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ドラゴンボールZ Sparking!(スパーキング)

ドラゴンボール Z Sparking
バンダイ (2005/10/06)
売り上げランキング: 8
おすすめ度の平均: 3.47
5 King of da DRAGON BALL from Japan
4 改良点を挙げると・・・・・
5 おおっこれは・・・


 人気アニメ「ドラゴンボールZ」のゲーム化は数多くの機種で実現され、それぞれ大きく方向性が違います。PS2の従来シリーズはドラゴンボールZ的な演出と格闘ゲームの融合+お笑いという印象でした。
 そして今作の「ドラゴンボール Z Sparking!(スパーキング)」は開発元がディンプスからスパイクに変わり、それを見事に方向性を変えて、より魅力的なものに仕上がっています。 ではレビューを始めましょう。

とことん原作らしさを再現

 従来シリーズでは、よくある格闘ゲームに必殺技のみをドラゴンボールらしくしていたというのが主な作りでした。 この方向性も悪くはありませんが、全体的に大味で必殺技以外は非常に地味でドラゴンボールのダイナミックさがありませんでした。 また必殺技のデモも長く、それまでは見ているだけという仕様。これでは実にリズムが悪くなるのも仕方がありません。

 今回は格闘ゲームという形ではなく、ドラゴンボールらしい動きが実現できる独自のアクション+シューティングゲーム的な作りになっています。 「ふっとばす」「追いかけて、攻撃」「攻撃を避ける時は一度消える」「加速して飛ぶ」「舞台や背景が攻撃で破壊される」「気合で攻撃を無効化」 「気弾を弾く」などが再現できます。これは実に世界観にあっているため好感が持てます。

 キャラクターはトゥーンシェイドで描かれ、よりアニメらしく描かれています。背景も非常に丁寧に作られています。

 そして各所で流れてるBGMはTVアニメで使用されていた曲を用いているため、下手な曲を使って世界観を壊されることもありません。

 そういった配慮があるからこそ、TVアニメのキャラをそのまま操作しているというファンにとって大切な喜びを得ることができるのです。


多彩なキャラクター

 このゲームには数多くのキャラクターが登場します。 ドラゴンボールZはもちろんGTや劇場版、初代ドラゴンボールのキャラクターが90種類! まあ超サイヤ人はすべてバージョンによって別キャラだったりしますが、それを除いても多いです。 これだけのキャラがいれば、自分の好きなキャラがいないということも少ないのではないかと思われます。

 キャラの描画も先述の通り、アニメっぽいので違和感がありません。


操作自体が簡単

 操作する動きとしてはボタン一つだったり、複数の組み合わせだったりで、複雑な入力コマンドを入れる必要がないのは好感が持てます。 これは格闘ゲームから離れたのが大きな理由だと思いますが。 各ボタンをうまく配置して、なんらかの動きに繋がるようになっています。

 ただこの操作自体は簡単ですが、組み合わせや使うタイミングなどは幾重にも考えられるため、それが戦略性をも生んでいます。 操作系統が全キャラ共通なのも、いいですね。


テンポと愛と

 とにかくこのゲームはテンポがいいです。
 そしてそのテンポはTVアニメに準じており、細かいところを見てもスタッフがこの作品を愛していて、研究していることが伝わってきます。 細かい部分も含めて、そういった気概が見られるゲームは自分は好きなのですが、そういった点でも好感度が高いです。


気になる点

 今までは全て褒めてきましたが、気になる点も当然の如く存在します。

 「OPムービーが・・・」
 ゲーム中のトゥーンシェイドではなく、なぜか妙にリアルな3DCGで描かれています。せっかく魅力的なゲーム内グラフィックがあるのに、そこと逆のアプローチは正直違和感があります。そしてそのCGも気持ち悪い感じにリアルなんで、余計に感じます。

 「特殊な操作性」
 作品らしさを出すために今までのゲームとは操作系統が異なるため、最初のうちはかなり慣れるまでが大変です。操作自体は簡単なんですが、自由度が高いので難しいと言えます。しかしこの操作に慣れると、今までのゲーム以上にドラゴンボールらしさを再現できる優れた部分でもあります。

 「原作を知ってる人向け」
 シナリオに関しては完全に物切れです。そのため原作を知らないと、なんでこうなるのかがわからないだろうなと思う部分が多すぎます。知ってる人でも「なんであの有名なセリフがないの?」ということもあるので、そこらへんのチョイスは今ひとつです。

 「演出は控えめ」
 これはテンポの良さを再現する限りは仕方ないのですが、派手な演出好きには必殺技の演出は物足りないかも。個人的にはこれくらいでいいと思いますが・・・

