雅裕
 
 
作品について
 
 
 
「画狂人ラプソディ」(角川、KKベスト(幻コレクション2))
芸大教授が殺害され、北斎に関する資料が盗まれた。北斎の「富獄三十六景」に隠された埋蔵金の謎は?
(ラスト切なさ、やるせなさ、亀浦周一の心が痛いです。)
 
「モーツァルトは子守唄を歌はない」(講談社、KKベスト(幻コレ1))
モーツァルトの子守唄が世に出た時、魔笛作家が幽閉され、楽譜屋は奇怪な死に方を。ベートーヴェン、チェルニー師弟が謎を解き明かす。乱歩賞受賞作
(ベートーヴェン、チェルニー師弟の会話が面白いです。)
 
「椿姫を見ませんか」(講談社)
鮎村尋深シリーズ第1作。
オペラ
椿姫の主役が練習中に毒死。23年前に起こったマネの贋作事件が浮上する。鍵を握る画家は、日本画学生守泉音彦と気まぐれプリマ鮎村尋深の目前で息絶え、第二の“椿姫”も公演初日に斃れた。そして、第三の“椿姫”尋深が死を仕掛けられた舞台に上がる―。
(一番最初に読んだ作品。私をはめさせただけのものがあります!)
 
「サーキット・メモリー」(角川)
異母兄弟である、トップレーサー保柳弓彦とアイドル歌手梨羽五月香。どちらかが、巨大権力の相続者であるという噂が流れ始めたとき、「二十年前の秘密」を知ったチームメイトが殺された。
(いろんなものを振り切って、ラストのサーキットに吹いた風が、読み終えた自分の心にも吹いたような感じがしました。)
 
「感傷戦士(センチメンタル・エニュオ)」(講談社)
梨羽五月香は虎の化身伝説をもつ台湾・飛虎族と飛騨忍軍末裔の間に生まれた少女である。自衛隊反乱子によって姉を人質にとられ、日本クーデターと台湾革命計画の渦中に巻き込まれる。
(思いっきりアクションもの。)
 
「漂泊戦士(ワンダー・エニュオ)」(講談社)
自衛隊特殊部隊によるクーデターが勃発する。伊神達夫へ復讐を誓う梨羽五月香。、罠に陥り、傷つきながらも彼女は、最後の戦場へ。
(異分子(言い方が悪いですが)に安住の地はないのか。どうしてこんな風になってしまったのか。哀しいです。)
 
「さよならは2Bの鉛筆」(中央公論)
横浜・硬派な女子高生物語。
(探偵の三田村さん、好きです。「郵便カブ」の暁穂のラストの言葉、すごく共感しました。)
 
「ベートーベンな憂鬱症」(講談社)
ベートーヴェン、チェルニー、リストが探偵として活躍するミステリー。
(読み終えると、自分もベートーベンの様に偏屈(?)になってしまった気がしました。)
 
「マン島物語」(中央公論、KKベスト(幻コレ3))
アイリッシュ海の独立国マン島。オートバイ・ライダーの聖地であり続けたこの島でくり広げる男たちの戦い。
(この本は他のに比べ、男の世界だ、と思ったのは、私だけかな。)
 
「あしたカルメン通りで」(講談社)
鮎村尋深シリーズ第2作
マリア・カラスがその音楽活動を終えたのは1974年11月11日の札幌であった。15年後、この街に若きプリマ、タルガ・パルフェッタ、鮎村尋深が登場した“カルメン”公演の夜、カラスの遺品―金の十字架が奪われた。その十字架が秘めたカラスの“愛”を守るのは誰か。彼女の不可解な死の謎は誰が語り得るか―。
(舞台が札幌なので、私には、とても懐かしく、うれしかった。もちろん話も良いです。)
 
「歩くと星がこわれる」(中央公論)
スマートさからほど遠かった青春の終わりに、男はただ一人愛した娘の面影を抱いてシチリアへ、伝説のロードレースに漕ぎ出す―。かたくななまでに一途な男と、無気力なほど屈託ない箱入娘。80年代を悼む少数派恋愛小説。
(切なくて、泣けました。どうして黎じゃなきゃダメなのか、私なら・・・。と真剣に思ったりしました。でも、だからこそ、恋愛なのだろうけれど。)
 
