シナリオ:屈折した星屑
■ バックグラウンド
ドーリスという映画女優がいる。所属はクロックワークプロダクション。新進気鋭のプロダクションでここ数年で急成長した。
彼女には秘密がある。それは彼女が試作型の完全擬体だということだ。日系企業に先を越された完全擬体部門を取り返す為に造られた実験体の一つでもある。彼女にとって、それは幸せなことではあった。例え偽の肉体ではあっても、美しい女優として生きることが出来るのだから。
彼女は女優としていくつかの映画に出演し、かなりの人気も得ている。しかし、彼女が完全擬体であることに気付くものはなかった。
先日、彼女が料理番組に出るまではだが…
■推奨スタイル
トーキー 取材記者。 〈コネ:ドーリス〉
フェイト 探偵。 〈コネ:ルイージ・ザ・ロボトミー〉
カブト ボディガード。 〈コネ:“CD”ダイモン・チカラ〉
クグツ 千早重工所属。 〈コネ:“癒し手”芳華玲〉
ニューロ データ盗賊。 〈コネ:ミューズ〉
■ 準推奨スタイル
チャクラ このシナリオにおいて、神業が使いやすい為。
カブキ 特にイベントは用意してないが、絡みやすいだろう。
■このシナリオを楽しむのに必要な神業の数
@防御系…4つ。もっと多くてもいい。
A殺し系…2つか3つ。これぐらいがちょうどいい。
■登場人物
ドーリス(ビアンカ)…女優。実は完全擬体。イメージは浜崎あゆみだが、白人である。長期の擬体使用により、脳に限界が来ている。
ルイージ・ザ・ロボトミー…トーキー。ビアンカの兄。緑色の髪と緑色の瞳を持つナイスミドル。でもいい兄貴。データはエキストラ扱い。
桂木春子…ドーリスのマネージャー。冷たい人。でも美人。髪は真っ赤なショートヘア。エキストラ扱い。
ナイト・オブ・クローム…ちょっとサイコなG.C.I.のクグツ。サイバーサイコシス対策部隊の隊長。全身黒装束で、ピエロの仮面を被っている。
ボイド…G.C.I.のクグツであり、ドーリスのカゲムシャ。
■オープニング
下記の順番でオープニングを行なうことが望ましい。
▼ 料理番組“ルイージ・ザ・ロボトミーのバトルクッキング”収録スタジオ
(トーキー用オープニングシーン)
トーキーはドーリスという女優の取材で、料理番組“ルイージ・ザ・ロボトミーのバトルクッキング”の収録スタジオに来ていることになる(この番組は「料理の鉄人」のようなものだと、イメージしてもらえればいいだろう)。
収録が始まる直前、パンキッシュな衣装に身を包んだドーリスとそのマネージャーが現れる。ドーリスはコネであるトーキーに、軽い挨拶をしてからゲスト席に入る。〈知覚〉判定をさせよ。10以上出せば、彼女の体調が優れないことが解る。
収録が始まり、1時間ほどした所で妙なことが起きる。ドーリスは全く料理に手をつけようとしないのである。じれったくなったディレクター兼司会のルイージ・ザ・ロボトミーがドーリスに注文をつける。ドーリスは料理に手をつけるがどうも様子がおかしい。マネージャー(桂木春子)が血相を変えて飛び出してくる。
「料理は食べさせないはずじゃなかったのですか?」
しかし、ルイージは「しかし桂木さん。料理番組で料理の批評をしてもらうのに、これでは...」といって食い下がる。
しばらく撮影が中断された後、ドーリスは気分が悪くなったとかで結局帰ってしまう。
帰る途中、トーキーはドーリスに手紙を渡される。手紙には一言。「殺される 助けて」と書かれている。彼女はトーキーが手紙を開いている間に(シーンから)退場してしまう。
ルイージは、「またか...」といった感じでスタジオを去る2人を見ている。「ったく、女優ってのは、これだからな。ちょっと人気が出るとすぐこれだ...わがままで、身勝手で...だから、オレは女優が嫌いなんだ。」
▼事務所 (フェイト用オープニングシーン)
30代後半の、シシリー系の男からの依頼。行方不明になった妹を探して欲しいとのこと。名前はビアンカ。ゴールドの仕事。前金でシルバー3枚。後払いで残りだ。仕事の内容によってはボーナスもありうる。依頼主の名前はルイージ。料理番組のプロデューサー兼司会者だ(前シーンのルイージ・ザ・ロボトミーである)。妹はかなりの借金(20プラチナムぐらい)を残して蒸発した為、ルイージが代りに払わなくてはならなくなった。最近になってようやくその借金も返しおわり、捜索の依頼が出来る程度の金がたまったのだという。彼はビアンカがどんなにいい子だったかを切々と語ってくれる。いい兄貴なのだ。
