劇場版天界編〜序奏についての感想
ネタバレしています!!見たくない方は注意してください!!
聖闘士星矢 天界編 序奏 ~overture~
バンダイビジュアル (2004/09/24)
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2004年2月15日に観てきました。そこでありきたりではありますが、感想をUPしておこうかと。
結論から言えば、結構よく出来てるなという感じでした。
ただ手放しでいいかというとそういうわけではなく、巷でかなり批判的な意見が多いのも納得が
いくほどの不満点がいくつもありました。
記憶が強い部分を中心に書いていきます。

<オープニング>
 出だしからCG背景全開ですが、まあこれはハーデス十二宮編で抗体がある分それほど違和感
 はなかったです。今回の基調であるカラーがちゃんと出ているのはいい感じですね。
 タイトル表記時の音楽も、個人的には好きですね。

<車椅子の星矢とアテナ、そして・・・>
 星矢の出血描写がくどすぎ・・・アテナの登場が流れの中で自然に出すぎて、少し驚き。
 早くも「星矢らしくない!」というスタンスが見える。
 本来なら星矢が攻撃され、殺される!ってところでアテナがその強大な小宇宙で救うという感じ
 でしょうからね。(青銅聖闘士がいれば、当然彼ら。ポジション的には瞬かな?)
 それにしても沙織さん、すごく綺麗に書かれています。思わず見入るほどです。
 アテナの姉・アルテミス登場!これも綺麗に書き込まれて・・・んっ?少し引くと、口が歪んで
 いませんか?早くも「あらら〜」という感じが。
 ここまでの流れは劇場版「真紅の少年伝説」のままです。
 3人の従者、アテナの兄弟、アテナがひざまずく・・・真紅の方が黄金聖闘士もいたので・・・
 インパクトはかなり劣ります。というか、この作品はあえて意図的にそういったインパクトを避け
 ているように感じます。

<魔鈴さん、そして星矢復活>
 ここまでの星矢の状態は冥王ハーデスとの最終決戦で剣をもろに受けた&呪いを受けたため
 小宇宙を失い、植物人間になっています。ただその描写は冥界編のことも考えているのか、抽
 象的な表記になっています。こんなところを隠しても、実に来ている人の多くは原作を読んでる
 だろうし・・・いまさらという気もしますね。
 さてアテナの異変に気づいた星矢は突然目を覚まし、そこに師匠である魔鈴さん登場。
 やはり山本百合子さんの声はいいですね。変えられていなくて、本当に良かった。
 このへんから、女性の下半身UPもしくはナメのカット(魔鈴&シャイナ中心)が増えてきます。
 星矢ファンにそういうフェチが多いことを調査したんでしょうか?よくわかりません。
 ただ気になったのは星矢の事情を魔鈴さんがあまり知らなかった点。彼女なら単独で調べそうな
 雰囲気なんだけど・・・

<黄金聖闘士の魂>
 星矢では非常に人気のある黄金の戦士たちですが、早くも登場です。しかも裸で(笑)
 ・・・よく考えると、変な感じです。12名の男が裸で魂となって生活している・・・狙いすぎて同人の
 ネタにもならんような笑える話です。・・・喋るのは、残念ながらシオンと童虎だけ。
 プロレスラー・永田さんと元プロレスラー・風間さんが声の出演をしているのですが、風間さんは声優
 になりたかったというのがうなずける感じだったのですが、永田は・・・いい台詞だけに何を言っている
 のか不明なのはちょっとね。声のノリは素人とプロでは大きく異なりますが、風間さんはそれを感じさ
 せませんでした。声のお仕事が次も来るかもしれませんね。
 
