最終話 「さらばだ、我が息子たちよっ!」


ついに最終話。

ここまでくると、ストーリーに没入。下手な突っ込みは邪魔なだけ

なるべく詳しくストーリーを紹介していきます。(特に後半)



すべてを知り、もはや死にかけの父との最後の対決に向かうハオ。

ついに、味魔王がいる鍾乳洞の奥の扉の前に立ちます。

ハオ「ここか・・・この中に父さんが・・・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!

ハオ「クミンっ! どこだ、クミンっ!!

でも第一声はクミン。

クミン「ハオ!」

ハオ「クミン!!」

ハオ「クミン・・・お前をこんな目に合わせてしまって・・・・すまない。」

クミン「ううん・・・いいのよ、ハオ。私・・・あなたのお父さんに全部聞いたわ。」

もちろん二人は熱い抱擁。

ハオ「そうか・・・。 父さん・・・・・・。」

味魔王「その顔・・・・・すべてレイから聞いたようだな。」

味魔王「ならば・・・! もはや言葉は不要! 己の思いをこの父に語って見せいっ!!」

ハオ「父さん!!」

味魔王「息子よ!!」

ハオ・味魔王「いざ!! クッキング・バトル!!!」

もはや言葉は不要。

いざ、クッキング・バトル!


〜CM〜


勝者、ハオ!!!

味魔王「とうとうこの父を越えおったか・・・・! どれ、お前の料理! この舌でしかと確かめさせてもらうぞ。パクリ。

味魔王「こ、これは・・・・・何というコク、そして旨みだッッ!! ・・・・・・・・・・・・・・・
     感じる・・・感じるぞぉ〜! お前の食材・・・・・そして、ワシへの限りない愛をっ!!
     ハオ、これぞ・・・・・・・これこそ、人がつくりうる究極の、そして、最高の料理と言えようっ!!
     このような料理を味わった人間が 料理人に捧げる言葉はただ一言・・・・・・


ドーン!

味魔王「ごちそうさま。

ここだけ何故か異常にトーンを下げて言います。

味魔王「見事なり、ハオ! 今こそ、お前に超龍厨士『天』の紋章を授けよう!!」









『天の料理人 クッキングファイター好』

誕生。

ハオ「父さんっ・・・・・!」

涙を流すハオに、笑顔で語りかける味魔王。

味魔王「フッ、男児たる者、簡単に涙を流してはならん。お前にはワシを上回る器がある。

     ワシも料理は力などと息巻いておったが それは自分の力で妻を救ってやれなかったことへの・・・・・

     自分の無力さへの 怒りだったのかもしれん・・・・・・・

     しかし、お前にはワシに無い力がある。仲間の心を一つにまとめる力・・・・・

     その力で味魔神の手から 世界を救うのだっ!!」

いや、仲間、クミンしかいなかったぞ。

強いて言うならラスト近くにでたアニスもだが・・・・・

ハオ「そうだ。味魔神を・・・・・・!!」

と。

クミン「キャアアアァァァーーーーッッ!!!」

突然響き渡るクミンの悲鳴。

またかよ。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!

同時にすごい地鳴りが!

味魔王「しまったぁ!!! なんたる迂闊!! この娘も白い髪の女だったという事を、

   忘れておったわーーーーーーー!!!!!

ちょうどそこに現れる味四天王とアニス。

レイ「こ・・・これは・・・・・!」

アニス「な、何よこれ・・・! ちょっとクミン! 冗談はよしなさいよ!」

その視線の先には、クミンを取り込み、両手を上げている味魔神の姿が!

おまけにクミンは、目つきが鋭く、紫色になってます。

ちなみに味魔神はどう見ても巨大な岩のゴーレム

化物です。

・・・神?

ハオ「クミン! クミーーーーーーン!!!!」

ハッカク「ブッヒィーーーーー! な、何だこれは? これが・・・味魔神か!?」

なにやら、味四天王が白い髪の女を封印したから、完全体になれずに復活したらしい。

そこで、寿命を吸い取るのをあきらめ、白い髪の女そのものを取り込もうと考えた、と。

レイ「どこまでもあさましい奴・・・!!」

ハオ「ク・・クミン・・・・そんなところで何してるんだ・・・・・・?

