第五話「私の想いを受け取って!」


暗雲立ち込め、雷が鳴り響く岩山・・・・

その鍾乳洞の奥深く・・・

そこで玉座に座り、肘を突いて呟く男がいた・・・その名は味魔王!

味魔王「何も知らぬヒヨッコめ・・・・悟ったようなことをぬかしおってからに・・・・!」

ハッカク「申し訳ありません、味魔王さま。思わぬ邪魔が入ったものですから・・・・・」

味魔王「忍者料理人、味影か・・・・・確かにただ者ではないようだな。

確かに普通じゃないです。

ウイキョウ「クククッ・・・・」

味魔王「何がおかしいのだ、ウイキョウ。」

ウイキョウ「いえ。昔、ハオが料理を作るのは人の幸せのためだなどと言っていたのを思い出しまして・・・・」

なんでそれを今思い出す。味影の話だっただろ。

ウイキョウ「味魔王様。次はこの私に御命令を。ハオに本当の幸せとは何か教えてやりたいのです。」

なんか嫌な予感がするのは僕だけでしょうか?

味魔王「うむ。わかった。お前に任せよう。」

ウイキョウ「ははぁっ!」


そして場面は変わり、ハオ達がどこかの村に着いたとこになります。

そこでハオは、昼なのに全然人がいないということを変だと言い始める。

クミン「そうねぇ。みんな、お昼寝でもしてるのかしら?」

クミン「そんなことより、私、おなか空いたなぁ。ちょっと、向こうのお店見てくるね。」

人がいないって言ってるだろ。泥棒か。

ハオ「あっ、おい、クミン!気をつけろよ!(何にだ)」

クミン「わかってるぅ〜(ハートマーク)」

クミン「きゃぁぁ〜〜〜!!!!!!」

早すぎるぞ。

ハオ「・・・・・・ったく、何が『わかってるぅ〜(ハートマーク)』だ。
   全然わかってねぇじゃねぇか!

さすがのハオも呆れ気味。

ざっざっざ・・・バタンッ!

ハオ「おいクミン。大丈夫か?」

クミン「ハオ!助けて!」

店に入ると、なんか村人たちに囲まれているクミン!

それを見た瞬間!

ハオ「うおおおぉぉぉぉぉぉ!」

ハオ「おりゃっ!!」

殴る!

ハオ「はっ!!」

蹴る!!(しかも飛び蹴り)


問答無用。


クミン「ハオっ!」

ハオ「もう大丈夫だ。それにしてもこいつら一体・・・・・・」

声「相変わらず大したものですねぇ、ハオ」

料理人の強さを褒めるなよ。

ハオ「お前は・・・!? 味四天王、ウイキョウ・トアル!」

ハオ「村の人たちを操ったのは貴様かっ!?」

ウイキョウ「いかにも。名づけて『人操極楽参り』!

名づけるな。

ちなみに、『一口食べれば、いかなる精神力の持ち主でも意のままに』とかいうとんでもない料理。

こいつ、この世に存在する食材・調味料を知り尽くしているらしく、

ウイキョウ「料理で人を操ることなどたやすいこと。

などとほざきます。

根本的に間違ってるだろ。

ハオ「人に料理を教えることを生き甲斐にしていたお前が・・・・・・・・変わったな。」

ウイキョウ「人を思いのままに操る。これ以上楽しいことが他にありますか?

四天王こんなのばっか。

クミン「そ、そんなひどいことって・・・・・・・・・」

ウイキョウ「ひどい? 何がひどいというのです?」

お前の脳味噌だ。

ウイキョウ「先程の彼らの顔を見たでしょう? 彼らの顔は幸せで満ち溢れていたはずです。
       料理で人を幸せにする
・・・・すばらしいことじゃありませんか!!!」

ああ、すばらしー。

クミン「そんなの本当の幸せじゃないわ!だって・・・・・だって、あなたの料理には、
    ちっとも愛情がこもってないもの!
    あなた、すべての調味料を知り尽くしてるって言ったわね。
    でも、愛情という最高の調味料を知らないで、よくそんなことが言えたものね。

うっとりとした表情で自分の世界に突入するクミン。

ウイキョウ「愛・・・・・・? ククッ・・・・フフフッ・・・・・
      ハーッハッハッハッハッ!!!!
      
くだらない!! 実にくだらないですねぇっ!!!
    愛ぃ〜!!? そんなものが何になるというのですかっ!!?
    
ハオっ! あなたは彼女の言葉をどう思いますか?


ハオ「お、俺は・・・・・・」

ウイキョウ「フフフッ・・・・・・・よろしい!

なにがだ。答えてないぞ。

そしてそのまま、愛で村人を元に戻してみろとか言い出すウイキョウ。

あほか。

ウイキョウ「もし、あなたたちにそれができたらこの場は引きましょう!!」

クミン「ハオがあなたなんかに負けるもんですか。 べェ〜だ!!

べェ〜をするクミン。

完ッッ璧にハオ頼り。自分では全くやる気ナッシング!

お前が言い出したくせになんて奴だ。

ウイキョウ「それでは、このエビを使って勝負です!!」

え!!? 勝負!!??

わけわかりません。

村人を戻すんじゃなかったんでしょうか?

しかし、

クミン「いくわよ〜! いざ!!」(レンゲをマイク代わりに言う)

ハオ・ウイキョウ「クッキング・バトル!!!」

プレイヤーに考える隙を与えません。くそ!


〜CM〜


クッキング・バトル

ウイキョウ「さあ見なさい! これぞ我が必殺の味付け! 人操極楽参りィィィィ!!!