<アテナ、血の祈り>
 星矢ら聖闘士たちの贖罪を条件にアルテミスに地上代行者の地位を譲ったアテナ・沙織ですが・・・
 なぜか地下水の流れる聖域の地下でリストカットして、祈りだします。アルテミスによる人間抹殺(粛清)
 を少しでも遅らせるようにということでしたが・・・説得力がないような。あまり意味をなしていない気が。
 今まで彼女は似たような他人迷惑な行動をとっていますが、今回ほど無意味なことはないのではないか
 と思います。(雪解けを遅らせるとか、世界の水を代わりに受けるなど)
 リストカットも表現としてはあまり好ましくないかな?とも思いましたが。
 透き通るような水に血の雫が落ちるのは・・・妙にいやらしいというか「ああ、大人の作品だな。」と。
 残念ながら、今回の作品で最も致命的な緊迫感のなさはここにあると言えます。緊迫感はある制限
 が加わることで発生するものですが、今回は12時間やら沙織の命が燃え尽きる前に!という危機感
 が星矢たちの心にないため、「急がねば、アテナが死ぬ!」という流れがありません。
 結果・・・観る方もハラハラしないという非常に星矢らしさから外れていきます。
 そのわりに、なぜか青銅聖闘士たちはアテナの下に!とか言ってるんですが・・・何しに行こうとしてる
 だろ?という疑問が湧いて来ますね。

<聖域到着>
 魔鈴さんの指示通り、フラフラしながら聖域に到着した星矢の前にシャイナさん、登場!
 この時点で背景とキャラがあまり合ってない感じになります。星矢の赤い服がいけないのか・・・
 やけに浮いて見えます。さらに今回はこのフラフラが多いのですが、時々やりすぎて笑える場面
 が多かったですね。(神々の熱き戦いや真紅の少年伝説でもやっているアレです。)
 「アルテミスって誰だよ!」の台詞については、もう多くの方が突っ込んでますので若輩者の
 自分はノーコメントで(笑)
 邪武&市もシャイナのかわいい子分状態になっているのが、なにやら笑えました。
 明らかに心を殺して、攻撃を繰り返すシャイナと邪武&市。戦闘シーンが始まり、ようやくのめり
 込める感じになったのですが・・・「小宇宙は燃やすものだよ!」の台詞は良かったのですが・・・
 あのエフェクトでなぜか「サンダークロウ!」という台詞がないので、一気に現実に戻されます。
 この作品が酷評される所以は、こういう部分が大きいと感じます。
 「少し引っ張って、一気に突き放す」・・・このパターンがもう何度も出てきます。
 ですから、勢いに乗って観たい人にはつらい。特に星矢ファンはこういう部分を好みますからね。
 シャイナによって崖から落とされた星矢はたいしたダメージを受けずに、無事です(笑)
 よく考えると、普通じゃないと感じる場面です。「普通は死ぬだろ、あれ?」と考えるかどうかで
 星矢ファンかどうかがわかりますね(笑)
 なぜペガサスの聖衣箱が水浸しでそこに置いてあるのか、大いに疑問ですが・・・ま、いいでしょ。
 ちなみに今回の例に漏れず、ここで格好よく聖衣を装着するシーンなどはありません。

<瞬、崖を上る(チェーンで)>
 いつもはチェーンが役に立たず、やられそうになるポジションの瞬ですが今回は一味違います。
 妙に勇敢です。男・瞬という感じです。ですが、そのわりには言葉が「あれっ?」と思うほど男らしく
 ないものも。「なんなのだ・・・この違和感は。」(これはハーデス十二宮編でもあった。)
 天闘士(エンジェル)の一人・テセウスと対峙。たいしてダメージを受けず、これから瞬が頑張ると
 いうところで、なぜか赤いニワトリ登場(笑)「おいおい!早いだろ!!」という会場の反応が・・・
 このお約束は会場は笑いつつも歓迎しているような感じでした。
 弟の出番を奪おうと現れた一輝兄さんですが、今回はなんといつもの瞬ポジション(笑)
 瞬に「兄さんは僕が守る!」と言われます。その後、一輝が瞬を男として一人の戦士として認めると
 いう、実にいい素材もなぜか軽く流されていきます。そして瞬が吹っ飛ばされた先にあったのは、なん
 とも悪趣味な12人の男が裸で合体している巨像でした(笑)
 2人がテセウスの力の前に戦いをあきらめかけると、あらゆる像のご多分に漏れず・・・血の涙を流します。
 これとともに慟哭したファンも多くいることは間違いないでしょうね。
 その血を受けて瞬と一輝が復活して、見事なコンビネーション!まるでバド戦を彷彿させるいい迫力のシーン
 のはずが・・・あれっ?という形です。瞬の連続攻撃のアングルとネビュラストームの放出時間が変に長い・・・
 お〜い!と感じてると、兄さんの鳳翼天翔が炸裂。
 あっ、兄さんの必殺技叫びは久しぶりだったので、良かったですよ。ちょっと兄さんハスキーっぽかったですが。
 巷では迫力がないという意見も多い戦闘シーンですが、個人的にはある程度覚悟していたせいか
 それなりに迫力はあったと思います。横山先生の曲に助けられていた面は否めませんが・・・
 
