫黄や塩素は含まれていない。
そのための大部分がタンパク態、アミノ態であることで微生物が時間をかけてアミノ酸ないしアンモニアまで分解し、その後稲に吸収される。

初期
米ぬか栽培稲は、田植え後の分げつの進み具合がいたって遅く葉色も淡いままで、チッソの肥効すら感じられない。
(平成23年度は、JA等の視察では一番成長が悪いと言われました。)
中期
分げつがゆっくりと始まると葉色もだんだん濃くなり、太い分げつが増えていく。
化学肥料の田んぼより2週間ほど遅い
昨年は、分げつ本数が少なかったので対策として、今年はトンプンを少々撒きました。
後期
前半遅れていた成長が急ピッチで差を詰めていく。
稲刈り時は5日ほどの遅れになっていた。
収穫
分げつが思うように増えず、10ア−ル当り6.6俵の収穫であった。(山間部では化学肥料栽培で7俵が平均である。ちなみに平野部では10俵)
平成23年度は、水害もありくず米が多かったにもかかわらず、米ぬか栽培米はくず米が非常に少なかった
平成26年度は
米ぬかは、10ア-ル当り110kg散布しました。
米ぬかは約2か月にわたって肥効が続くので6月末に追肥として米ぬかを撒きます。
6月末に追肥目標チッソ量(10a=2.1kg)を目安に米ぬかを10a=50kg撒きました。

米ぬか100kg当りの成分>(10ア-ルに米ぬか100kgを撒く)

 成分名  kg  成分名  kg
 チッソ 2.4  塩素   0.11
リン酸  5.4   ナトリウム  0.09
カリ  2.1     
苦土  1.6     
 石灰 0.03     
 硫黄 0.18     


分げつとは
田植え後に1本の苗から複数に茎が増えること。
この本では1本の苗が3回に分けて10本に分げつする、と書いてあるが、昨年度は15本から20本だった。28本はほしいところだ。
田植えで2〜4本植えるので20〜40本になる事になるが、途中で溝きりするので(田んぼの水を抜いて溝を掘る)肥料を切ることになる。
この本からは、品種コシヒカリを作る過程で、もっとも分げつする物を選んだ。と書いてある。
コシヒカリは、早稲品種に比べ分げつが多いので田植え時、コシヒカリは2〜3本、早稲品種は3〜4本とおじいちゃんから教わった。

平成23年度米ヌカ栽培の田んぼです(平成24年度分は米ぬか栽培稲の成長記録で見れます)

7aの田んぼ

2011/5/16にコシヒカリを植えました。

2011/5/20
米ヌカを撒く前に写真を撮ろうとしたのですが、忘れて半分撒いたところで気づきました。

2011/5/20

田んぼ(7a)に米ヌカ約80kg撒きました。

米ヌカが浮いて白くなりました。

2011/5/25

米ヌカが沈んでいます。

2011/5/31

苗が少し緑がかって色が出てきました。

ほかの田んぼと比較すると大分成長が遅い。


2011/6/6

2011/6/19

田植えから一ヶ月が過ぎました。

少し分げつを始めました。

2011/7/3

米ヌカ成分が流出した分と、分げつが遅いので米ヌカ28kgを追肥として撒きました。

ほかの田んぼは、水張りを止め、溝きりに入るのですが、この田んぼは、ぎりぎりまで我慢します。

2011/7/13

追肥のおかげか、それとも本来の分げつなのか分からないが、緑が濃くなってきた。
(ほかの田んぼは、土の部分が見えなくなっている)

2011/7/21

さらに分げつが進んでいるようです。

土の面が少なくなってきました。


2011/7/26

化学肥料主体の田んぼには遅れていますが順調に生育しています。

2011/8/4

ここの田んぼは幸いにして何も被害は無かった。


2011/8/14
ようやく穂が出ました。
他の田んぼより5日ほど遅れたがまずは一安心です。

ここに来て大分、遅れを取り戻しました。

本によると前半は本当に寂しいが後半ぐっと伸びて来るとあるが本当のようです。

2011/8/25

稲穂が少しづつ、垂れ始めました。

順調に行くと稲刈りは9月25日前後になると思います。

2011/9/7

随分と色が付いてきました。


2011/9/13

稲穂も、黄金色になり、刈り取りを待つだけ。

2011/9/19

後、一週間ほどで刈り取りが出来ます。

ここまでくれば、米ヌカ栽培も大成功と言っても良いでしょう。


2011/9/24

台風15号の影響もなく、稲刈り日和の晴天です。

周りの田んぼは、ほとんど稲刈りが済んでいます。


2011/9/30

不安だらけの米ヌカ栽培でしたが、無事稲刈りも済み、安堵しています。

収量は少なくなりましたが、食味が向上すればいいと思っています。(15%減)

まだ味見はしていませんが、更なる試行錯誤を行い、来年度もチャレンジしてみたいと思っています。

2011/10/2

味見をしました。
自分で言うのもなんですが、最高にうまかったです。

自信を持ってお勧め出来ます。

甘み・もちもち感・弾力・色艶最高級品です。

2011/10/5

期待以上の食味だったので、来年度の励みになりました。

来年度は、60aにチャレンジしようかと思っています。

分げつが思うように行かなかったので来年度は、田植え時の間隔を広めて、少し大株(2〜3本を3〜4本植え)にしようかと思っています。

又、田植え後の成長が非常に遅いので、根付け用に鶏糞を少し撒いてみようかとも思っています。
 米ぬか栽培田    化学肥料の栽培田  

化学肥料主体で一般的な作付け

2009/6/9

2年前のデ-タです。

田植えは、2009/5/19にしました。
   
2011/6/19

田植えをしてから一ヶ月です。

2年前と比較すると10日ほど遅れています。

米ヌカ栽培の田んぼは、2枚とも田んぼの色が黒っぽい事に気がついた。
   化学肥料主体で一般的な作付け

2009/6/19
2011/7/3
米ヌカ栽培のコシヒカリ

分げつして14本になりました。
まだ分げつが終わってないので水を落とせません。
下と比較すると大分差があります。
追肥で米ヌカ28kg撒きました。
2011/7/3

仲作のコシヒカリ

化学肥料主体で栽培

分げつして25本になりました。

7月10日ごろから溝きりに入ります。
化学肥料主体で一般的な作付け

2009/6/30

2011/7/21

米ヌカ栽培のコシヒカリ

まだまだ化学肥料主体の稲には、遅れていますが、本では後半に伸びる(成長)と書いてあるのでそのとうりになってほしい。
化学肥料主体で一般的な作付け

2009/7/11

2011/7/26

分げつが15本〜28本になりました。

茎は、ずいぶん太くなってきました。

化学肥料主体で一般的な作付け

2009/7/24


2011/8/14

初めての米ヌカ栽培で穂が出ました。

他の田んぼより10日ほど遅れていたのですが、遅れも5日ほどに縮まり、後1ヵ月半ぐらいで稲刈りが出来ると思います。

株つは他の田んぼより少ないのですが、穂の長さはどうか今後比較してみたいと思います。

それに倒伏しないかも注目したいと思います。

化学肥料主体で一般的な作付け


2009/8/4


2011/8/25
稲穂の長さ(コシヒカリ)
米ヌカ栽培
 15〜20cm
 平均15cm

一般的な栽培(主に化学肥料主体)
 16cm〜21cm
 平均17cm

米ヌカのほうが短かった。

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