KSB logo
KSB非公式ホームページ

第四楽章  暗闇の旅 Journey in the Dark

a. モリアの坑道 The Mines of Moria

b. カザド=ドゥムの橋 The Bridge of Khazad-Dum



 さて、第四楽章の解説なんだけれども、実際の旅の順番としては二楽章より前の話になるのだ。

 半エルフのエルロンドが住む``裂け谷(リーベンデール)''で旅の仲間がそろい、会議の席上で指輪を消滅させることが決議された。 一行は霧ふり山脈に聳える赤角山(あかつのやま:カラズラス)の麓にあるおぼろ谷を通って山を越える予定だったのだが、彼らの行く手を阻むように猛吹雪が吹き荒れた。 彼らはしかたなく、入ったら二度とは出られないと言われる``モリアの坑道''を通っていくことになる。

 一行はモリアの西門にやって来た。 だがしかし、門には「モリアの領主、ドゥリンの扉、唱えよ、友、そして入れ」と書いてある。 そう、「開けゴマ」のように合い言葉を唱えなければ扉は開かないのだ。 ガンダルフは思いつく限りの合い言葉を唱えてみたが、全てダメだった。 そしてしばらくの時が過ぎたとき、ガンダルフは突然立ち上がり、水戸黄門の様に呵々(かか)と笑い出した。 そして岩の前に立ち、よくとおる声で「メルロン!」と、ひとこと言った。 すると扉は真ん中で二つに分かれ、開いた入り口からは急な上り階段が見えてきた。
「やはりわしはまちがっておった。」と、ガンダルフは言った。
「扉を開ける合い言葉はアーチの上に記されてあったのじゃ! その訳(やく)はこうでなければならなかった。
『唱えよ、友と。そしてはいれ。』(145KB)
わしは『友』とただエルフ語でいいさえすればよかった。 それで扉が開いた。」


a. モリアの坑道 The Mines of Moria

 第四楽章では、ガンダルフに率いられた指輪の仲間たちが、モリアの鉱山の暗い坑道を行く困難な道行きが描写されている。 ゆっくりした足取りと恐怖心が、低音金管、ピアノとパーカッションの単調なリズムによって表されている。 ところで、ドワーフたちの特徴を覚えているだろうか。 彼らの手先はかなり器用である。 彼らの加工技術は半端ではなく、建造物から宝飾類にいたるまで「ドワーフの手によるもの」といえば、この世界で最高級品を表すという。 さて、モリアの鉱山では良質の銀(モリア銀:ミスリル)がとれた。 この頃は金よりも銀の方が価値があったのだ。 そして坑道自体、立派な建造物だったのだが、しかし、かつては栄華を誇ったドワーフたちの鉱山も、その銀を狙う敵に荒らされ、今では暗闇の迷路と化してしまった。


b. カザド=ドゥムの橋 The Bridge of Khazad-Dum

 敵方の生き物であるオーク(Orc)(130KB:「ホビットの冒険」では、ゴブリン(Goblin:小鬼)と呼んでいた)たちの激しい追撃の後、並んで歩くことの出来ない狭い橋の上で、ガンダルフは恐ろしい怪物、バルログとの戦いに挑んだ・・・

「きさまは渡ることはできぬ。」と、かれはいいました。 オークどもはじっと立ちつくし、死の静けさがあたりをみたしました。
「わしは神秘の火に仕える者、アノールの焔の使い手じゃ。 きさまは渡ることはできぬ。 暗き火、ウドゥンの焔はきさまの助けとはならぬ。 常つ闇に戻るがよい! きさまは渡れぬぞ。」
バルログはそれには答えませんでした。 その中の火は消えるかのように思われましたが、それを取り巻く影はいよいよ色濃くなりました。 それはゆっくりと足を踏み出して橋にさしかかりました。 そして不意に体をまっすぐに伸ばして雲つくほどの高さになり、その翼を壁から壁に届くほど広げました。 それでもガンダルフの姿は暗闇の中に微かに光って見えました。 その姿は小さく、孤影悄然とうつりました、灰色で腰が曲がり、嵐に襲われようとしている老いさらばえた一本の木のように。

 ガンダルフは杖をかかげて、高く叫ぶと、目前の橋を打った。 バルログ(67KB)のちょうど足許で橋は折れ、恐ろしい叫び声とともに、バルログは奈落に落ちこんでいった。 しかし、バルログは落ちて行きながらも鞭を振り回し、その革紐が魔法使いの膝にからみついて、彼も奈落の底へと滑り落ちていった。 「逃げろ、ばか者ども!」と、彼は叫んで、見えなくなった・・・・・・

 悲しみを帯びた葬送行進曲が流れ、当惑した一行は、鉱山の唯一の出口となってしまったモリアの東門を探してとぼとぼと歩いて行く。


 第一楽章では敵の影が見え隠れしていたけれど、この楽章では敵が姿を現しました。 ということで、最後に主な敵キャラの画像をつけておきましょう。 これは別画面には出ないようにしてありますので、見た後はブラウザのボタンで戻って下さいな。

シェロブの毒で仮死状態になったフロドを助けようとするサム(105KB)

ナズグル(指輪の幽鬼 : 指輪にとりつかれた人間の王)
九つは、死すべき運命の人の子に(100KB)

この世に影を落とした最初の敵、モルゴス(黒き敵の意)
メルコールと呼ばれる、いわゆる地上神だったが、大反逆者となった(80KB)

冥王サウロン(15KB)
実体がないので、こんな絵しか・・・



一駅前へ   始発駅へ