<聖衣破壊済>
 ここまでに感じていた違和感はまだ序章に過ぎなかった・・・ここらへんから台詞や演出に?が多くなる。
 場面が変わった瞬間、いきなり氷の結晶が・・・氷河登場かと思ったら、やられてます。
 (しかも凍ってます。)
 ついでに紫龍も得意の背中の龍を消して、水にプカーッと浮かんでいます。(当然上半身裸)
 噂には聞いていたが・・・ここまでとは思いませんでした。
 敵は天闘士・オデュッセウス。なにやらサープリスみたいな暗めの天衣(グローリーと読む)です。
 なぜ作中にこの呼称が呼ばれなかったのだろう・・・?
 それはともかく彼はなにやら、すさまじく地味です。
 ここで例のフラフラ星矢、登場。オデュッセウスの攻撃が星矢を襲った時の台詞がまた笑えます。
 「こんな遅い攻撃〜!」とぬかした星矢。・・・直撃です(笑)
 自分の中で一番笑えた場面でしたが、その台詞は敵が言った方がいい感じですよねえ。
 ただでさえボロボロの星矢がさらにボコボコになり、ゾンビのように這い上がってくる姿を見て、氷河と紫龍
 が立ち上がり、待ってましたの行動を起こします。
 皆さん、お待たせしました!あれですよ! 氷河の腕が奇妙に泳ぎだします(笑)それに合わせて会場の
 笑いが起こります(笑)
 氷河の白鳥ダンスファンの自分ですが、アングルの悪さに閉口・・・大不満。正面踊りが良かったよ!(泣)
 そして真紅の時と同様に水流を巻き上げ、紫龍の昇竜覇・・・連続攻撃に会場も笑いのコンボでした。
 けど、失敗して自爆→2人氷漬け・・・すでに登場時点で凍り付いていた為、インパクトがありません。
 ここでまた大きな問題が・・・突然何の脈絡もなく、星矢がボロボロの氷河たちを置いて、アテナの元へ
 向かいます。なぜ見捨てるような行為を???
 「な・ん・で・だ?」・・・そんな会場の雰囲気を無視して、フィルムは流されていきます。
 すると、なぜかオデュッセウスは2人の攻撃によって倒されます。なんというか最期も報われないオデ・・・
 そして紫龍&氷河ファンは活躍する場面すらカットされる現状に慟哭を流したのは言うまでもありません。

<星矢とイカロス>
 巷で言われている「沙織さんのために!」という星矢の台詞はくどいということ以外はまあ、ありか?と思える
 のですが・・・ところどころに「なぜその台詞が出てくる?」と感じるように。
 原案から決定稿まで11回ほど変更があったそうだが、そこらへんの調整がうまくいっていないのか
 な?と思えるほど浮いた台詞が。ここから一気に喋りだすイカロスはキャラとしては結構好き。
 「ペガサス星矢を倒したいと思っていた・・・」という敵はあまり過去に記憶がなく、新鮮だった。
 見下す系の敵が多い中で、対等の立場に近いスタンスは、この作品一番の収穫かもしれない。
 攻撃パターンがイマイチなのは、ハーデス十二宮編である程度覚悟していたが・・・もう少し工夫が
 欲しいと感じた。天闘士たちは監督の演出で必殺技を叫ばないのも大きな原因だろうと思う。
 魔鈴とイカロスについては特に文句なしです。いいシーンですし。逆に星矢が邪魔に思えたくらい。

