「…ねぇ、ネス」
「何だ?」


「やっぱり男の人って、おっきい方がいいんでしょ…?」







愛の大きさ。 〜Does he like that it is small?〜





「?」

トリスの唐突な質問に、ネスティは困惑する。
胸に手をあて、溜め息を一つ。
彼女のそんな様子を見て、彼はやっと何のことか理解した。
「大きさはあまり重要ではないと思うんだが…」
要はその人への愛情であって、胸の大きさ云々は意味の無い事だとネスティは言いたかったらしい。だが、彼はこういう方面に対しての言葉かけがめっぽう苦手なのだ。しかもナイーブな乙女心の傷を和らげるような話術をネスティが持っているはずも無く。
よって、彼の意思がまともに彼女に伝わる事は無かった。

「嘘つき…どうせネスだってパッフェルさんとかミモザ先輩とかの方が好きなくせに」
胸の大きさはともかく、あの二人に恋愛感情を持つことは一生無いと思うが。
ネスティは心の中でツッコミを入れつつ(どこかで聞かれていては彼の身が危険なため)、トリスの頭をポン、と撫でた。

「なぁ、トリス」
「…なによぉ」

「君は僕
(のモノ)が小さかったら嫌いになるのか?」



「――――――――なりません」
「……なら、もう気にするな」

にっこりと微笑まれ、二の句の続かないトリス。
何気にあった間の内容を考えると、どうにも背筋が寒くなる気がするトリス嬢であった……。



いいわけ。

日記の小話から再抽出しました。
ネスティ占い(笑)と連動させつつ書いた短文です。