▼護衛依頼 (カブト用オープニングシーン)
護衛を依頼される。対象はドーリス。人気の女優。期限は1週間。プラチナムの仕事。前金はゴールド。
依頼主は桂木春子。コネであるダイモン・チカラからの紹介だ。できるだけすぐに、ドーリスの住居まで来て欲しいとのこと。ドーリスの住居のアドレスを手に入れる。
▼千早アーコロジー内、後方処理科第3班オフィス、班長室
(クグツ&ニューロ用オープニングシーン)
ミューズからの指令。ミューズは男性としてはやせぎすな、割と奇麗な顔立ちをしている。以前のイワサキとの抗争で成果を上げ、後方処理科の3班の班長に任命された人物だ。
「ドーリスをマークせよ。彼女の行動をすべからく報告せよ。」
これが今回の命令だ。ミューズは彼女がG.C.I.にマークされていることに気付いているが、そんなことをクグツに伝えはしない。クグツはただ言われたことをやるだけの手駒にすぎない。それでいいのだ。
だが、最初の情報が少ないことに不満を持つプレイヤーは多いだろう。そんな場合は、ミューズからある程度の情報を出してもいい。「実は、彼女が試作型の完全擬体だという噂がある。だが、この情報はまだ確定のものではないのだ。君に誤情報を与えるのは避けたかったのでね。もちろん、その噂が真実なら、君に期待することは解るね?」ぐらいは言っておいてもよい。
「調査の為、優秀なニューロを用意しておいた。彼とともに行動したまえ。」といい、ニューロを紹介する。つまり、ニューロはクグツのサポートの為に雇われたことになる。
キャストの2人には調査費用として、ゴールドがそれぞれに手渡される。
■ リサーチフェイズ
▼ドーリス
〈社会:メディア〉等
10…北米連合出身。クロックワークプロダクション所属。数年前、クロックワークプロダクションの設立とともにデビューしたプロダクションの稼ぎ頭。10代の若者たちのファッションにおけるオピニオンリーダー的存在。ストレンジラヴというメーカーを好んで着用する。
12…先日の料理番組以来、スケジュールを全てキャンセルして休養を取っている。
14…デヴュー以前の経歴に詐称の疑いがある。
16…彼女が(料理に手をつけないことからか、)完全擬体だという情報を手に入れるが、証拠はない。
21…現在、本物の“彼女”は失踪中である。表に出ているのはカゲムシャだ(下記の失踪イベントの後のみ)。
▼ドーリス
〈知覚〉等
10…アングロ-サクソンの女性。19才。ウェット。
20…何故かヴィル・ヌーヴ訛りがある。
▼桂木春子
〈社会:メディア〉〈社会:ストリート〉等
12…クロックワークプロダクションの設立とともにドーリスのマネージャーに。元はG.C.I.の社史編纂部に所属していた。
14…ドーリスの身の回りの世話は全て彼女が行なっている。ドーリスは何処へ行くのにも彼女と一緒であり、彼女たちが分かれることはない。
16…しかし、現在はなぜか別行動中である。(これは春子がカゲムシャ、第2のドーリスと接触を取っている為である)
18…彼女のアドレスを入手。
▼ルイージ
〈社会:メディア〉等
10…マリオネットの料理番組の司会者。ヴィル・ヌーヴ出身。
12…ビアンカという妹がいたが、数年前、相当な借金(20プラチナムぐらい)を残したままN◎VAにて蒸発。その借金はルイージが払うことになった。最近、ようやくそれを返し終わったようだ。
15…だが、彼自身に関してはこれといって怪しい経歴は見つからない。
▼ビアンカ
〈社会:メディア〉〈社会:NIK〉等
12…ルイージの妹。割と本格派の女優だった(モリプロのアイドルどもとは違う)。数年前、かなりの借金をのこしたままN◎VAにて蒸発。現在、生きているとすれば24才。
14…当時、事務所とのゴタゴタで人気が落ち目になり、荒れていた。ヤク漬けになっていたという噂もあるが...
