ファミコンロッキー
(作者:あさいもとゆき)


ファミコンロッキー・・・これは僕が小学生くらいの頃、コロコロコミックで連載されていた、日本初の”ファミコン漫画”である。

大雑把に言うと、ある1人の少年のファミコンライフを描いた漫画です。

最近は、ゲームそのものを漫画化してますが、この頃はこういったファミコンをする少年達を描いたものが多かったです。

皆さんの記憶にもそういう漫画あるかと思います。

しかし、ただのファミコンライフを描いたものなんか面白くもクソもないので、これらの漫画は現実と大きくかけ離れています。

離れすぎです。

ゲームの対決がメインになるのですが、対決時は必ずと言っていいほど、巨大スクリーンに巨大コントローラー。

ボタンを叩きつけないといけない(十字キーも)ようなコントローラーです。

そんなのでアクションができるか。

必殺技。

必要ないだろ。

しかも連打ばっか。


・・・・まあ、知ってる人も多いと思うのでそろそろメインに突入しますか。


とりあえず第一話

ファミコンと呼ばれるゲームが、一人の少年の運命をかえた・・・・・・

少年はゲームに燃え 勝負に命をかけ そして、熱き炎となった・・・


いきなり期待させる出だし(いろんな意味で)。

物語が始まると、店先で2人の小学生が”F1レース”で勝負しています。

そして、ゲーム業界No.1の芸夢財閥の息子で全国ファミコンチャンピオンの”芸夢 遊一郎”が勝利。

遊一郎はこの店のF1レースのソフトを買い占めるとか言い出します。

どうやらその事に関しての勝負だったらしい。

ゲーム業界No.1なのに小売店からソフト入手。

なかなかしつけがなってますね。

しかし買占めはやはりひどいので、負けた方の脇役はすがりつきます。

「インチキだ。チャンピオン相手に勝てるわけないじゃないか!!そのF1レース返せ!

なんて情けない。

しかもF1レースお前のじゃないだろ。

と、そこに拳法道場のバカ息子、”轟 勇気”推参!

「そんなにあるんだ、一つくらいゆずってやれよ!

いくらすると思ってんだ。

まあ、そして結局勝負する事に。

しかし、何故かその場でするでもなく、勝負の日すら決めてません。

おまけに勇気は「ファミコン・・・・!?なんだ、それ!?」とか言い出す始末。

おちょくってんのかてめえ。

当然ファミコンを持ってるはずはなく、一緒にいたかおるという名の女の子の家に夜中まで入り浸って特訓します。

遊一郎の方もなにやらF1レースを研究してます。

「だめだ、ぜんぜんわからない!!」

バキッ!!

F1レースのカセットを叩きつけて壊す遊一郎。

ファミコンチャンプのやることとは思えません。

どうやらF1レースに隠された秘密とやらを模索している模様。

そのために朝から晩までF1レースをやってい学校に行け。

そんなこんなで、勇気がF1を十面クリアできるまでになり、勝負を挑みます。

そして勝負はあの巨大スクリーン・巨大コントローラー。

「ファミコン必殺技研究のために特別に作らせた巨大画面さ!!」

甘やかしすぎ。

勝負は遊一郎がターボ車へのパワーアップ技を使い、勇気の負け。

そして、勇気が帰ってすぐ、F1の謎が解けたとか言って研究員らしき人物が入ってきます。

「頭文字はO・M」だとかぬかしながらなにやら紙切れを渡します。

しかし・・・・・

「ふざけるな!!こんなバカなことが人間にできると思っているのか!?

・・・・・・・・一体何が書かれていたんだ?