<斗馬の葛藤>
 アルテミスとイカロス(斗馬)の会話シーンはかなり印象的な美しいシーンです。
 この関係は星矢と沙織に近いと感じさせ、似た者同士(アテナ&星矢 VS アルテミス&斗馬)の絡みを期待
 しました。(ま、裏切られますが・・・)

<星矢、沙織との再会>
 2人を見捨てて、ようやく星矢はアテナ沙織との再会を果たします。
 巷ではパフパフやらと言われているシーンは、少し過剰に思えましたが、自分的には許容範囲内。
 まあ星矢の「沙織さん」連発はちょっとしつこすぎないか?と思いましたが・・・
 ここにアルテミス登場。沙織の真紅の〜ような表情とアルテミスの対峙は非常に力が入っていました。
 フェイクで星矢に攻撃するアテナ・・・薄れゆく星矢の小宇宙・・・
 そこでも違和感がある台詞が・・・
 一輝「星矢のことは忘れろ!」
 ・・・この台詞の意味は非常に唐突ゆえに、いろいろな意味に取れますね。しっくりくる解釈が出来ない・・・
 (ちなみにこれで青銅聖闘士の出番終了・・・合流すると思っている人も多かったろうに・・・)
 ここでも星矢をお姫様だっこするアテナ沙織が軽々と歩いている様は異様に感じます。
 小宇宙か何かで空中に浮かせてしまう方がアテナらしい感じがしますね。
 ここの部分も強引に解釈しようと思えば、できなくはない部分なんですが・・・
 さて、沙織から本来の小宇宙を発揮できないというハーデスの呪いから解放された星矢はいい感じ。
 いつもの熱い感じも取り戻し、イカロスを撃破します。その後の魔鈴と斗馬の会話は良かった・・・のに。
 RPGでおなじみ、アルテミスの弓矢でアテナが殺害されようかという時に、斗馬が身代わりに!
 「なぜ、そこでお前が・・・」・・・ここで死なすには、もったいないキャラだと思うんですが。
 そしてついに巷ですさまじいストリームを生んでいる問題のシーンに突入します。

<ここはどこ?>
 ここでなぜかアテナの兄・アポロンが現れます。彼の顔は当初と違って、やけに中性的で違和感が・・・
 もう少し男って感じでも良かったのでは?見るたびにかわいく見えてしまって・・・声とのギャップを感じました。
 アポロンはアテナを殺害しようと首に手をかけます。
 そこにお約束通りに星矢が攻撃→アポロンの攻撃目標変更。星矢、爆発!!
 そして・・・皆さんが驚愕する姿で、彼らは現れます。
 星矢・・・そして沙織は一糸纏わぬ姿になっています。もう会場はすでに苦笑いするしかありません。
 事前に情報を入れていても、抵抗があったんですが・・・なかった人の衝撃は計り知れません(笑)
 神の前では人間など無力・・・それを表すという意図はわかります。自分はありだと思いますけど。
 そして某所で有名なマッパ流星拳を星矢が放った瞬間、字幕が現れ・・・スタッフロール・・・
 せっかくのMAKE−UPの新曲も冷静に聴けている戦士は少なかったように感じます。
 (個人的には河野氏の編曲にしては今ひとつに感じたのですが・・・)
 そしてまた問題の記憶喪失?もしくはパラレルワールドっぽさを出し、最期にペガサス新聖衣(正式名称不明)
 を纏った星矢がアポロンに攻撃したところで「おわり」。
 終盤の会場置いてけぼり状態は、ある意味見事でした。
 間違いなく予備知識がなく観た人の多くは「お前らは悲しい幻を見たんだよ・・・現実は、ほら!」と一輝兄さんに
 言ってもらった方が良さそうな感じでしたね。

