まだ私が現役でジャズをやっていた頃で、今から15年以上も前の話。 当時、端野にある農家の廃屋を改造(畳で防音したくらいだけど)して、そこでジャズの練習をしていた。 練習はいつも日曜の夜にやっている。 その日もまわりが暗くなり始めた頃、練習場に着いた。 楽器を持って玄関に向かうと、入り口の左上に立派な蜘蛛の巣と大きな蜘蛛が見えた。 「いやいや、でかい蜘蛛だな」と思い、身を少しよけながら家の中へ入っていった。
3時間ほど練習し、本日はこれにて終了。
楽器をケースに入れ、帰り支度を整えた。
私の楽器は大きいので、皆の計らいにより入口側で演奏させてもらっている。
ということで私は真っ先に靴を履き、「お疲れさまー」と言いながら勢いよくドアを開け、外に出ていった(立て付けが悪いので、勢いをつけないと開かないのだ)。
外に出たとたん、「ボコッ」と何かが頭に当たった。
「うぉっ、何だ!?」と頭に手を載せると、前述の大きな蜘蛛が頭から落ちてきた。
私は「どわぁ、蜘蛛だ、でかい蜘蛛だ!」と叫びながら、急いで車に駆け込んだ。
エンジンをかけ、「ハァ、まいった」と呟きながら車を運転していたのだが、途中で背中がかゆくなってきた。
毒蜘蛛だったのかと不安になりながら運転していたが、そのうち背中一杯にかゆみと言うよりはチクチクする痛みが広がっていた。
私は痛みを和らげるためにシートに背中をこすりつけながら運転を続けていた。
やっと家に着き、楽器をしまうと「背中が痛がゆい」と言いながら服を脱いだ。
そしてカミさんに背中を見せたところ・・・
「ギャー、何これ!?」と叫ばれた。
何か私の背中に「赤い斑点がいくつもある」らしい。
そして、ふと手に持った服を見ると、そこにも赤い斑点が。
そして、「おい、なんだこれ? 動いてる!!」
そうです。
動いていたのは体長1mmにも満たない、赤くて小さな子蜘蛛でした。
その数・・・(数えたくもねぇ)
私はあわてて風呂に入り、身につけていたもの全てと全身をゴシゴシと洗ったのでした。
「蜘蛛の子を散らす」
全く、このことわざの語源を身をもって思い知らされました。
翌日:車の中にもおびただしい数の蜘蛛の子が散らばっておりました。
むろん、あらゆる場所を掃除機で吸い取りましたよ、ええ。
それにしても私にぶつかった大蜘蛛。
実は、彼女は母親で、腹の中で子どもたちを育てていたんだねぇ。
追加:大きな蜘蛛と言えば「ハリー・ポッターと秘密の部屋」でも出てきましたな。
そして、私の大好きな「ロード・オブ・ザ・リング」でも出てきますよ。
来年?の上映が楽しみだ。
教訓: 頭上に注意!