「もういい!おれはファミコンチャンピオンだ。必殺技などなくても負けはしないさ!!」

だったら最初から買占めなんかすんな。

そして、その態度を「チャンプの座に甘えている」とみなした遊一郎の姉が、OMの紙を勇気の道場にこっそりと届けます。

それを見た勇気、一週間後に開かれるという大会で遊一郎を倒そうと特訓を始めます。

特訓内容は、逆さ拳立ち・瓦割り・吊るしたタイヤを殴りつける・巨大岩を持ち上げる、

と、ファミコンとは別次元

そして大会当日。

圧倒的な強さを見せる遊一郎に勇気が挑みます。

しかし、

解説「ああ、芸夢のF−1 直線コースをものすごい勢いでダッシュ!!
    轟 勇気 どんどんはなされていきます!!
     もはやぬくのは不可能。優勝はやはり芸夢かー!?」

遊一郎「この勝負もらったーーーっ!!」

勇気「そうはさせるか 今こそ特訓の成果を見せてやる!!
   勝負だーーーっ!!芸夢遊一郎ーーーっ!!」

勇気「ゲーム拳・必殺五十連打ーーーーーーーーーっ!!」

五十連打。

高橋名人の三倍以上。

しかもゲーム拳。

両手で猛連打をする勇気の指からは血が飛び散ってます。

これレースゲームだぞ。

レースゲームなんですが・・・・・・・・・・

「うわっ!スピードが・・・・・・・、スピードがどんどんあがる!!」

かおる「そ、そんな!?」

遊一郎「ばかな!?」

FIT「なんでやねん」

「勇気のF1が・・・・、F1が!!」

「音速(マッハ)をこえたーーーーっ!!」

遊一郎「猛スピードでアクセルボタンをたたきつづけることによって、
     加速に加速がくわわってF1が音速(マッハ)をこえたんだ!!」

遊一郎(これがF1の謎!? 頭文字(イニシャル)のOMとはオーバーマッハのことだったのか!!)


そして勇気の勝利。

遊一郎(一秒間にアクセルボタンを五十回・・・、そんなこと不可能だと思っていたが・・・。
     轟 勇気・・・・、な、なんて男(ヤツ)だ・・・。)

不可能に決まってるだろ。

そして、F1レースで勝っただけで勇気が新たなファミコンチャンピオンになります。

F1レースしかできないファミコンチャンピオン誕生。

第一話 終


こんな感じで話が進んでいきます。

フィニッシュはもちろんウソ技(テク)です。

これから先も、堂々とコロコロコミックでウソ技(テク)を決め技に持ってきます。

何人の小学生が騙されたか・・・・・・

でもこれでも第一話はまだましな方です。

先にいけばいくほどとんでもない事に。

しかし、詳しく言い出すとキリないので少しずつだけ紹介します。


第二話

かつて”赤い稲妻”と恐れられていた元空軍パイロットの撃墜王で、現在は新体操のコーチでゼビウスが得意という

コンバット越前もビックリの経歴の死神ジョージとゼビウスで対決します。

勝負以降仲良くなった遊一郎が、後楽園球場を借りきって、優れた反射神経と動体視力を鍛えるため、

四方のピッチングマシンから同時に飛んでくるボールをよけるという特訓法で勇気を鍛えます。

意味不明。

しかも、最後には勇気、よけるどころか叩き落してます。

そして対決。

試合開始から六時間経っても両者一歩も譲りません。

観客達よ、六時間も見て飽きないのか。

ジョージ「血が・・・、パイロットの血がよみがえってくるようだ!」

ファミコンで蘇るパイロットの血。

そしてその後、またしてもウソ”ゼビウス魔の二千機攻撃”でジョージ死亡。

画面を敵が埋め尽くしています。

勇気は特訓で編み出したゲーム拳必殺・阿修羅乱れ打ちを披露。

あまりの早さに手が何本にも見えるという技です。

その連打で弾を撃ちまくると、ソルバルウ(自機)のまわりにバリヤーができて

二千機攻撃を突破。

勇気勝利。

”優れた反射神経と動体視力”はどこへ?


第三話

ギャラクシアンを2人で同時に操作しての勝負。

息が合わない勇気と遊一郎だったが、お互いの腕に糸を巻きつけて意思の疎通を図ります。

しかし、五十連打をすると糸が食い込み遊一郎の手が血だらけに。

そこで勇気は足で五十連打をするという虎脚五十連打を繰り出し勝利。

手でも不可能なものを足で。

もはやなんでもあり。

そもそもギャラクシアンでいくら連打しても無駄だろ。

画面に出せる弾の数は一発だけだぞ、このゲーム。


第四話

なんと、一年で何億円もの賞金をかせぐというファミコンのプロ、”ファミプロ”の存在が明らかに!