<総括>
 素材はいいのに、調理方法を誤ってしまったという意味で「愛のエプロン」みたいな作品でした。
 設定は活かせば、もっと良くなりそうなものが多かったのですが・・・殺してしまった感じです。
 絵はデジタルゆえのシャギー(線ギザギザ)が気になりましたが、荒木テイストが前面に出ていて良かったですね。
 (特に引いた書き方。目とか・・・らしさが出てました。)
 絵に関しては製作時間も少なかったようで、スタッフの頑張りが最も光っていたように感じます。(お疲れ様です。)
 音楽も個人的には充分堪能できました。音楽の印象は他の作品と比べると落ちる感じですが、使い回しでは
 この作品のいいと思えるシーンも死んでいたように思います。
 演出に関してはお世辞にも洗練されていたとは言えません。単調な引きと歩くシーンが無駄に多すぎ、明らか
 に間延びを生んでいました。間はあってもいいのですが、それぞれが少しずつ長いために生きていません。
 このシーンを短くして他に時間を割いた方(氷河&紫龍登場など)がいいと感じました。
 さらに台詞も「狙ってるのか?」と思うほど、的外れに感じるものも多かったように思います。
 あとは、台詞回しがくどすぎ。元々星矢にはそういう面はありますが、くどくなる部分が違っている感じ。
 重ねることで深い意味を出すという手法はありますが、ややずれているというか・・・ことごとく外れてるというか・・・
 戦闘シーンも真紅〜で多かった手で光&体の一部を引っ張って敵をふっとばす攻撃ばかりで飽きます。
 よく言われていますが、そういう意味でもニーズを捉え損なってます。
 あと東映の姿勢も今回の作品に大して意欲的でないのが伝わっているのは、非常に問題があるように感じます。
 まあ他にも話題作をいくつも抱えているのはわかるのですが・・・それにして酷いなと。
 熱い部分は同時期公開の「ゼブラーマン」に譲ったということでしょうか?宣伝に関しても、パッとしません。
 公開期間と他作品の関係を見ると、興行的にもあまり見込めないような気がします。
 (早めにDVD化するなら、それなりに見込めそうですが・・・。)
 7月公開、10月頃に冥界編(PPV)くらいの方がスケジュール的には良かったのではないかと感じます。

 劇場版〜ハーデス十二宮編からの変化したひとつの進化形としてはありだと思います。
 ですが、それにしては急に変えた弊害と中途半端な部分が多かったように感じます。
 個人的には金額分の価値はありました。ですが観る姿勢によっては駄作と言える要素を充分に秘めています。
 ひとつのアニメ作品としては充分合格点、星矢としては演出面で落第点というところです。
 もう1ステップ置いて、このラインに行き着くのならば・・・まだ評価は大きく違ったと思いますが。
 多くのファンを置き去りにしてまで到達したものがその犠牲以上の収穫を見せればいいのですが、残念ながら到達点
 はいつもと大して変わりません。同じテーマでも違うやり方があり、少なくとも多くのファンが望む方法ではありません
 でした。原作のいい部分を殺して、どうでもいいところを残し、いきなり違うものを不完全な情報のままで出して・・・
 「どうだ、わかるか?」では無責任すぎるように思えます。そういう意味で、作品として中途半端です。
 謎を残して、という方式は嫌いではありません。ただ視聴者を試すような姿勢はあまりに露骨過ぎると、すごく
 鼻につきます。そういう部分は隠して、自然にあの部分はどうだったんだろう?と思わせる形ならいいのです。
 提示の仕方に問題があったように思います。いろいろな意味で、急ぎすぎたということでしょうか。
 ”変わらない方がいいものもある!”・・・それを痛感する作品ではありました。
 苦言を多く述べましたが・・・いい部分が多かったのも事実です。そういう意味で評価が大きく分かれるのは仕方
 ないですね。天界編の続きは早くても、来年の今頃あたりでしょうかね。(冥界編を先に出しそうですし・・・)

 あとパンフレットですが、結構売れています。作中で語られていない要素が書かれているので、補完したい
 方は購入をお勧めします。イラスト資料集のような感じなので、荒木&姫野画が好きな方には特に。
 これを読むと、作中で語られていない設定が多い感じですね。これを出せば、世界観が広がったろうに、と思うものも。
 もちろん設定すべてを作品で明らかに説明しなければならないということではありません。
 しかし・・・作中で語らない部分が多すぎるアニメ、最近多いような気がする。
 なんというか放棄している部分が監督や脚本家などの脳内補完でしかなくて、そんな設定わかるか!という。
 ある意味、そういう問題も露呈してますね。(謎本やパンフレットなどの商業的な意図もあるかもしれないけど。) 
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