(任天堂)
初めてと言ってもいい名作ゲームレビュー。
第一回目はアイスクライマーです。
ファミコン世代の人で知らない人はない、と言ってもいいくらいの有名ソフトです。
ジャンルはアクションで・・・・・ってまあ知ってると思いますんで簡単に言いますと、
天井となるブロックを壊しながら氷山を上へ上へと進み、最後に頂上で飛んでいる鳥にジャンプしてつかまれば1面クリアとなります。
氷山は、前半と後半に分かれていて、前半は敵をかわしたりしながら登るメイン部分、
後半は時間制限があるボーナスステージで、その時間内に頂上にたどり着き、鳥につかまる事を目標とします。
ボーナスステージでは画面の下に落ちても死なず、そのまま次ステージへと移ります。
メイン部分では、鳥が飛んできて邪魔したり、せっかく壊した天井をふさいだり、つららが落ちてきたり、
強制的に一段上にスクロールさせてプレイヤーを全殺しにする白熊なんかも出てきたりして場を盛り上げます。
また、天井のブロックを壊すのにも、動く雲に乗ってからさらに上のブロックを壊すところがあったり、
壊せないブロックがあったり、動く床があったり、何故か敵キャラだけは柱をすり抜けれたりとバリエーション豊かです。
そして、このゲームで賞賛すべきところは、やはり2人同時プレイが可能だというところでしょう。
その場合、1Pはいつも通りポポを、2Pはその恋人(多分)であるナナを使ってプレイする事になります。
恋人と二人で氷山デート。
ちょっとアレな気もしますが、別にプレイに支障はきたさないのでOKです。
二人でワイワイ言いながら協力し合い、仲良く頂上を目指しまなわけねーだろ。
そう。
このゲームの真髄は対戦にあります。
それも、どっちが先に頂上の鳥につかまるか、ではなく、
いかに相手をゲームオーバーに持ち込むか。すなわち殺し合い。
恋人同士で血湧き肉踊る凄絶な殺し合い。
これこそがアイスクライマーなのです!!
とある氷山・・・・その前に立つ男女が二人。
ポポ「さあ!今日はここでデートだ!」
ナナ「わあぁ・・・素敵・・・・!」
ちょっとイかれた感じで氷山を登り始める二人。
始めは危ないところを助け合いながら登っていた二人でしたが・・・・・
ポポ「危ない!ナナ!後ろに敵がいるぞ!」
ナナ「え・・・あっ!きゃッ!」
グチャァッ・・・・!
悲鳴をあげながらも巨大なハンマーで現れた敵をぶっ潰すナナ。
その体は既に血で真っ赤です。
ナナ「ふう・・・危なかったわ・・・・・ありがとう、ポポ!」
とナナが振り返ると、そこには何故かポポの姿はありません。
ナナ「あれ? ポポ・・・・?」
そう呟くと同時に、
ポポ「ここだよ・・・ナナ・・・・・・」
穴のあいた天井の上からポポの声が響きます。
ナナ「え?」
驚いて穴を見上げるナナ。
ポポ「ナナ・・・・悪いけど、君にはここで死んでもらうよ。」
ナナ「・・・え? え?」
あまりにも突然の事で何を言われたのか理解できていない様子のナナ。
ポポ「クックック・・・・・もう一度言ってやろう。お前はここで死ぬんだ。」
気色悪い微笑を口元に浮かべながらさらに宣告するポポを見て、ようやく事態が飲み込めたナナ。
よくみると、ポポはかなり上の方にいます。
つまり、ポポがあと一っ飛びすると、強制スクロールにより死亡してしまう位置にナナは立っているのです。
今から急いで上に行こうとしたとしても、ポポはすぐさまジャンプするでしょう。
ナナ「そんな・・・・! どうして・・・ねえ!どうしてなの!?」
ポポ「・・・・邪魔になったんだよ。・・・実はオレ、近々とある大企業の社長令嬢と結婚する事になってるんだ。」
ナナ「え・・・・?」
ポポ「ま、後は言わなくてもわかるだろ?・・・・もっとも、これから死ぬ奴には関係ないけどね。」
ナナ「・・・・・・・・」
ポポ「さてと・・・・そろそろお別れだ。今までありがとう・・・・タノシカッタヨ・・・・・・・」
そう言うと、ポポは無情にも最後のジャンプを・・・・・
ぴょ〜ん
ナナ「・・・・・・・・・」
ナナは、最後までうつむいたまま立ち尽くすだけでした。
ポポ「ふっ・・・・やってやったぜ・・・・・! これで後は頂上で待機させてあるペットのコンドルで街へ帰るだけだな・・・・・」
ポポは柱にもたれかかり、満足気にそう呟きました。
・・・ぴょ〜ん、ガシャン。
ポポ「さあてと。そろそろ行くとするか。」
・・・ぴょ〜ん、ガシャン。
ポポ「ん・・・?何だ、この音?」
・・・ぴょ〜ん、ガシャン。・・・ぴょ〜ん、ガシャン。・・・ぴょ〜ん・・・・・
妙な音が気になりだしたポポが、キョロキョロと辺りを見回すと、なんと柱の向こう側の天井に穴があいています!
