□作品名/国鉄モハ90系
□製作年/1987年
□掲載雑誌

・Rail Magazine 1987年6月号 (通巻42号)/コンテスト入賞作品発表

・Rail Magazine 1988年3月号 (通巻51号)/製作記事

□車両全体について

・製作ベースの製品名
グリーンマックス(以下GM)製・国鉄101系キット

・製作の動機
「GM車輌改造コンテスト(テーマ:国鉄新性能電車)」に出品するために製作。
国鉄初の新性能電車がモハ90系なので、コンテストのテーマに不可欠な車輌と思い製作しました。

・製作上のポイント
改造ベースとなる101系と、製作するモハ90系との違いを明確にして的確に模型に反映させることが
ポイントです。相違点としては、先頭車正面の行先方向器、列車番号表示器、窓枠、テールライトの
形状や、側面の乗務員扉の手すり、雨樋形状、屋上の通風器、避雷器などが上げられます。
実車はすべて電動車の10連の編成でしたが、模型では先頭車・中間車、パンタグラフ有無の組み
合わせの各形式が含まれる4輌編成で製作しました。

・製作上のエピソード
ドア窓、戸袋窓部の形状を修正するため、4両で130箇所以上加工が必要だったので苦労しました。

・実車について
国鉄モハ90系は小型軽量の電動機によるカルダン駆動方式や、電動車を2両1組のユニット方式にする
などの新しい技術を採用した「新性能電車」として1957年登場しました。この車輌で確立された各種の
技術・構造は、その後に登場した151系特急型電車をはじめ、国鉄の新設計車輌の基礎となりました。
モハ90系の量産車に当たる101系が製造・運用されてからは、101系に合わせた量産化改造を受けて
101系900番代に編入されました。現在は、老巧化のためにすでに全車廃車となりましたが、大宮の鉄道
博物館に所蔵・展示されているクモハ101-902は元の形式がモハ90503でモハ90系のうちの一輌です。
量産化改造後の姿なので屋上の通風器や、ドア窓・戸袋部の形状、雨樋形状などのモハ90系の特徴
的な部分がなくなっていますが、わずかに残る特徴として乗務員室ドア両脇の手すり形状が確認できます。
なお、101系の一部は秩父鉄道に譲渡され、「秩父1000系」として3編成で運用されています。
(2012年現在)
□各車両について
モハ90500 (モハ90500偶数車、後のクモハ101-900番代)

・製作上のポイント
キット付属の試作車用正面(雨樋は削除)、先頭車の側面、ランボード・配管つきの屋根の組み合わせ。












モハ90003 (モハ90000奇数車、後のモハ101-900番代)

・製作上のポイント
中間車の車体と、配管なしの屋根の組み合わせ。
 







 モハ90000 (モハ90000偶数車、後のモハ100-900番代)

・製作上のポイント
中間車の車体と、ランボード・配管つきの屋根の組み合わせ。
 











 モハ90501 (モハ90500・奇数車、後のクモハ100-900番代)

・製作上のポイント
キット付属の試作車用正面(雨樋は削除)、先頭車の側面、配管なしの屋根の組み合わせ。
 









□共通工作

・側面のドア窓、戸袋窓部のHゴムを全て削って平らにし、さらに窓の四隅を角ばらせるために、
角ヤスリで1つ1つ削り込んで形状を修正。

・実車の内蔵された雨樋構造に近づくように側面の雨樋部をすべて削り平面化。

・側面裾部のドアコック蓋はスジ彫りで表現。

・正面・乗務員ドア部の手すり、ワイパー、連結面のステップはφ0.2mmの真鍮線を曲げて
差し込み接着。

・屋上配管は、パンタグラフ母線はφ0.4mm、空気配管と避雷器配線はφ0.2mm真鍮線を曲げて
割りピンで固定。避雷器はプラ板を削って製作。

・大型通風器はGM製角型ベンチレーターの両端を垂直になるように削って使用。

・パンタグラフ/GM製PS13、台車/GM製DT21

・ディテールアップパーツ/銀河モデルN-013/101系用ヘッドライト、N―021/半流用テールライト、
N-099/乗務員ステップ

・床下機器/モハ90系(101系)の形、配置に近づけるため、同世代の車両であるKATO製153系の
床下機器をシリコーンゴムで型取りし、ポリウレタン樹脂で複製したものを使用。

・車体色/GMカラー・朱色1号に少量赤を加えたものをエアブラシで吹付塗装。

□全体を通してのまとめ・総評・感想

・もし、同じ作品を今つくろうとしたら

Nゲージでは製作時当時、101系はGM製のキットのみでしたが、現在ではKATO、トミーテック
(鉄道コレクション)、マイクロエースの3社から完成品で発売されています。しかし、側面の戸袋窓・
ドア窓の形状変更をすると、はめ込み式の窓は合わなくなります。また、GM製キットには試作車
(雨樋つき)の前面が付属しているので、今でもGM製キットから改造したほうが製作しやすいと
思います。ただし、キットの下回り(床下機器)は103系のものに近いので、前述の完成品の101系の
下回りパーツを流用すれば、作例のような床下機器の複製作業は不要になります。特徴的な
大型通風器や旧式のLA-13型避雷器は、パーツメーカーのモリタからホワイトメタル製パーツが
発売されています。ちなみに、GM製155系キットの屋根にはLA-13型避雷器がモールドされて
いるのでこちらも流用可です。

ちなみに、東京堂というガレージメーカーから、金属製キットで「モハ90系キット」が発売されて
いましたが、現在は同社廃業で入手はできません。

・模型資料について

RM MODELS 2007年10月号(通巻146号)・特集モハ90系  ほか多数

※過去の車輌を作る場合は、実車を取材することができないため、鉄道雑誌などの写真、資料を
どれだけ集められるかが重要ですが、モハ90系についてはエポックメーキングな車輌なので写真・
図面などの資料については比較的豊富で、入手しやすいでしょう。