そして、そのファミプロ界の神様的存在「矢田耕造」が、もう一人の神様「三島和彦」の全日本選手権出場を阻止しようと、

妹を誘拐し、アマの勇気との模範試合でわざと負けさす、という作戦を実行します。

「なあ、三島、ファミプロのメンツと妹さんの命のために・・・。全日本ファミプロ選手権を辞退するんだ!!」

ファミプロ界どろどろに汚れてるな、おい。

そして勇気は、そいつらの車の下にへばりついてアジトまで行きます。

さすがゲーム拳の使い手。

やる事がいちいち狂ってます。

そして見事妹の救出に成功するが、落とし穴に落ちてつかまります。

そしてファミプロ矢田とエキサイトバイクで勝負。

そこで矢田は”前転ローリングジャンプ”という、空中で猛前転して飛距離をのばすという技を使います。

貴様本当にファミコンの神様か?

さも当然にウソ技を使いこなすな。


しかし勇気は、

”倒れたバイクの上にジャンプし、そいつのタイヤを使ってさらに一気に大ジャンプ”

という脅威のウソ技で逆転勝利。

さすがファミコンロッキー。

レベルが桁違いだぜ。

そして、負けた矢田は・・・・

矢田「そ、そんなばかな。このおれが負けるなんて。」

矢田「生かしちゃおけねえ!!

ナイフを取り出して襲いかかる矢田。

それはないだろ。

と・・・・・

ズキュン!!

「警察だ!!矢田耕造!動くな!」

入ってきた瞬間発砲する警察。

しかも威嚇じゃなしにきっちり腕に当ててやがる。

何が動くなだ。

何故この場所がわかったか?

勇気が車にへばりついてた時に指から流した血の跡を辿ってきたから。

第四話 終


第五話

バンゲリングベイ二十四時間耐久戦で、ゲーム中ついに登場しなかったバンゲリング帝国の最終兵器が登場。

出し方は、操縦がきかなくなるというバミューダトライアングルの海域でヘリを猛回転さして渦を発生させる。

倒すと帝国が海に沈み、99900000点のボーナスが入ります。

もちろんウソ技。

また、途中勇気が眠気を克服するためにゲーム台に頭を叩きつけたりします。

血がでるくらいに。


第六話

ファミプロ矢田の弟が、同じくファミプロ三島さんを逆恨みし、ひき逃げを敢行。

しかし死ななかったので、今度は三島さんが入院している病院に時限爆弾をしかけます。

兄以上の狂いっぷり。

勇気「どこだ!!病院のどこにしかけたんだ!」

弟「ケッ! だれが、おしえるか!」

勇気「このやろう、いえ!!いわないと・・・。

弟「おれを殺したら爆弾の場所はわからなくなるぜ!」

殺すつもりだったのかロッキー。

そして弟はスターフォースのソフトを取り出し「知りたきゃ最終エリアまでいってみな!」などと言います。

なんでそこでファミコンなんだ。

まあとにかくあと一時間だそうで。

しかし弟、周到にもプログラムを書き換えていて、合体しての連射をできなくしてやがります。

しかも勇気は弟を捕まえるときにナイフで切りつけられて怪我をしています。

片手で五十連打をする勇気。

腫れ上がる指。

そこに医者登場。

痛みを和らげるためにハリを打ちます。

そこで勇気はその時の痙攣を利用して猛連打。


しかもその場限りの連打に”ゲーム拳必殺陽明激針打”などと命名してます。

爆弾のこと忘れてるだろ。

そしてわざわざ9990000点を突破して最終エリアに到達。

そこには病院の見取り図と爆弾のありかが!

プログラム書き換えてまで爆弾のありかを示すとは。

頭おかしいぞ。

第六話 終


第七話

地獄の荒磯なるすごい渦のある海の上での勝負。

しかも対戦中に何故か津波が発生。

しかし!

勇気「津波がこわくてファミコンができるかーーーーっ!!」

と、空中で五十連打。

勝利。


第八話

ファミコン日本一決定戦に勇気が招待されます。

遊一郎「地区大会にも出てないのに、招待状がくるなんて勇気、おまえすごいじゃないか!」

・・・・・・・・・?

