化粧文化、30年の村澤博人の独り言

化粧文化、30年の村澤博人の独り言

勝手を書いてます。

●化粧文化、30年の村澤博人の独り言 ー その2  『化粧文化』(ポーラ文化研究所)休刊に
 私が企画提案して二十数年編集をしてきた『化粧文化』が休刊、廃刊?になったそうです。先月既に告知されていたそうですが、気がつきませんでした。在庫整理のために、バックナンバーは整理されるそうです。欲しい方はポーラ文化研究所(03-3564-3651)に問い合わせてください。
 長年自分なりにこだわって育ててきたつもりのものにとっては、来るときが来た、という感じです。「フレグランスジャーナル」の来月号の「現代化粧文化考23」に、かんたんな『化粧文化』の経緯を書いています。大げさに言えば、企業が支える『化粧文化』の時代は終わった。創刊当初に比べれば大学でも大学院でも化粧文化に関連したテーマが数は少なくても当たり前のように研究されるようになったわけですし、私のように「化粧文化」の旗を掲げて大学でゼミをもったり、来年からは専攻として拡大できたりが可能な時代になったわけです。化粧文化も自立できる時代と言えるでしょう。
 まあ、廃刊に関しては企業の判断ですから、私から云々いうのは差し控えますが、1979年から昨年まで、25年以上、よくやらしてくれたと思います。その意味で、(株)ポーラ化粧品本舗に感謝します。ただ、こだわりのある人が企画編集しないと魅力は消失しますし、しかたないことですね。
 最後に、原稿をいただいた諸先生方、『化粧文化』をご覧いただいた読者の皆様方に、元編集長として深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

●化粧文化、30年の村澤博人の独り言 ー その1  1979年生まれの「化粧文化」
 今では市民権を得て、当たり前の言葉として「化粧文化」が使われているが、実は1979年に初めて生まれた言葉です。
 1976年、ポーラに文化研究所ができたとき、私は最初のメンバーとして化粧についての研究をスタートさせ、外部の先生方から勉強する手段として「化粧と文化研究会」を立ち上げました。化粧に関連する各学問分野の第一人者に来所いただき、化粧に関連した研究成果などのエッセンスを学ばしていただき、「化粧とは何か」「人はなぜ化粧するのか」など研究し始めたのです。私にとっての「化粧文化」は30年を過ぎたことになります。
 研究会を続ける中で、その成果を外部に発表しよう、化粧の各学問分野での研究を印刷物にまとめようと考え、研究誌の発刊を提案し、雑誌の名前として「化粧文化」という言葉をつくったのです。 まだまだ、「化粧」が学問の対象となるなんていうと、白い目で見られた時代です
 この「化粧文化」という言葉に関しては、「『化粧』という文化」と題して東洋大学井上円了記念学術センターの機関紙「satya」44号(2001 秋季号)にエッセイとして書かせてもらいました。興味ある方はそちらをどうぞ。