16…蒸発する前に、どこかのオーディションに受かったといって浮かれていた。
18…クロックワークプロダクション、だったかな?
▼クロックワークプロダクション
〈社会:企業〉〈社会:メディア〉
12…俳優プロダクション。最近、何処からかかなりの資金注入が行われている。
14…所属俳優の数はそれほど多くはない。業界1位のモリプロに比べれば、10分の1にも満たない数だ。その中で今1番稼ぎ頭になっているのが「ドーリス」だ。彼女以外に、最近目立った女優は出ていないが...
16…実はG.C.I.がその資本を握っている。会社の設立も実はG.C.I.によって行われた。これ以上の情報は実際にクロックワークプロダクションのデータベースに侵入するしかないだろう(この情報は繰り返し教えて上げよう。ニューロの見せ場があるということを教えてあげるのだ)。
▼クロックワークプロダクション
〈売買〉〈社会:ウェブ〉〈社会:FEIR〉〈社会:NIK〉
15…奇妙な情報を手に入れる。ドーリスに関することだ。彼女のデータは、所々に改竄の跡が見える。さらに先日の料理番組における奇妙な行動など。プライベートも奇妙に偽装されているのが分かる。
▼ストレンジラヴ・コーポレーション
〈社会:企業〉等
10…去年設立されたばかりのファッションメイカー。ドーリスが好んで着用することで一躍有名になった。
15…余り知られていないことだが、実はG.C.I.系列である。ただし、この会社に怪しいそぶりは見られない。
▼G.C.I.
〈社会:企業〉
10…最近、日系企業に先を越された感のある完全擬体部門に特に力を入れているということが判る。
12…去年、サイバネティクス技術を応用したファッション関係の子会社“ストレンジラヴ・コーポレーション”を設立した。
14…技術開発部顧客管理課Cグループが動いている。G.C.I.のサイバーサイコシス対策部隊だ。
16…対策部隊を指揮しているのはナイト・オブ・クロームと呼ばれる男だ。一流のカゲで、エモノにはアインハンダーを使う。
▼完全擬体
〈社会:テクノロジー〉
10…脳以外の人体部品を全てサイバーウェアに置き換えた全身擬体。すさまじい費用と手間、それに精神面のケアなどのメンテナンスにも神経を配らなければならないため、一部のメガ=コーポ、又は軍が採用しているのみである。
15…G.C.I.が最近、日系企業に先を越された感のある完全擬体部門に特に力を入れている。
▼サイバーサイコシス
〈社会:テクノロジー〉〈社会:ストリート〉等
10…体にサイバーウェアを埋め込み過ぎた人々のかかる精神の病。外界に対する人間的反応が無くなる。重機械化精神疲弊症ともいう。痛みに関する情報がなくなり、現実とのリンクが消えてしまうからだとも言われる。
12…特に完全擬体の人間がなり易いことは明白な事実である。完全擬体者は上記の理由に加えて、例えば食事等、簡単な人間らしい行動を取ることもできないのだから。
16…サイバーウェアの最高峰であるG.C.I.により、サイバーサイコシスにかかった者達に対処する為の組織が技術開発部顧客管理課Cグループである。元々は、重度サイバー化顧客の追跡調査の為に編成された。
■以下にイベントとその処理についてまとめる。
▼ ドーリスに会いに行く。