   危ないじゃないか・・・・早く降りてこいよ・・・・さあ、早く・・・・・・」

ハオはショックを隠しきれず、呆然とクミンに話しかけます。

アニス「危ないハオ!!」

味魔神の攻撃から、立ち尽くすハオを助けるアニス。

ハオ「ク・・・・・クミン・・・・・・!!」

レイ「いかん、あの二人が危ない! 奴の動きを止めるんだ!!」

レイ「行くぞぉぉぉ!!!! 味四天王最終奥義ィィーーー!!!」

ハッカク「玄武!」

ウイキョウ「白虎!」

フォウ「朱雀!」

レイ「青龍!」

フォウ「味世界の神々よ!! 今こそ我らに力を与えよ!!!」

ハッカク「妖魔 封滅!!!」

ウイキョウ「悪霊 退散!!!」

味四天王「四聖獣!!! 疾風怒涛斬んんーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

ボワーン!!


炸裂する疾風怒濤斬。

・・・・・しかし。

レイ「やったか!?」

クミン「キャアァァァァァァーーーーーーーーーーー!!!!!!」

味魔神「グオオォォォォォォォンン・・・・・・・・!!!!」

アニス「な・・!? クミン!!」

ウイキョウ「なるほど・・・彼女と味魔神はいまや一心同体。味魔神が傷つけば彼女も・・・・!」

アニス「落ち着いてる場合じゃないよッ!! このままじゃ、クミンが・・・!」

フォウ「しかし・・・・これでは手が出せない!」

味魔王「手はある。あの娘と味魔神、いまだ完全に一体になってはおらん。

     あの娘の眠っている心を呼び戻し、味魔神を完全に消滅させる方法はただ一つ! 料理だッッ!!

     奴自身を食材とした料理をつくり、あの娘に食べさせてやるのだッ!!!」

レイ「しかし、あの娘を傷つけずにどうやって? ・・・・・ハッ! まさか、あの技をっ!?

   おやめください! そのお体では・・・・・・!」

味魔王「もとより死は覚悟の上よ・・・! ハオ! 父の生涯最後の技・・・・・・・しかと見届けよッ!!」

ハオ「父さんッ!? 何をするつもりなんだ!?」

味魔王「うおおおあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!

    己の寿命を削り・・・・・相手の痛みを消し去る慈悲の技・・・・・・!!

    名づけて!! 最大慈悲!! 無痛菩薩剣!!!!!



         最
   無
         大
   痛
         慈
   菩
         悲
   薩

   剣



味魔王「さらばだ・・・・我が息子達よ・・・・・母さんを頼んだぞ・・・・・・・・!」


最大慈悲 無痛菩薩剣を放ち、倒れた味魔王を抱きかかえるハオ。

ハオ「父さんッ!! 父さん・・・・! 俺が・・・・・俺が不甲斐ないばかりに・・・こんな・・・・!!!」

レイ「父上ッ!!」

味魔王「お・・・同じ事を何度も言わせるでない・・・・・・

     ・・・男児たる者、簡単に涙を流してはならん・・・・・・。

     ハオ・・・・最後にもう一度・・・お前の料理を・・・・・・!!」

涙を流しながら料理を食べさせるハオ。

味魔王「う ま い ・・・・・・!」 

がくっ

ハオ「父さん・・・・!? 父さん・・・!! 父さああぁぁぁぁぁぁぁぁんん!!!!!!」


ハオ「見ててくれ、父さん。あなたに、命をかけて教えてくれたもの・・・・・今こそその力で奴を・・・・倒す!!!」

ハオ「味魔神! クミンを・・・・そして、白い髪の女の寿命と世界中の旨み・・・返してもらうぞ!!」

ハオ「いくぞぉぉぉぉ!! これが最後のぉ!! ク ッ キ ン グ ・ バ ト ル ゥ ゥ ゥ ー ー !!!!」


バキッ!

ハオ「オゥリャッ!!」

ベキャッ!

ハオ「ハッ!!」

ドグッ!

ハオ「ヘァッ!!」

ハオ「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」<北斗百裂拳

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン!!


アニス「よし! 味魔神の動きが止まった!!」

レイ「ハオ、今だ! その娘に、お前の料理を食べさせてやるんだッ!!!」

ハオ「わかったぁぁぁ!!!」

クミンが取り込まれているところに飛びかかり、れんげを突き出すハオ!