変なポーズ。

ウイキョウ「フフフッ・・・・・いかがです? この甘美な香りは?
       まるで体がとろけそうでしょう?

クミン「ああ・・・・・なんて、いい香り!! 魂が抜け出ちゃいそうだわ・・・・・!!

すでにほとんど抜けてるような状態で言い出します。

ハオ「クミンっ! その匂いを嗅ぐなっ!! これは・・・・グッ!!?」

クミン「ハオっ!?」

ハオ「ウイキョウ・・・! 貴様・・・・悪魔の調味料を使ったな・・・・・?」

ウイキョウ「さすがは、ハオ。匂いだけでよくぞ気づいたものです。
       そうです!『人操極楽参り』の正体は悪魔の調味料、ケシの実です!!

クミン「あの悪名高い麻薬の原材料・・・・!!!

やりたい放題四天王。

ウイキョウ「さぁ、どうしました。ハオ!?愛の力とは、その程度のものですかっっ!!?

どこに愛の力があったというのだ。

ウイキョウ「そんな口先だけの愛など・・・・・実に・・・実に滑稽ですねっ!!!

ウイキョウ「愛・・・愛!・・・・愛ィ!!そんなものは!所詮茶番でしかないのですよぉ!!
      ははははっはっはっはっはっは!!!!

クミン「ハオ・・・・立って! あなたが負けたら、この村の人達はどうなるの?
    それに・・・お兄さんのことや、お父さんのことも・・・・・・立って!・・・ハオ!!
    私・・全然あなたの役に立てないけど・・・でも・・・・あなたのことを、心から想うことはできるわ!!

なぜか裸のクミン。

クミン「だから・・・だから・・・・! この私の、ありったけの想いを、受け取って!!」

ぼわ−ん!(画面にハートのエフェクト)

キュピーン!

ハオ復活

ハオ「うぉぉぉぉぉぉぉああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
   
ハオ「力が・・・・力がみなぎってくる!!!
   これが人を想う力・・・・愛情の力なのかあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

キラーン!

全身金色に輝くハオ!

ハオ「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!!」

ハオ「料理人心得その四ッ! 愛情は最高の調味料!! 料理人は人を想い! 愛情を込めて!料理を作らなければならないッ!!!」

ウイキョウ(こ、この力・・・・! ま、まさかこの娘・・・伝説の超龍厨士、愛の紋章を受け継ぐ者では・・・・!?
       しかし・・・包丁も満足に使えそうにない、あの娘が・・・・?
       これはレイに報告する必要がありそうですね・・・・)

またわけのわからんことを。

そしていつものように(強奪)クッキング・バトル終了


ウイキョウ「バカな! この私が愛情などという得体の知れない調味料に敗れるはずはないっ!!!」

相手を殴り倒すのが愛情か。

クミン「まだわからないの!? 人を思いやる気持ちがない限り、
    どんな調味料も意味がないのよ!!

ウイキョウ「うるさいっ!! 小娘がわかったような口を叩くなっ!!
       こんな料理!!
       こんな料理ィィィ!!!
       こんな料理ィィィィィッ!!!!
      パクリ。

ドーン!

ウイキョウ「こっ・・これはぁっ!!」

〜料理解説〜
・・・・・・伊勢海老を丸一匹入れたスープですか!・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・これが・・・・これが・・・・・! 真の愛の味ですかっ!!?
〜解説終わり〜

クミン「そ、そこまで言われるとちょっと照れるわねぇ。ね、ハオ?」

お前が作ったんじゃないだろ。

ハオ「えっ!? い、いや、俺は・・・その・・・・・・」

愛というところに過敏に反応するハオ。

ウイキョウ「フッ・・いいでしょう。今回はあなたたちお二人の勝利です。
       しかし、次に会うときはこうはいきませんよ!!」

バッ!

窓から跳んで逃げるウイキョウ!

ハオ「待て!ウイキョウ! 味魔王の居場所を・・・・!」

ウイキョウ「はっはっはっはっはっははははは!
      さらばです!また会いましょう!!はっはっはっはっはっははははは!


ハオ「まぁ、いいさ。ここにウイキョウが現れたってことは、俺たちが確実に味魔王に近づいてるってことだからな。」

そうなのか!?

クミン「うんっ、そうね!」

そうなのか・・・・

ハオ「それより、クミン。」

クミン「えっ?」

ここから腐った展開に。

ハオ「いや・・・・その、なんだ・・・・・・・今回は、お前に助けられたな。その・・・・ありがとう。

クミン「や、やだもう、ハオったらぁ!! そんなの当然じゃない!・・・・・私たち・・・・・・・・仲間でしょ?」

ハオ「ああ、仲間だ。それも頼りになる、な?

クミン「フフッ(ハートマーク)

クミン「ねえ、ハオ? 私も超龍厨士になれるかなあ?」

ハオ「はぁ? 十年早ぇよっ。

クミン「もう〜、ハオったらぁ(ハート)

二人「あはははははっ。うふふふふふっ。あっはははははは。うふふふふふふふっ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その後、村人がどうなったかは誰も知らない・・・・・・・・・・

第五話終了


次回予告


味影「お嬢さん! お困りのようだな。」

連日の戦いに疲れ、病に倒れたハオ。味影秘伝の、健康回復料理を作るため

クミンは一人で森へでかけます。そして・・・・そこで出会ったのは・・・・・・

戦いの中で、クミンは自分の隠されたに気づきます。

次回!クッキングファイター好、第六話!

「クミン全開!
 愛のエナジー100%!!」

愛という名の調味料が、疲れた精神の心を癒す・・・・!


どんどん違う方向へ向かってます。

・・・・・・・・・・・・つづく

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