 「勝利条件に無理あり1・制限時間以内まで生き残れ!」
 主にシナリオを再現していく「Zバトルゲート」というモード中の話ですが、勝利条件の中に「制限時間以内まで生き残れ」というものがあり、ほぼ勝てないような敵に有利な状況でバトルが始まります。こちらの攻撃は当たってもほぼノーダメージ、敵の攻撃は一撃で大ダメージというのは正直爽快感を損なっています。しかも異常にその制限時間が長かったりして、非常にイライラしました。最終的にはハメをしない限り、クリアできないのもどうかと思います。しかもその数が比較的多く、ブウのステージでは連続というのが・・・

 「勝利条件に無理あり2・ある必殺技で敵を倒せ!」
 これも「Zバトルゲート」の話ですが、勝利条件の中に「ある必殺技で敵を倒せ」というものがあり、これは基本的に気を大量にためないとできない「アルティメットブラスト」がほとんどなのですが、それなしでも敵を倒せるのにその技で倒さないといけないのというのもストレスを感じるかも。しかもその技を使うために敵を見過ごして、気を溜めなければならず、その間に死んだ時はかなりガッカリします。原作再現といえば、そうなんですが。

 「声の問題」
 1.数多くの声優が参加していた原作でしたが、残念ながら故人の方もいらっしゃいます。代役はしかたがないと思いますが、なんでこの声なんだろう?というのもチラホラ。しかも「Zバトルゲート」を始める際に毎回原作とは声が違うMr.ポポが違和感ありまくりのしゃべりを聴くことになります。これがプレイ前に萎えます。

 2.これは別録りという収録の問題だろうとは思うのですが・・・フュージョンした後は2人の声が重なるのですが、今回のゲームでは見事にしゃべりがずれています。アニメ放送時はあうんの呼吸で一緒に録音していたのもあってシンクロしていましたが、今回に限ってはそこらへんの調整が足りなかったようです。

 3.セルの声優・若本規夫氏の演技はカルト的な人気を誇っていますが、今回はセルの形態によってアニメ放送時とは違うアプローチで差を出そうとされています。個人的にはありかな?と思う点はありますが、それが過剰に出てしまって違和感があります。若本節がちょっと出すぎたかな?と。アニメ重視の方は不満点になるかも。

 「戦闘中に変身できない」
 今回のゲームでは超サイヤ人や変身などはバトル中できません。従来のシリーズでは変身できただけに、ここが物足りないですね。原作でも戦闘中に変身が多かっただけにもったいないです。ただ従来のものは変身すると気が消費されていき、気が足りなくなると変身が解けるというのはストレスになっていただけに、一長一短という感じです。

 「なんでこのキャラがいないの?」
 キャラ数は非常に多いのですが、このキャラが出ていて、なんでこのキャラがいないの?というものもやはりあります。しかも従来作品には出ていただけにそこらへんは残念です。(GTのパンや一星龍など)

 「インターフェイスとロード画面」
 全体的に雰囲気が出ていていいのですが、インターフェイスや画面遷移がちょっと甘い感じです。何か始まる前に必ず音声が流れるのですが、時間が余計にかかるので、そこらへん何とかして欲しいなと。そしてロード画面もゴテンクスがスーパーゴーストカミカゼアタックを出しているだけのシンプルさで物足りません。これならランダムで出る一枚絵の方が良かったかもしれません。

 「戦闘前デモの動きのなさ」
 セリフなどは豊富ですが、キャラごとの動きが一定で、あまり面白みがありません。あそこまでキャラが描かれてるだけに残念。


総合的評価

 全体的には原作の雰囲気をうまく再現したドラゴンボールZのゲームの中ではトップクラスであると思います。 まさにファンが作ったファンのためのゲームという感じは好感が持てます。 今までとは異なる開発だったために問題もありますが、それ以上の魅力があります。 そして続編である「ドラゴンボール Z SparkingNEO(スパーキングネオ)」ではその問題の多くを解消しているので、そちらを購入するのもいいかもしれません。
 とにかくアニメが好きだった方には、必携といっても差支えがないほどのゲームであると思いますよ。


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関連リンク集

ドラゴンボール Z Sparking!(スパーキング)公式サイト:発売メーカーの公式サイト。
ドラゴンボール Z Sparking!(スパーキング):開発元・スパイクの専用ページ。
ドラゴンボール Z Sparking!NEO(スパーキングネオ)公式サイト:続編の公式サイト。
バンダイネットワークス株式会社:BANDAIのネットショップです。
ドラゴンボールZバトル診断テスト:自作の戦闘力やラッキーアイテムがわかる診断テスト。


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