長編(笑)、タロ鮒寿し。

年末に、飽きやすく凝り性のタロさん(料理人の弟)から、近江八幡の銘酒「松の司」が送られてきた。しばし、冷暗所に保存しておくよいうに、との注意と共に(笑)。で、その数日後に送られてきたのは、手作りの鮒寿し。鮒寿しと言えば、日本臭い食べ物ベスト3には必ず入っているという、珍味中の珍味。食えない人が多いが、多くの酒飲みにとっては垂涎の肴。しかも、かなり高価なモノ。琵琶湖に棲むニゴロブナをご飯と一緒に発酵させて作るなれ寿司の一種で滋賀県(料理人出身)の郷土料理。歴史は古く、奈良時代からあったらしい。「オイ、オイ、大丈夫かいな、素人がそんなモン作って‥」とメールしたところ、ちゃんと県の水産試験場の指導の元に講習会があったとのこと。料理人が言うには、昔は家庭でも作っていたらしい。ちゃんとmenuの記事にしてや!と、写真も送られてきたので、いただいた手前、やや長編になるがレポート記事を載せる。(笑)。
しかし、予想外といっちゃなんだが、これがなかなか旨かった。上出来の鮒寿しでありました。タロさん、又、来年もね。(笑)


オオッ!上出来、タロ鮒寿し。びっしりと入った卵。まわりの発酵したご飯も又、酒の肴として一級品、チビチビと舐めるように食す。

滋賀県水産試験場の鮒寿し講習会。若者はいないなぁ(笑)。季節は真夏前の7/19。

塩浸けされた、ニゴロブナ(卵入り)を丁寧に洗う。中の卵を取らないように。これが大事。鮒は5Kgの量。

体も真鍮ブラシでよく洗う(磨く感じ)、水気を丁寧にとる。ニゴロブナは、冬に獲って塩浸けしておいたもの。
しばし(数時間)、陰干しをしておく。洗濯物干しと、キッチンペーパー。

鮒を干している間、しばし昼寝をする参加者。(笑)

鮒5kgに対して、米5kg(約3升半)必要。市販の浸けもの樽にビニールを敷いておく。

口の中までたっぷりと、ご飯を入れる。卵が出ないように腹の中にも。(笑)

ご飯を敷き、上に一列に鮒を並べる。又ご飯、鮒の方向を90°替え、その繰り返しを何段も。

重しをして、午前中、陽が当たる所、午後日陰の所においておく。これを真夏から冬までなんと、5ヶ月。
一度も開けることなく、12/18日に開けたとのこと。発酵してますな。プ〜〜ン、と。(笑)

おお、なんと、市販の鮒寿司にも劣らぬ出来上がり。タロさんも自画自賛しておりました。

鮒寿しを食す時の酒として送られてきた、近江の「松の司・あらしばり」。ウム、サラリとして飲みやすい。

これは、料理人のお母さんからよく戴く彦根は「きむらや」の鮒寿し。高いんでっせ〜(笑)。

この鮒寿しの小さなパッケージはなにかの賞を取ったらしい。紙袋で鮒の感じがよくでている。

さて、さて、今夜も鮒寿しを肴に、日本酒で一杯。酒器はいつもの、ウエハラさんの片口と盃で。