そして・・・・・

おそらくクミンの精神世界だと思われる暗闇で、ひざを抱えてうずくまっているクミンが映し出されます。


誰・・・?

ハオ「頼む!目を覚ましてくれ! クミン!!」

誰・・・? 何故・・・私を呼ぶの・・・?

・・・・・・・・・・・・

あぁ・・・! あの暖かい光・・・・・・何かしら?

この料理は・・・この味は・・・・・あぁ・・・!

そうだわ・・・・・・・私、覚えているわ・・・・・

この料理を作った人の事・・・・・!!

そう・・・私・・・・その人の事・・・・・・・



ハオ「クミーーーーーーーン!!!!!」

クミン「ハオーーーーーーーーーーーーー!!!!」


味魔神から飛び出すクミン!

ハオ「クミンッ!」

クミン「ハオッ!」

抱き合う二人。

味魔神「ぐおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!!!」

どろどろと溶けていく味魔神。

ハオ「行くぞクミン! 奴に最後のとどめをッ!!!」

クミン「うんッ!!」

ハオ「天まで広がれ! 二人の愛よ!!」

クミン「愛は輝く! 二人の為に!!」

クミン「ハオ・・・あなたが好きよ・・!」

ハオ「クミン・・・俺もお前の事が・・・・・!!」

ハオ「好 き だ あ ぁ ぁ ぁ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ! ! ! ! !

ハオ「今、二人の愛が!!」

クミン「世界を救う!!」

ハオ「我(ウォー)!!」



クミン「愛(アイ)!!」



ハオ・クミン「尓(ニー)!!!!!」



バーン!


味魔神「ぐおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!!!」

二人の愛のダブルパンチで、見事打ち倒された味魔神。

しかし、その反動か、鍾乳洞が激しく揺れ出します。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・!!!!!!!

レイ「崩れるぞ! みんな早く外に出るんだ!!」

クミン「ハオ! 何してるの!? 早く!!」

ハオ「先に行ってくれ! 俺は父さんを・・・・・!」

クミン「わかったわ・・・・。でも・・・気をつけてね!」

ハオ「ああ! わかってる!」

しかし、ハオに向かって崩れ落ちてくる巨大な岩が!!

ハオ「くっ・・・!」

クミン「ハオッ! ハオーーーー!!!!」

アニス「ダメだッ! クミン! 今行ったらあんたまで!!」

ハオの元に向かおうとするクミンを無理矢理止めるアニス。

クミン「離してアニス! ハオが・・・・! ハオが・・・・!!  ハオーーーーーーー!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!!!!


そして、結局ハオ以外の者達だけが脱出に成功。

クミンに、「大丈夫だ、ハオは生きている。」と言葉をかけるアニス。

クミン(うん・・・ハオは・・・ハオはきっと生きている・・・・・! 私、信じてる・・・・・!!!)


そして、場面はクミンの店へ。

再開した店でクミンは以前のように料理を運んでいます。

クミン(ナレーション)

あれから数ヶ月・・・・・ハオはまだ帰ってきません・・・。

私のお母さんも、ハオのお母さんも、無事に元の体に戻りました。

世界中の白い髪の女の人達も、これからは幸せに暮らせるでしょう・・・・・。

レイさんの怪我も回復し、今は、みんなでうちの店を手伝ってくれています。

−壁にかけられた、店で働く料理人の名が書かれた札。

−しかし、料理長の部分だけは空白・・・・・

みんな・・・何も言いませんが・・・・・・心の中では、ハオが帰って来る事を信じているのでしょう。

そう・・・・そして・・・・・わたしも・・・・・・・・

ハオ・・・・・・!!



と、ちょうどそこに客がきます。

バタン!

クミン「あ! いらっしゃいま・・・・・・せ・・・?」


・・・・・・・カコーーン・・・・・・・・・・!

お盆を落とすクミン。

そこには・・・・・・


「この店に・・・白い髪の女はいるか?」

「・・・・・・・・ってか!?」



全員「ハオ!!!」

ハオ「待たせたな! クミン!!」

クミン「ハオーーーーーー!!!!!」

ハオに飛びつくクミン!




そしてそのままスタッフロール・・・!


・・・・・・・・・・・・終 わ り


あとがき