冒頭でも触れましたが、キーボードのパソコン操作に関する割合の大きさのわりに軽視されています。
以前のものと比べても、市販パソコン付属のキーボードの質は悪化している傾向が強いです。
仕事の関係上、数々のキーボードを何千と触ってきた経験からくるものですが、数年前のキーボードを打ち込んでみると「おやっ?!打ちやすい!」ということが結構あります。
それに比べて、最近のものは下手に薄かったり、入力認識が甘かったりするなど、デザインやコスト削減・省スペース性を重視しすぎて、人間が使うということをあまり考慮されていないなあと感じるものが増えています。
キーボードは色関係と同じく、個人が”いい”と感じるものはかなり差があります。
それはタッチ感、押し具合、音、キーの配置・有無、大きさ、テンキーの有無、追加機能、頑丈度など様々な要因が重なって、お気に入りのものという形につながるからです。
自分がどのようなものが好きなのか?を調べるには、見たり触ってみるのが一番です。
自分も今回の購入のためにキーボードを触れられるお店を探してみました。
実際に触ってみるとかなりの違いがあるのです。
必ずしも高いものがいいと感じるのではなく、安くても「これ、いい」と思うものもありました。
感触のいい安いものを買っては見たものの、反応が鈍すぎて、2日で嫌になったものもありました(笑)
色々調べて、自分の購入ポイントは「打鍵感」「音」「信頼性」「品質」の4つであることがわかりました。
それらのポイントをふまえて、実際に店頭で見た感触とネットの評判などを色々と調べるうちにあるメーカーのシリーズ名が度々出てきました。
それが「東プレのRealforceシリーズ」(通称リアフォ)でした。
実際に店頭でRealforceのキーボードに触れてみての第一印象は「う〜ん、何かふにゃふにゃしていて頼りないタッチ感だなあ。」でした。
ですが、他のものを数時間かけて比べて戻ってみると、また違う印象を持ちました。
「指に吸い付くような軽さと素直な感じだ・・・それに打っていても本体がずれない安定性がある」。
本体を持ってみるとズシッとくる重量感。このコントラストが非常に魅力的に映りました。
実際に東プレはキーボードだけでなく、様々な業務系製品を多く生産している日本企業。
キーボードでもシビアな入力が求められる金融関係へ多く納入している高い信頼性を評価されているというのも納得でした。
Realforceシリーズはそのソフトなタッチ感と高い信頼性から、多くのファンを獲得しています。
タッチ感の軽さは通常は50〜60gという押下に必要な荷重がRealforceシリーズは30gや45gなどになっているのが大きいと言えます。
またスイッチ方式も他と違い、静電容量無接点方式を採用しています。
簡単に言えば、機械的な接点がないので静穏で安定したタッチが可能で耐久性もあるということです。その性質上、チャタリング(キーを一度押しただけなのに、複数回入力されたり、反応が起きなかったりする現象)も起きません。
しかしその場で購入するには抵抗がありました。
それは金額。なにせどの機種を見てもRealforceシリーズは1万後半から2万円でしたから。
「確かにいい品だが、さすがにこれは・・・高い。」と躊躇もしましたが、これだけしっかりしているものを買えば、下手に安いものを
品定めして後悔するよりよっぽど建設的ではないか?という判断でRealforceシリーズの購入を決めました。
ですが、それから新たな悩みが出てきたのです。
Realforceを買うのは決意しましたが、その中からどれを買うか?で悩みました。
・Winキーやアプリケーションキーがないものの、全キー30g荷重で統一されたタッチ感の軽いPS/2接続フルキーボード「REALFORCE106S LA0200」。
・106Sよりは荷重は必要(45g)だが、USB接続でWinキーやアプリケーションキーが追加されたフルキーボード「Realforce108UH SA0100」。
・力のいれ具合を考慮し、荷重をエリアごとに変更した変荷重のUSB接続フルキーボード「Realforce108UBK SJ08B0」。
同じリアフォでもタッチ感やさわり心地なども違い、機能性やさわり心地で一度は「108UBK」に決めましたが、最終的には「106S」を購入しました。
その決め手はいつまで打っていても疲れない抵抗感のなさを感じるやさしいなめらかな打鍵感を106Sには覚えたからでした。
実際に購入して、今この文章も106Sで打っていますが、なんというか「打っていて楽」という印象を受けます。
ネットでのレビューにもよくありますが「打つではなく”撫でる”」という言葉がしっくりくる感じ。
また店頭で打ってみた感じともまた違います。
個体差もあるのでしょうが、実際に画面を見ながら入力するとその”良さ”がわかる感じですね。
慣れるまで時間がかかるかな?と思っていましたが、すぐに指になじみ、1日で買って良かったと思いました。
それはそれだけ説得力のあるタッチ感、品質だったからです。この打鍵感は想像以上に気持ちがいいです。
またキーボード自体はとてもシンプルで目立つところがありません。
本当に”普通”という言葉がふさわしいと思えます。
派手に装飾されていないために店頭などでは目を引きにくいですが、キーボードはあくまで端末の入力装置という役割からすれば、それは賛辞になります。
見えないところがしっかりしている職人系が作ったキーボードという感じですかね。
さらに最近ではPC関連では珍しくなった「MADE IN JAPAN」も目を引きます。こういう事業をしっかり国内企業が国内でやってくれていることは素直に嬉しいですね。
キーボード関連の情報を集めるまで「東プレ」の名前すら知らなかったわたしですが、機能や打鍵感・安定性に大満足です。
おそらくこのキーボードはここ数年、下手をすれば10年以上の付き合いになるかもしれません。
弱点は値段が高いこと、そしてキーボードの好みが「打つ」という感覚が強い人には向いていないということが挙げられます。
また打ったときに「カチッ」というメカニカルな感じが好きという人にも方向性が逆のため、おすすめできません。
業務用だけでなく、ゲーム関連にも採用され、そのほかのメーカーにもOEM供給している高信頼のキーボードの良さをキーボードの入力に不満を感じていらっしゃる方にぜひおすすめしたいですね。
機会があれば、実際に触ってみてください。きっと驚きを感じるのではないかと思います。
よろしければレビューを読んでのご感想をお聞かせください。
(他に取り上げて欲しいものがあれば、そちらもお知らせください。)
・東プレのキーボードページ:仕組みの解説なども掲載されているメーカーサイトです。
・キーボード通販 ShopU:興味深い商品紹介ページが参考になります。おすすめ!
・クレバリーeショップ:キーボード取り扱い数が半端ではないです。
・ツクモネットショップ:セールだと結構東プレのものも安く買えます。
・パソコン購入ガイドコーナー:当サイトのコーナー。PC購入の参考にどうぞ。