ある意味重要な日
入学式が無事終わり、次のイベントはクラス決定→健康診断だ。
と言っても、それぞれの学科・コースでクラスはほぼ決まってるので、それをどう分けるかだけだ。
ゲームプログラマーコースとゲームデザイナーコースは、一年の時は同じ授業らしく、
二つのコースごちゃまぜで二つのクラスに分かれた。
ここで最も重要なのは、やはり自分の体の事だ。今日いきなり「あなたはガンです。」等と言われようものなら・・・
・・・・・・違う。
そんな事より遥かに重要なのは・・・そう。”友達を作る事”に決まってる。
はっきり言って、「専門学校に行っては一人で黙々と授業を受けそして帰る・・・」を二年も繰り返すなんて嫌過ぎる。
まあこれは個人の性格にもよるだろうが。
とにかく友人を作るため前日に立てた綿密なプラン・・・なんてあるはずもなく、
「みんな同じように考えてるだろうし気にする事なし」
といかにも都合のいい考えを持ちつつ学校へ向かう。
そして学校で案内に従って自分のクラスに行く。
まずは先生の話だ。
健康診断の説明と、なにやら”友達を作る事”についても話していた。
あまり詳しく覚えてないが、とにかく友達は作っとけ、みたいな話だ。
その中で今でも覚えているのは、
「今日エレベーターで一緒になったっていうだけでも、話し掛けてみてはどうか。」
みたいな内容の部分だ。
これを聞いた時はさすがにビビったね。
「は?何言ってんだこいつ!?」
と。
今日みたいな健康診断の日なんか、エレベーターは混みまくり。
そんな中に無理矢理入り、突然
「やあ僕○○。人間になるのが夢なんだ。僕を仲間にしてよ。」
なんて言おうものなら、友達ができるどころか
自分の周りにATフィールドが展開され誰も近寄れなくなるだろうがこのでこっぱち。
等と妄想を膨らませていると、なんと話が終わってしまっていた。
・・・・・・・・・・・・・むう。
健康診断についての説明、一応聞いてた様な気がするが、はっきり言ってあんま覚えてないぞ。
手元に簡単な地図があるが、まず何処に行けばいいかすらわからん。
「すいません。最初って何処行ったらいいんですか?」
何かやばそうな気がしてきたので、何の前触れもなく、かつ疾風(かぜ)の如く隣の人に尋ねてみた。
「え?・・・ああ、ここですよ。」
と言ったかどうかは忘れたが、とにかく教えてくれて一安心。
(ふう・・・・・危ない危ない。)
と思っていると、
「一緒に行きません?・・・迷いますよ。」
とさっきの人が言ってくれた。
(おお〜!)
こうして、思いがけず僕は友人を得る事となったのだ。
−−「みんな同じように考えてるだろうし気にする事なし」−−
っていう楽天的な考えはやはり正しかった。
・・・・・・もしかしたら僕がどこからどう見ても迷いそうに思えたのかもしれないが、そうは思いたくない。
その後は彼と一緒に健康診断を受けに校内を回った。
話をしていると、彼はなんとセガ派のようだ。
当時の僕は、かなりのセガ否定派だった。
分かりやすく言うなら「セガなんてだっせぇよなぁ〜〜〜〜〜〜」のあのCM状態だ。
ってそんなことはどうでもいい。
とにかくそんな話をしながら健康診断を受けて回っていた。
途中一度はぐれたが、検尿エリアで再会。
無事に(何がだ)健康診断を終え、家路についた。
ちなみにエレベーターで話し掛けてる奴なんざ一人もいませんでした。
・・・・・つづく
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