ドーリスは新麻布十番街のコンドミニアム(隠:10 セ:23)に住んでいる。現在は休養中だ、とのこと。彼女の周りにはキャストのカブトを除いて3人のSPがいる。全員カブト(トループ。だがそのことを言う必要はない)。
カブトが護ることになるのは当初本物である。ドーリスはキャストのカブトに会うと、他のカブトを下がらせた上で、「私を、逃がして欲しい」と頼み込んでくる(〈交渉〉+〈お願い〉後、制御判定のタイミングで〈交渉〉+〈悪魔の囁き〉)。その理由は言わない。とにかく回りから離れたいのだという。さらに理由を聞くと、彼女は頭を抑えながら「ごめんなさい。ごめんなさい。」と繰り返すだけ。直後、《守護神》で(自分にとって安全な所まで)消え去ってしまう。
キャストの中には、「ドーリスは誰かに狙われていて、逃げ出した」と勘違いするものもいるかもしれない。だが、そんなことはない。彼女が支離滅裂になっているだけだ。ちょっと狂った自分の食欲を押さえ切れなくなっている、ということでもある。
▼ ドーリスを探す。
上記のイベント後、キャストたちはドーリスの行方を捜しはじめるだろう。〈追跡〉や、〈ホーク・アイ〉、〈シャーロック・ホームズ〉や〈スナーフ・アドレス〉で彼女の居場所を知ることが出来る。目標値はドーリス(ビアンカ)の制御値か、12(ポケットロンの電制)になる。
ただし、居場所は何故か2つまでにしか特定できない。〈ホークアイ〉や〈スナーフ・アドレス〉では2つの場所に同時に彼女がいるようにしか思えないのである。
1つはタタラ街、夢島。もう1つはアサクサ、新宿インペルアル・パーク。実はどちらかが“ドーリス1号(元ビアンカ)”であり、どちらかが“ドーリス2号(ボイド、現在カゲムシャ)”である。
キャストたちの行動としては、
@全員でどちらかに行ってから、もう片方に行ってみる。
A二手に別れて、同時に発見された場所へ向う。
B〈動員〉等を使い、キャストは全員片方へ行き、もう片方はトループに行かせる。
といったことが考えられる。
どちらにしろ、先にシーンを処理した方にはカゲムシャがいる。カゲムシャは最初、トーキーに対する態度が少し、不自然である。コネであるはずのトーキーにひどく冷たい。が、見た目はドーリスと何ら変わらない(*ここで、彼女が以前のドーリスと違うことに気付かせること。そうしないとカブトが動けなくなる可能性がある)。彼女はすぐにコンドミニアムへ帰ろうとする。
カゲムシャはこれを期に主人と入れ替わるつもりである。そう、桂木春子にも言いくるめられている。だからわざと見つかったのだ。だがカゲムシャの擬体はドーリスの“試作型完全擬体”ではなく、ただのプロテウスである。
カゲムシャは、きっと擬体を手に入れようとするだろう。カゲムシャが完全なドーリスになるには、現在のドーリスの器である“試作型完全擬体ドーリス”が必要。だがそれは、今の所1つしか存在しないのだ。
▼ドーリス・オリジナル(マスターシーン。キャストは登場不可)
キャストたちが2つめの“ドーリスの居場所”に向う前にこのシーンを挿入。
ひとけのない公園のベンチ。1人の女性が若い男を連れてくる。男は何を期待していたのだろうか? 目を閉じた。
ボキ。直後、鈍い音がして、男の首が直角に曲がった。それを抱きかかえ血をなめる女。数瞬後、女は男の頭にかじりついた。「オナカ…、スイタ…」
......ハッとして我に帰る女。辺りは血の海。彼女は闇に溶けるようにして消え去る。
▼注意!
