さて、第二楽章の説明なんだけど、実際の物語では四楽章と二楽章の順序が逆になっているんだ。 説明するためには第四楽章の中身にもちょこっと触れなければならない。 そんな訳で、少し話しづらいんだけども、とりあえず書いていきましょう。
モリアの坑道で敵と戦い、ガンダルフが橋の上から深い谷底に落ちてしまった。 指導者をなくした旅の一行は絶望感に陥り、助言を求めるべく、エルフの住処ロリアン(120KB)に向かうことになる。 ロリアンは銀色の幹に黄金の葉をつけるマルローン樹が生い茂る、``中つ国''でもっとも美しい所なんだ。 なお、日本語訳では``ロスロリアン''または``ロリアン''と書いてあるので、以後、私もロリアンと呼ぶことにします。
ガラドリエルは、夫のケレボルンと共にロリアンの森を支配する者で、エルフが持つ3つの指輪の内の一つを持つ、指輪所持者(69KB)なんだ。 彼女は、第1紀においてヴァラールの神に反旗を翻し、西の地から中つ国へ戻ってきたエルフたちの指導者なの。 エルフたちは総て、美男美女。 でもガラドリエルはその中でも飛び抜けて美人なのだ。
旅の仲間9人全員が揃い、指輪を消滅させることを決めた地、``裂け谷(リーベンデール)''の主人である、半エルフのエルロンドを憶えているかな。 この人の妻はガラドリエルの娘、ケレブリアンなのです。 蛇足ながら、旅の仲間である、人間の馳夫(はせお=アラゴルン:後のエレスサール王)と結婚したアルウェンは、ガラドリエルの孫(エルロンドとケレブリアンの子)なんです。 ということでガラドリエルの年齢は、たぶん七千歳以上だな。
第二楽章ではロリアンの印象が描かれてます。 エルフの森には美しい樹々や草木、風変わりな鳥たちがおり、それらはピッコロからバリトン・サックスまで、ほとんど全種類の木管のソロで表現されている。 主人公、ホビットのフロドと森の女王ガラドリエルの出会いが、魅惑的なアレグレットで表されます。
そして、ガラドリエルの鏡(92KB:森の中の銀色の水盤)に写しだされた3つの幻影を、フロドは見ることになるのだ。 最初のひとつは、なんと橋から落ちてしまったガンダルフではないか。 曲がりくねった道を駆けているのが見える。 でも、頭を低く垂れているので顔がよく見えないし、その衣装や杖は灰色ではなく、白くなっている。 ガンダルフではないのだろうか? いやいや、トロンボーンのコラールを聞いてみたまえ。 第一楽章で耳にした旋律だよ。 第一楽章では何も書いていなかったけれど、この楽章のスコアには``ミスランディア・コラール''とはっきり書いてある。 そう、エルフたちが敬意を込めて呼ぶ名前、ミスランディア(灰色の漂泊者の意)なんだ。 二つめは「帆の破れた大きな船」を見るのだが、とりあえず、これは置いとこう。
最後のひとつは真っ暗闇だ。
しかし、その暗黒の底知れぬ深い穴に一つの目が現れ出た。
それはゆっくりと次第に大きくなり、ついには鏡全体にみちわたるばかりになった。
その目は瞼(まぶた)がなく、火でふち取られている。
大きくて不気味な目で、あちこちを探りながら動き始めた。
そしてフロドの首に下げた鎖にぶら下げてある指輪が急に重くなり、目の中に吸い込まれそうになる・・・
そう、この目こそ冥王サウロンそのものなのだ。
あちこち探っているところを見ると、まだフロドが指輪を持っていることを知らないらしい。
しかしフロドは驚き、不安になる。
最後に、おまけの画像をつけておきましょう。
これは別画面には出ないようにしてありますので、見た後はブラウザのボタンで戻って下さいな。