IO Analysis 2.1.2

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Input-Output Analysis「産業連関分析の覚え書き」

2. 国際産業連関分析

2.1 非競争輸入型

2.1.2 非競争·競争輸入混合型モデル

　対象国間の輸出入は非競争型モデルとして扱い、その他世界とは競争輸入型モデルを利用する。

X^I：第 I 国の総生産額ベクトル

A^II：第 I 国内の中間需要部門の投入係数行列

A^IJ：第 I 国から第 J 国への中間需要部門の輸入係数行列

Y^II：第 I 国内の最終需要ベクトル

Y^IJ：第 I 国から第 J 国へ輸入された財の最終需要ベクトル

E^I：第 I 国からその他世界への輸出ベクトル

M^I：その他世界から第 I 国への輸入ベクトル

V^I：第 I 国の粗付加価値ベクトル

などとおくと、3国間の非競争·競争輸入混合型産業連関表は次のように表される。

Figure 2-3 非競争·競争混合型国際産業連関表
(3国連結の例)

国別中間需要部門国別最終需要輸
出輸
入総
生
産

I J K I J K

国
産
財 I A^II·X^I A^IJ·X^J A^IK·X^K Y^II Y^IJ Y^IK E^I -M^I X^I

J A^JI·X^I A^JJ·X^J A^JK·X^K Y^JI Y^JJ Y^JK E^J -M^J X^J

K A^KI·X^I A^KJ·X^J A^KK·X^K Y^KI Y^KJ Y^KK E^K -M^K X^K

付加価値 V^I V^J V^K

総生産 X^I X^J X^K

　さらに、連結国間全体について、総生産額ベクトルX、投入係数行列 A、最終需要ベクトル Y、その他世界への輸出ベクトル E、その他世界からの輸入ベクトル M を、

A =

A¹¹ … A^1Z

·
·
·
·
·
  · ·
·
·

A^Z1 … A^ZZ

、
Y =

Z
Σ
Q = 1 Y^1Q

·
·
·

Z
Σ
Q = 1 Y^ZQ

=

Y¹

·
·
·

Y^Z

、

X =

X¹

·
·
·

X^Z

、
E =

E¹

·
·
·

E^Z

、
M =

M¹

·
·
·

M^Z

とおくと、全ての連結国のバランス式は次のように与えられる。

X = A X + Y + E - M

(2.1.5)
これより、X について解くと、

X = ( I - A )^-1 ( Y + E - M )

(2.1.6)
　連結国間全体の投入係数行列 A、最終需要 Y、その他世界との輸出入 E、M を与えると、総生産額 X が求められる。

　ここで、その他世界からの輸入を内生的扱うために、一国表の [ I - ( I - M ) A ]^-1 型モデルを応用した競争輸入型モデルを作成する。
　その他世界から I 国 ( I = 1,...,Z ) への輸入 M^I がI国の国内需要に比例するものと仮定すれば、その他世界から I 国への第 i 品目の輸入係数 m^I_i を次のように定義することができる。

m^I_i =

M^I_i

Σ_ja^{I I}_ijX^I_j + Y^{I I}_i

(1.2.7)

さらに輸入係数 m^I_i を対角要素とする輸入係数行列を次のように定義する。

-
M ^I =

m^I₁ 0

·
·
  ·

0 m^I_n

(1.2.8)

これを用いて、輸入ベクトル M^I は次のように表せる。

M ^I
= -
M ^I
·( A ^{I I}
·X ^I
+ Y ^{I I}
)

(1.2.9)

この時、その他世界から連結国全体への輸入 M は次のように表せる。

M =

M^I 0

·
·
  ·

0 M^Z

= -
M · ( A ^*
·X + Y ^*
)
(1.2.10)

ただし、

-
M =

-
M ¹

0

·
·
  ·

0
-
M ^Z

、
A^* =

A¹¹ 0

·
·
  ·

0 A^ZZ

、
Y^* =

Y¹¹

·
·
·

Y^ZZ

、
これより、バランス式は

X = ( A - -
M · A ^*
) · X + Y - -
M · Y ^*
+ E

(1.2.11)

となる。総生産額Xについて解くと、

X = { I - ( A - -
M · A ^*
) } ^-1
· { Y - -
M · Y ^*
+ E }

(1.2.12)

となる。
　連結国間全体の投入係数行列 A 、最終需要 Y 、その他世界との輸出入 E を与えると、総生産額 X が求められる。さらに、その他世界からの輸入係数行列 M^* を与えると、輸入額 M が求められる。

　完全非競争輸入方式との対応を比較してみると、次のようになる。

Figure 2-4 多国連結完全非競争輸入方式と競争輸入方式の対応
注) Q = 1,...,Z かつ Q ≠ I

国別中間需要部門国別最終需要輸
出輸
入総
生
産

… I … … I …

国
産
財 ·
·
·
·
·
  · ·
·
·

·
·
  · ·
·
·

·
·
·

·
·
·

I … A^{I I}·X^I

⇒(I - -
M ^I
)A ^{I I}
X ^I

… … Y^{I I}

⇒(I - -
M ^I
)Y ^{I I}

… E^I 0 X^I

·
·
·

·
·
·
·
·
  ·
·
·
·
·
·
  · ·
·
·

·
·
·

Q
注) … A^QI·X^I
⇒A^QI·X^I
… … Y^QI
⇒Y^QI … E^Q 0 X^Q

·
·
·

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·

·
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·
·

輸
入
財 ·
·
·
·
·
  ·

·
·
  ·

·
·
·

I
A_m^I·X^I

⇒ -
M ^I
A ^{I I}
X ^I

Y_m^I

⇒ -
M ^I
Y ^{I I}

0 -M^I 0

·
·
·

·
·
  ·

·
·
  ·
·
·
·

付加
価値 … V^I …

総生産 … X^I …

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