ドーリスの消失シーンの後、キャスト達は彼女を探す判定を繰り返したがるだろう。だが、彼女は《守護神》によって消えている為、見つけるのは容易ではない。ドーリスの行方について〈社会:ストリート〉等で15以上を出せば、「G.C.I.の技術開発部顧客管理課Cグループがドーリスを探し回っているが、彼らの力を持ってしても今の所は見つかっていない」ということがわかるぐらいである。
できるだけ、「まだ調べていない情報があるよ。」等といい、桂木やカゲムシャと接触を持つように仕向けよう。
後に、護衛チームからカブトに連絡。「何をしている。早く戻れ。ドーリスは戻ってきたぞ。」ドーリス(カゲムシャ)がコンドミニアムに戻ったとの報告がされる。カブトには帰還命令が下される。
▼兄と妹
実はドーリスの本名はビアンカ。ルイージの妹だ。だが会わせたとしても、ルイージは彼女を妹とは認めない。何故なら外見も何もかもが、昔の彼女とは違っている上(ドーリスは北米人、ビアンカはヴィル・ヌーヴ出身)、会わせられるのはカゲムシャのみである。カゲムシャもルイージのことなど知らないという。
▼ミューズに彼女が完全擬体であることを報告した場合
ミューズはクグツに、「その擬体を手に入れろ。」とだけ命令する。ミューズはドーリスとクロックワークプロダクションの後ろにG.C.I.の影がある事に気付いてはいるが、それをわざわざクグツに教えようとはしないだろう。「ただ、事を荒立てるなよ... 後の処理が面倒だからな...」とだけ言う。それで通じるだろう。
▼ クラッキング
クロックワークプロダクションのトロンに侵入を試みる場合、〈トロン〉22(22はアインシュタインの電制である)に成功する必要がある。失敗すると敵の〈セキュリティ〉判定によっては見つかり、トロン戦となる可能性があることを、ルーラーは前もって宣言すること(別にカット進行にする必要はない)。
その場合、ふぁんきぃ防衛システムくんが攻撃してくる。 勝てば内部への侵入が可能になる。だが、トロン戦に向いていないニューロもいるかもしれない。その場合は神業を使うことを薦めよう(《電脳神》で内部へのパスワードを入手できるものとする)。
うまく侵入できれば、
1. ドーリスは試作型の完全擬体である。その特筆すべき点は、プロテウス以上に人間に近い、より繊細な動きを表現できることにある(つまり、絶対にばれない)。
2. ただし、その完全擬体は脳にかなりの負担をかける為、人を選ぶし、維持にかかるコストは他のフルボディリプレイスメントと比べても莫大だ。よって量産は事実上不可能である。
3. G.C.I.はこの完全擬体を使い、ある女優を作り出した。それが“ドーリス”だ。“ドーリス”はG.C.I.の商品のイメージアップの為のCMに使われることになった。始めは決して不平を言わない“完璧な”女優として。次にはG.C.I.ブランドの製品(例:ストレンジラヴ・コーポレーション)を体中にまとった広告塔として。最後には完全な操り人形として。
ということが分かる。ただ、どうやら、このプロジェクトの関係者の名簿や、被験者の名前などは既に消去されてしまっているようだ。関係者自身に直接聞くしかないだろう。
▼ 真実
桂木春子は現在、グリーンエリアの高級マンションに泊まっている。
このデータは桂木春子(orカゲムシャのボイド)に《真実》or〈交渉〉21を使うことによって解る。
1. 脳の以前のIDは、ビアンカ。私(桂木)が拾ってきたコよ。
2. 彼女は数少ない「成功例」。でも最近精神が不安定になりはじめてた。
3. でも責められる憶えはないわ。私たちが見つけた時、彼女はドラッグ漬けで、もうぼろぼろになってた。“屈折した星屑”だったのよ。私たちもちょうど、そういうコを探してたトコだったし。
4. そろそろ、「処理」する頃合い、ね。“脳”の替えはきくけど、あのボディにはそれこそ天文学的なコストがかかっているからね...
