「マクロスF(フロンティア)」は初代「マクロス」の50年後を描いたアニメ作品。特に初代をさらにエンターテイメント性を高めた感じのある今作は
楽曲も大ヒットし、話題になりました。
それでは、レビューを早速進めていきたいと思います。
この作品は、主人公である早乙女アルトとすでに「銀河の妖精」として絶大な人気を博しているアイドルシンガー・シェリル・ノーム、そしてそのシェリルに憧れ、歌手を志す女子高生ランカ・リーの3人が物語を展開していきます。
初代と同じくこの三角関係が今作の核です。
<あらゆる層への配慮>
この作品はここまでやるか!と言えるほどに多くの人に受け入れやすいような配慮があるように感じます。
まずはキャラの配置。超人気アイドルとして両立するシェリルとランカはそれぞれアーティスト系と80年代アイドル的な対比でそれぞれにファンがつくように考えられており、アルトの同級生・同僚である友人たちで
いわゆる腐女子的な方向けにネタを出していますし、ロリ系のキャラではマイクローン化したクラン・クランなどが配置されています。
そういったキャラ配置が作品を魅力的なものにした点だと思います。
また初代へのオマージュ、プラスで出てきたゴーストの発展機が登場するなど、本来のマクロスファンにもサービスをしています。お色気ネタもそこそこに入っていますし、本当サービス満点です。
<様々なジャンルの楽曲>
作曲ではあの菅野よう子が自身の器用さを見事に見せ、素晴らしく印象的な楽曲を作り出し、物語を盛り上げます。
「トライアングラー」「ライオン」というOP曲はもちろん、他にも「星間飛行」がニコニコ動画で話題になるなど
納得の出来でした。これがなければこの作品の成功はなかったと言えます。
ここではおすすめのエピソードをご紹介します。
<第1話「クロース・エンカウンター」>
シェリルの唄う「射手座☆午後九時 Don't be late」のライヴシーンがまるでPVのようで素晴らしいシンクロを見せます。
<第5話「ハイスクール・クイーン」>
ランカの唄う「ニンジーン Loves you yeah!」がとにかく耳に残る出来。
全身タイツとニンジンのかぶりものをかぶったランカもかわいらしく印象的。
<第12話「ファステスト・デリバリー」>
初代マクロスにいたゼントラーディの面々にそっくりな方々が登場し、ワクワクさせてくれます。
ですが、なんといってもこの回はランカの唄う「星間飛行」がとにかく衝撃的です。
「キラッ☆」が出たときは思わず吹いてしまいましたが、それ以上にずっと耳を離れませんでした。
楽曲の良さもあるんですが、これは演出が非常に素晴らしかったから流行ったとも言えます。
<第20話「ダイアモンド・クレバス」>
絶望から新たな道を見いだしたシェリルが唄う「ダイアモンド クレバス」と突如訪れる作中最大の悲劇が悲しいくらいにシンクロしています。
この展開は多くの方が衝撃を受けたようでこの作品を語る上でよく話題にも出ます。神谷氏の熱演が光ります。
<第25話「アナタノオト」>
最終回。本当に内容が濃いお話です。そしてシェリルとランカがともに唄うメドレーは正直鳥肌が立ちました。
そしてその曲にシンクロしている絵も見逃せません。
このお話は何度も見るほど大好きで、ぜひ見ていただきたいですが、それまでの経緯を知っていればいるほど鳥肌率が高くなるような作りはまさにお見事。
実は初代マクロスは自分は機体のかっこよさなどは認めていましたが、あまり好きではありませんでした。ガンダム派だからかもしれません。
マクロスプラスは個人的には作画の良さと楽曲のシンクロ率に驚きましたが、そこまで好きとは言えませんでした。
マクロス7は周りは結構盛り上がっていましたが、自分はどうにも受け入れがたく、ほとんど観ていません。
ですが、このマクロスFは第1話を観てからというもの、完全にはまってしまいました。
理由は上記に挙げたように楽曲とのシンクロを見せる演出が大きかったかもしれません。
そういう意味で、今までマクロスは苦手で観てこなかった方が観ると、マクロスに良さに気づける作品と言えるかもしれません。
デジタルセル画とCGの融合も見事で絵に関しても文句なしでした。あっさり目のラストシーンは評価が分かれそうですが、個人的にはさわやかで良かったと思います。
2009年には劇場版も公開されるとのことで、しばらくはマクロスFの動きに注目したいと思います。
ちなみに「ラジオ マクロスF○※△」はかなりグダグダですが、主演声優がトークを展開しています。おすすめです。
・マクロスF公式サイト:公式サイト。情報が盛りだくさんです。使用楽曲もチェック!
『マクロス』シリーズの雰囲気を味わえるゲームです。
ライバルとも言えるガンダムバトルシリーズの流用で、若干操作性が悪目ですが面白いですよ。