ポポ「!?・・・こ、これは・・・・・?」
声「ポポ・・・・・」
ポポ「・・・!!」
ナナ「ポポ・・・・ここよ。」
天井の穴から聞こえる声は、どう聞いてもナナの声です。
ポポは驚きを隠せません。
ポポ「な、ナナ!? 一体どうやって・・・・?」
ナナ「何言ってるの? 私の方はまだまだ残機が残ってるのよ?」
ポポ「・・・・ッ!」
ナナ「そんな事にも気付いてなかったなんて・・・・よっぽど私をはめる事しか頭になかったのね。
それに引き換え・・・あなたはどう? 注意力散漫だし、強引に登ろうとしてたあなたは・・・・・・」
ポポ「!!」
ナナ「そ。0。」
ナナ「まあそういう事だから。・・・・死んでね。」
そう言って飛び上がろうとするナナを見て、慌てて止めるポポ。
ポポ「ま・・・待ってくれ! た、頼む・・・許して・・・許してくれえぇ!!」
ナナ「・・・・・ハァ?」
ポポ「お願いだ・・・何でもするから・・・・・・・」
今にも泣きそうな顔で懇願するポポ。
ナナ「・・・そうね。じゃあ・・・・・その、社長令嬢とやらときっぱり別れて、
私のところに戻ってくる、っていうなら構わないわ・・・・・・・
やっぱり・・・私、あなたの事が好きだから・・・・・・!」
ナナがそう言うと、ポポの顔にパアっと希望の光がさしたように!
ポポ「ナ・・・ナナ・・・・・!」
ナナ「なぁんて、言うと思ったか? この粗チンがぁぁ!!!!!!」
バサバサバサバサバサァ!!
近くにいた敵たちがいっせいに逃げ出す程の殺気!
ポポ「ひ・・・!」
ナナ「なぁにボケたこと期待してんだカスが!!! 許すわけねーだろバーカ。バーカ。
貴様の人生はここでGAME OVER
だ!!!」
うす暗くてよくわかりませんが、その時のナナの表情は、おそらく見ただけで死ぬ位の勢いでしょう。
ポポはもう震え上がってしまい、身動きが取れません。
ナナ「何か最期に言い残す事はないかぁ? あぁん!?」
ナナがそう言うと、ポポはもうがっくりと膝をつき、ぽつりと呟きました。
ポポ「お・・・オレ・・・・・オレ・・・・・・・・!」
ナナ「んん?」
ポポ「オレ・・・みんなからミスターポポって言われていじめられるのが嫌でたまらなかったんだ・・・・・それで・・・」
ナナ「3点」
ポポ「え?」
ナナ「今のネタは1000点満点中の3点よ・・・・Mr.ポポ・・・・・・・サヨナラッ・・・!!」
ぴょ〜ん
ポポ「ちくしょう・・・ちくしょう・・・・ちっっくしょおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
すっげえヤなゲーム。
とてもお子様には薦められません。
でも実際こんなゲームなんだから仕方ありません。
たとえ協力して進んだとしても、頂上でコンドルにつかまってステージをクリアできるのは結局一人、
っていうつくりからして、完全に対戦を前提に制作されてます。
もう絶対です。
さあ!
みなさんもどこかからアイスクライマーを引っ張り出し、
昔を思い出しながらワイワイ熱いドラマを繰り広げましょう!!
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あとがき
いや〜。初めての名作レビュー、どうでした?
これは本当に名作レビューなのか?
という声が今にもあちこちから聞こえてくるようですが、
一体どうだったのか、ちょっと感想が欲しいところですね(^^;
で、アイスクライマーの話ですが、みなさんも一度はやった事があるんじゃないかと思います。
その時はどうでした?
やっぱり殺し合いですよね?(笑
僕の時代でも、最初は協力プレイ。後、殺し合い。
って図式が出来上がってましたよ。