ソマティックエクスペリエシング(SE)とは?



ソマティックエクスペリエンシング(SE)は、
米国のピーター・リヴァイン博士が開発した、
身体と神経系の統合をベースにした、
安全で自然なトラウマ療法です。

医療従事者の方々にも
学び、実践している方が徐々に増えています。



このワークは、シンプルに言うと
「トラウマ的な出来事により
身体に封じ込めたエネルギーを穏やかに解放し」
「生き物としてのしなやかさを取り戻す」
ワークだと、自分では思っています。



こう書くと、
「では、普段の私たちはしなやかではないのか?」
という疑問が出てくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ある意味ではそうです。



例えば、仕事でちょっとしたミスをしてしまって
そのことに気がついた、その瞬間をイメージしてみてください。
そうすると、身体の中でどんなことが起きますか?

つい背中に力が入ってしまうかもしれません。
あるいは顔から血の気が引いて、心臓の動きが速くなるかもしれません。
ついさっきまで感じていた他の感覚(空腹、涼しさなど)がなくなり
当面の課題しか自分の視界にないことに気づくかもしれません。


そして、そのミスがなんとか修復でき、
緊張の時間が過ぎたことを思い浮かべると、
次にどんなことが起こるでしょうか?

一つ、大きな呼吸が出てくるかもしれませんね。
お腹のあたりがゆるむ感じがあったり、
あるいは、ほっぺたが少し暖かくなったり
足の方に心地よい緩みが起こっているのに気づくかもしれません。
その場に、美しい絵や花があったって気づくこともあるでしょう。



あるいは、大切な人と、ほんのささいなことで
ちょっとした口げんかをしている場面を想像してみてください。
身体の中でどんなことが起こるのでしょう?

頭に血が上り、つい腕に力が入っているのに気づくかもしれません。
呼吸が止まり、肩もこわばっている可能性だってあるでしょう。


そして、それが何かの形で解決し
二人の間に暖かいものが流れ始めたのをイメージしながら
あなたの身体に意識を向けてみると
どんなことに気がつくでしょうか?

身体全体が「頑張っていたな」ってことに気がつくかもしれないし
その反動で身体が心地よい脱力を感じたり
視界がさっきよりも明るく広がった感じなのに気づくかもしれません。
ひょっとしたら、ちょっと泣きたくなったり
あるいは実際に涙をこぼしてさえいるかもしれません。



これらはすべて、私たちの身体に備わっている、
自己調整能力のなせるワザなのです。



こんな風に、私たちの身体に
その状況に応じて身体が自動的にいろいろな『準備』をする、
そんな叡智が備わっている・・・すごいですね、私たちの身体って。



先ほど言った「しなやかさ」とは
そのような自分の身体の変化や起こることに気づき
それが起こるがままにさせることが出来る、
そんな自由さを持てている状態を指します。



しかし、私たちの「人間」の部分は、
そんな自分を見せるのが恥ずかしかったり、
受け入れられないのでは?と思ったりするので、
そんな自然な反応をつい抑え込んでしまう・・・

その「恥ずかしさ」、「受け入れられないという予期」、
そして「抑え込もうとすること」は、
明らかに自己調整力、「生き物としてのしなやかさ」や
「身体が持つ回復の力(リソース)」を
妨げる方に働いてしまいます。

そうして、身体に封じ込められた自然な反応が
出ていきたがっていて、それによって起こる様々な症状を
「トラウマ」とSEでは呼んでいます。



ちなみに、『トラウマ』と呼ばれる症状は
先ほどの例でいえば
「仕事でミスをしたときの状況の反応」や
「大切な人と口げんかをしたときの反応」が
状況がすでに変わってしまったにも関わらず、
その時の身体の反応や出来事としての記憶が残り
そのことに苦しんでいる、ということが
一つの重要な側面としてあります。



先ほどの例で挙げた
「背中に力が入り」「顔から血の気が引き」「心臓の動きが速く」
「空腹、涼しさなどの感覚がなく、当面の課題しか視界にない」状態や
「血が上り」「つい腕に力が入り」「呼吸が止まり」
「肩がこわばって」いる状態が
「出来事が終わったにも関わらず」身体の中に残っているって
想像しただけでも苦しいと思いませんか?



そして、出来事が小さいからといって
その人にとってのトラウマ症状が軽いかと言えば、
実はそうとは限らないのです。




今回の例では
「仕事でのミス」や「大事な人とのケンカ」という、
日常的に起こりやすい、比較的軽いものを例に挙げました。

しかしこれが、事故、落下や転倒、何か・誰かから攻撃されること、
手術(逆説的ですが『治療』でトラウマを受ける場合もあるのです)、
自然災害、戦争、となると・・・

受ける衝撃が大きいと、その大きさの度合いに応じて
『準備』の度合いも激しく、強いものになります。

そして、反応が激しく、苦しいものであるほど
その反応に対する恥や罪悪感なども強くなり
負の連鎖によって、トラウマを受けている人の辛さは
ますます強いものになります。



そう考えると、私たちの「人間」の部分と
「生き物」の部分がバランス良く
協調し合って、「存在」として生きていく、
それが私の考える、SEの目的だと思っています。



セッションでは主に
クライアントさまの気づきを丁寧に探求していきます。
身体の気づきかもしれないし、感情、考え方かもしれない。
それ以外にも、いろいろな気づきが考えられます。

そしてそれらの気づきに注目していると
他にいろいろな反応、感覚、動きなどが出てくるかもしれません。
それらは「身体に封じ込められていた未完了のエネルギー」が
出たがっていて、そして現れてきたものなのかもしれません。

その未完了のエネルギー、反応を
セッションという安全な空間・時間を使って完了させ
そして自然な解放を促します。

そして、本来の活力を取り戻し
そのエネルギーを、日々を楽しむために使えるようにサポートします。




これは、あくまで私の、かなりシンプルさを大切にした説明です。

詳しく、きちんとした説明をご覧になりたい方はこちらをご覧ください。
(日本ソマティックエクスペリエンス協会のホームページです)



参考文献です。








※セッションのお申し込み、お問い合わせはこちらから
セッション依頼・メッセージ用問い合わせフォーム


戻る
戻る