この話の後、桂木(orボイド)のポケットロンに連絡が入る。ナイト・オブ・クロームからだ。「タタラ街、夢島にて“彼女”を発見、これより“処理”を行なう。」
この後、クライマックスへ。
■クライマックスフェイズ
クライマックスフェイズは夢島(もしくはインペリアルパーク)の一角で行われる。サイバーサイコシスにかかった彼女は「食欲」を満たす為に暴れまわる。既に十数名の市民が殺された。
「オナカ、ガ、スイ、タ、ノ...」
ドーリス、彼女の正体は落ちぶれた女優のなれの果て。ドラッグで体がぼろぼろになっている所を助けられた。“ドーリス”を操る道具として。彼女はここにいることを満足している。本当だ。偽者の体を借りても、女優として生きていきたかった。
今、彼女が感じているのは、猛烈なる飢餓感。飢え。ただそれだけ。満たされたまま、死ぬこと。もう何もかもが、どうでもよくなってしまった。
キャストたちが現場に着くと、ドーリスが2人いて、片方(ビアンカ)が暴れており、回りに群がるG.C.I.のカゲ達を殴り殺しまくっているのが見える。もう片方(ボイド)はG.C.I.のサイバーサイコシス対策部隊隊長(ナイト・オブ・クローム)と思しき人物の脇で桂木春子と共にたたずんでいる。
キャストの存在に気がついた G.C.I.の部隊は、真相を知った周囲の連中(つまりキャスト達)から先に処理しようとする(キャストたちとゲストの距離は中距離から始めること)。
桂木春子(エキストラ AR1)は、カット進行時、ドーリスの“ラストテンダー”を押す。キャストは〈アスレチック〉20(彼女のみ、キャストから見て遠距離まで下がっている)で、これを阻止することが出来る。
クライマックスの戦闘では、イエローエリアにおける携帯判定を忘れずに行なうこと。戦闘が始まったら手加減はしないこと。そうしないとキャストたちの防御神業が余る可能性がある。
▼ ドーリス(ビアンカ)を助ける方法
@《黄泉還り》を使う。これによって脳を健全な状態に戻すのか、完全なウェットの人間として再生させるのかは自由だ。
A《天罰》を使う。数日後、何故だかは分からないが、ウェットになって復活したビアンカが、キャストの元に訪れることになる、かもしれない。
B芳華玲のところへ連れて行く。それまでに彼女が死ななければ、助かるだろう。
■ エンディングフェイズ
キャストたちはドーリスを助けたのだろうか? それともクグツが連れ去ったのだろうか? トーキーはこの秘密を世間に公表することにしたのだろうか? フェイトは依頼主にどう伝えるのだろうか?
ビアンカは兄の元に戻るのだろうか? 彼女は記憶を失っていたわけではなく、料理番組でも兄とは会っていたのだ。今更、どんな顔をして会えばいいのか? 彼女はそう思っているに違いない。
それらを踏まえてエンディングを用意してあげよう。
▼ ビアンカが死んだ場合
ルイージは寂しげな顔をしつつも、現実を受け止める。フェイトには礼を言い、残りの報酬を払ってくれるだろう。その後、風の噂で、彼がトーキーを辞め、あの料理番組も降りたという話を聞くことになる。
▼ 擬体を千早に持ち帰った場合
ミューズは、キャストたちにねぎらいの言葉と、最大の賛辞を送ってくれる。
▼ ビアンカが蘇り、兄と対面した場合
最初はぎこちない関係が続くだろう。ルイージは、2人で旅に出ることにする(G.C.I.に見つかるのを恐れてのことだ)。彼らは、N◎VAを出る前にフェイトに別れを告げに来ることだろう。