「100℃クリスマス」(中央公論)
パリ発サハラ行・密輸団。メンバーは娘剣客、元外人部隊、フランス外務省職員、三文作家。独立ゲリラに山賊、正体不明の工作員までからんで、サハラ砂漠に血と汗と涙の雨が降る―。
(説明通り、血と汗と涙の雨です。都美波の様な女性が好きだという人は、男女問わず以外と多いのでは。)
 
「蝶々婦人に赤い靴(エナメル)」(中央公論)
鮎村尋深シリーズ第3作
舞台は長崎。実在した蝶々夫人の悲劇に織り込まれた謎を解く鍵は、彼女が残した短刀。
(守泉音彦よ、それで良いのか!と苛ついたファンは、私だけではないだろう。)
 
「平成兜割り」(新潮)
この短刀があると幸せになれないんです、といって妖刀村正とともに現れたアイドル歌手。信州での若い刀鍛冶との出会いがきっかけで巻きこまれた贋作騒動。榊原鍵吉の故事に倣い、実戦刀・胴田貫で平成の兜割りに挑戦する美人女子大生。連作短篇ミステリー。
(長編が好きな私には、ちょっと物足りなく思ってしまいましたが、都美波の話は大好きです。)
 
「流星刀の女たち」(講談社)
女刀鍛冶、デートに燃えるキャピキャピの女子大生、示現流の達人。美女3人と流星刀をめぐるアクション。
(個性の強い登場人物ばかりのドタバタが笑えます。)
 
「ビタミンCブルース」(新潮)
カリスマ的な人気をもつ美人歌手・千里と、母の遺言で千里に曲を届けるためロンドンからやってきた少年マイク。二人が駆けまわる先々で、次から次へと事件が起こる。
(真郁君がけなげです。)
 
「マンハッタン英雄未満」(新潮)
聖ジョン大聖堂で育てられていた幼いメシアが悪魔に誘拐された。悪魔を倒すことができるのは、聖なる音楽と聖なる剣のみだという。そこで時空の彼方から二人の男がニューヨークに呼び寄せられる。現代楽器を手にしたベートーヴェンと流星刀をもつ土方歳三、そしてメシアの母親ジュネ。風変わりな三人組が悪魔と戦う痛快無比の冒険譚。
(ここに登場する土方歳三、すっごく、好きだな。)
 
「鉄の花を挿すもの」(講談社)
若手刀鍛冶の角松一誠は、99歳の孤独な師匠酒泉渉の訃報を聞き、岡山にかけつけた。鎌倉期の刀作りを再現する試みを最後の仕事と決めた酒泉は、二振りの刀を作っていたが一振りしか遺っていない。手助けをしていた相弟子の古志村捷が師匠の遺作と同じ見事な作品を作ったとの噂。その古志村をはじめ刀剣関係者が次々と不審死を遂げ、角松は真相究明に引き込まれていった―。
(一般人にはあまり知られていない、刀鍛冶の世界がみられます。)
 
「自由なれど孤独に」(講談社)
1864年ウィーン。ブラームスは、メンデルスゾーン、シューマンを継く有力な作曲家に成長し、宮廷歌劇場で「トリスタンとイゾルデ」を上演しようとしているワーグナーに会う。立会うは世界の金庫番ロスチャールドの御曹子とハプスブルク家の王妃。ワーグナーの過去を証す秘密の地図張をめぐり、それぞれが入り乱れての奪い合い。ウィーンの政治・音楽情報を反映して混沌とする謎をブラームスは解けるのか。音楽ミステリー。
(音楽と世界史に明るい人には、面白いはず。)
 
「推理小説常習犯」(KKベストセラーズ)
本書は決して華麗ではないミステリー作家が思いの丈を赤裸々に綴ったエッセイです。本書はミステリー作家になる方法となることを断念するこれまた最良の方法を指摘したエッセイです。
(ここまで書いて大丈夫?それをまた発行するKKもすごい!一般人の知らない出版業界の現実がわかります。)
 
「会津斬鉄風」(集英社)
表題作「会津斬鉄風」、「妖刀愁訴」、「風色流光」、「開戦前夜」、「北の秘宝」の5話が、鎖のように連なる物語。幕末激動の時代。数奇な出会いが、歴史をつくる!漂泊の名匠・河野春明作の鐔すり替え事件から、それは始まった
(歴史に明るくない私は、時々、ちょっと待て、と考えながら読むことに。そのせいか、短編連作でも、こちらは物足りなさはなし。友弥(兼定)が良い!)
 