勇気はすでにファミコンチャンピオンじゃなかったんでしょうか?

しかも地区大会にすら出てない!?

ロッキー=エセチャンプが判明。

まあ、とにかくここで注目するのは一回戦。

相手チームは少林地獄団。

あ、この大会、三人一組で1チームとなるんです。

だが、実際にプレイするのは一人だけであとはセコンド。

チームにする必要なし。

それで、一回戦は”イー・アル・カンフー”

相手チームは、このゲームをやった事ある人なら全員が知っているであろう、飛び越しざまの飛び蹴り連発をしてきます。

しかし少林地獄団、この誰もが知っている技に、”少林拳必殺秘孔拳”などとたいそうなネーミングをしてます。

恥ずかしくないのか?

しかしロッキーはこの技を知らないようで・・・・・

しょぼい全国大会だということがここで露呈。

そして、少林拳必殺秘孔拳を連発する少林地獄団に対し、ロッキーはウソ技で対抗します。

相手の頭の上で連続飛び蹴りをするというシステム完全無視の技”必殺飛翔拳”。

当然ウソ技に敵うはずはなく、少林地獄団敗退。

その後、二回戦のパンチラ軍団を、エレベ−ターアクションで五十連打という体力の無駄使いであっさり撃破。

三回戦は忍者君で、相手チームは武田忍軍。

こいつらは手裏剣の発射音で相手に催眠術をかけるというふざけた技を使ったが、

会場からの大ブ−イングに手裏剣の音がかき消され、ゲーム拳必殺阿修羅乱れ打ちであえなく撃沈。

四・五回戦なんか省略されて一ページで二戦が終了。

やってたゲームはどうやらフォーメーションZとアーバンチャンピオンのようです。

準決勝はロードファイター。

相手チームは、ゼビウスの無敵をロードファイターに利用したとかいうウソ技野郎。

無敵になったマッド・ウォリアーズチームは次々と進んで差をつけたが、

ロッキーの”敵車にわざとぶつけ、猛スピンをかけてのワープ走行”という段違いのウソ技の前には敵うはずもなかった。

そして決勝。

相手はなんとサイボーグ・ロッキー。人工知能搭載。

ファミコン協会とかいう怪しげな会の会長がこの大会でのデータをもとに作ったらしいが、

じゃあ、そいつはどうやってここまで勝ちあがってきたんだ?

トーナメントじゃないのか?

いや、その前にファミコン用サイボーグて・・・・・・科学力の無駄遣いもいいとこだ。

会長「この地球上で人間が最高だと!?なんという思い上がりだ!!この決勝でわたしは人間の思い上がりを正すのだ!!」

・・・・・・・・・・・・・

とにかくゲームはスターフォース。

一度目は引き分けたので、決着がつくまでというデスマッチで再戦。

どんどん疲労していくロッキー。

しかし、五十連打の打ち合い中、サイボーグは暑さでイカれたらしく、打ち間違えてコントローラー台を破壊。

そのままロッキーの勝利。

最後のページ。

一九八五年−−−−その夏ロッキーの死闘によって人間は機械に勝った−−−−!!

ただのファミコンの全国大会の話のはずだったのに

いつのまにそんなテーマに。



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あとがき

・・・・・・・・・・・ふう。いや突然終わっちゃって申し訳ないです。

かなり長くなりそうだったんで(^^;

この漫画、ほんとに当時の小学生に影響をあたえてましたね〜。

スパルタンXで二十四周目にシルビアが襲ってくるとか、チャレンジャーで一面から一気に最終面とか。

どれだけのウソ技(テク)をいたいけな小学生たちに信じ込ませたか(ーー)

それにこれ、コロコロコミック連載だったんですが、パンチラなどのエロいところがほんとに多いです(^^;

小学生が読むものだぞ。


あの頃は他にもゲーム漫画は数多くありましたね〜。

ロッキーの前では”あらし”なんかがそうですし。

”あらし”についてはあまり知らないんですけどね(^^;

他に何か詳しく知ってる方います?

いましたら是非投稿を(笑

あと、もしロッキーの続きをやって欲しいって方がいましたら、掲示板にでも書き込んでくだされば

やろうと思います。

とりあえず今回は長くなったのでここで終わりで(^^;