なぜカラスは人を襲うの?



 「カラスが人を襲う」ということを見聞きした人もあるはずですが、どうしてなんでしょう?

 カラスも、決して必要以上に人に近づこうとしたりはしませんし、まして襲うとなると、何か意味があるはずです。主に、そういった事件が起きるのは初夏が多いようです。この「Crows!!」でも何度か触れていますが、この時期、カラスは子育てをしています。「母は強し」と言いますが、やはりこの繁殖の時期、子どもを守るために人を襲うのです(父も襲いますけどね)。
 繁殖期自体は3〜6月ですが、カラスが凶暴になるのは5、6月がピークのようです。それはなぜか?それはヒナが動くようになるからです。卵の時やヒナが小さいときは巣から出ることはないので、巣の中を狙ってくる敵がいない限りはそれほど神経質にならなくてすみます。しかし、ヒナが大きくなってくると、もちろん飛ぶ練習をします。それでヒナが地面に落ちてしまうことがよくあるので、親はそれを守るため非常に神経質になるのです。
 実際、カラスに襲われた人の話で、「ヒナが茂みに落ちていた。」ヒナが落ちていなくても襲われることはありますが、近くに落ちたヒナがいようものなら、襲われる確率は急上昇ですね。

 別にこっちは危害を加える気などないのに、人間にとっては迷惑な話ですが、カラスと話ができるわけでもないので仕方がありません。「さわらぬ神にたたりなし」です。この時期カラスが騒いでいるのに気が付いたら、親ガラスの愛に免じ、なるべく近くには寄らない方がいいでしょうね…。
 落ちた子ガラスは普通は地面に降り、バタバタともがきながら飛ぶ練習をして上手に飛べるようになっていきます。その間に「大変!ケガをしている!」と人に拾われてしまったり、最悪死んでしまうこともありますが。

 ちなみに、襲われる人は女性や子どもが多いようです。私は繁殖調査でほぼ毎日様子を伺いに行っていたので、完全にマークされてしまい、近づくだけで巣から飛び出し「カッカッカッカッ!!」と警戒音。そしてカメラを構えていて静かになったので、何となくイヤな予感がして後ろを振り返ると、攻撃態勢から引き返すカラスが…。「不審人物」には男も女も、大人も子どもも関係ないようです…。

 カラスのくちばしとツメは非常に鋭く、注意が必要です。私もかまれたりつかまれたりしたことが何度かありますが、軍手ごしでも相当痛いです。ホント、気を付けて下さい…。
 しかし、繁殖期以外ではカラスが人を襲うということはまずないようです。オオタカに襲われたカラスの仲間を助けるため、大勢のカラスがオオタカに群がったという記事を読んだことがありますが、そのように危険にさらされたりしない限り、普段のカラスはおとなしいものです。群れていて心理的に怖いとか威圧感を感じるのと、実際に威嚇を受け攻撃されるのはまったく別問題で、どこかの映画のように群れで襲いかかってくることはありません。

関連事項:「カラスの攻撃とその対処」