「北斎あやし絵帖」(集英社)
文化十四年(1817)の正月、葛飾北斎は洋琴(ピアノ)を作りたいという芝居の道具師・あざみに出会うが、北斎が収集した図譜、画帖の中にあったその資料が、何者かに盗まれてしまう。北斎とあざみは危機を救ってくれた千葉周作を仲間に加え、盗まれた資料を追ううち、かつての老中・田沼意次が前将軍・家治とその世子を暗殺し、その事件に絡んで、東洲斎写楽が抹殺されたらしいことを知る。事件の背後に松平定信や水野忠邦の思惑も交錯し、幕府内部の暗闘へと繋がる、壮大なスケールの痛快時代ミステリー。
(痛快です。雰囲気は「ベートーベン」の北斎版。あちらの方が切ないけれど。)
 
「いつまでも折りにふれて/さらば6弦の天使」(KKベスト(幻コレ4))
クリスタル細工のような瞳を持つボーカリスト錺泉深(かざりいずみ)のミステリアスな魅力で人気のロックバンド、HERGA(ヘルガ)。ニュー・アルバムの録音中、作曲家は不慮の死を遂げた。はたしてその死は転調していく運命のイントロなのか―。私家本ながら絶賛の『いつまでも折にふれて』、書き下ろし姉妹編『さらば6弦の天使』を併録。
(この本が出た時は、狂喜乱舞しました。とにかく良いです!生沢が哀しい。ボロボロ泣きました。)
 
「化粧槍とんぼ切り」(集英社)
戦国の世に終止符を打つ徳川政権誕生、その前夜。勇猛無比の武将本多忠勝の娘稲姫と、西軍の知将真田昌幸の息子にして徳川につく信幸の結婚。疾風怒涛の歴史のうねりを生きる人間ドラマを、止まった蜻蛉(とんぼ)が切り落とされる名槍「蜻蛉切り」の数奇な運命に託して描ききる大作。
(「いつまでも〜」とは違った感動です。稲の生き様、望斎の生き様、すごく好きです。)
 
「鐵のある風景」(平凡社)
刀剣の美、刀剣を造る“人”の魅力。人の心を捉えてやまない鉄の強靭な輝き。、現代の少々はぐれたマイペース刀剣職人を紹介した刀剣書。
(刀剣界とは、こういう世界なのか。自分とは、全くつながりの無い世界なので、なかなか面白く読めます。)
 
「トスカのキス」(未発表作品)
オペラタワーの柿落とし公演『トスカ』出演のため帰国した草凪環を迎えたのは、友人の作曲家・鍋島倫子の「餓死」という記事であった。
倫子は死の一ヶ月半前から、日記を『トスカ』の演出家でもある神尾新一に送り続けていた。倫子に何があったのか?
手帳に残された「ウィザード」という書き込みは?
そして公演初日、会場に銃声と悲鳴が鳴り響き、オペラタワーは神尾率いるテロリストに占拠されたー。

未発表作品(入手先についてはお答え出来ません)。
面白いです!続きが気になって一旦休止するのに苦労するくらい。
もちろん、ストーリーだけじゃなく登場人物も魅力的。
ヒロインの環は、尋深+都美波という感じかな。
脇役の望月友弥もいい男です。

 
「雙」(未発表作品)
万治三年(一六六〇)六月、御前鍛錬のため江戸についたばかりの刀鍛冶・津田越前守助広は、試刀家である山野加右衛門に斬りかかる若侍・余語五左衛門(安倫)と出会った。加右衛門が試し斬りを拒否したという安倫の持つ長脇差には、長曽祢古鉄(虎徹)の銘。そして、虎徹には妙な噂があるというー。

未発表作品。
刀剣の絡んだ時代物。人間関係を把握するのに思わずメモをとってしまいました。
他の刀剣の登場する作品でも思いましたが、森さんの作刀工程や刃文に関する描写は、実際に見てみたいと思わせるものがあります。
この作品の謎解きはパズルの様。
でも、面白いです。