ココおかしいと思いませんか?
No.54案の定のマスコミ主導の佑ちゃんフィーバー(2011/2/3)


タイトルを見ただけでこれからどのような内容が書かれてあるか容易に想像できると思われるが、看過できることでもないので筆者はしつこく大マスコミの異常さを指摘していきたい。

大マスコミとプロ野球は一心同体ともいうべき関係で新聞・TVの大マスコミの多くは野球が日本一のスポーツでなくては困る。
まず記者の立場から見ると野球ほど楽に紙面を埋めることのできる競技はないということだ。キャンプでは「誰それが柵越え何発」、「誰それがブルペンで何球の投げ込み」と頭を使うことなく紙面が埋まる。シーズン中も試合展開を記述するだけでかなりの紙面が埋まることになり野球ほど記者のレベルを必要としない競技もないだろう。
そしてキャンプでは取材にかかる費用が球団側からが支給されるのだから同時期に行われている何も旨みのないJリーグのキャンプなど取材する気にもならないだろう。

大マスコミの上層部からの視点で見ても、いくら人気が低迷しようともプロ野球を切るに切れない。ここまで巨人戦の視聴率が低迷し、V字回復する見込みが極めて薄い現状ならばゴールデンタイムでの地上波中継はばっさり切り、スポーツニュース等でも特別扱いしないのが普通の経営判断だが、そうはなっていない。
大相撲や格闘技などを含め昔ながらの興行に暴力団はつきものだが、日頃から芸能界を通して暴力団と関わり合いのあるTV局だけに野球人気を落としてもらっては困る暴力団側からの圧力も当然あるだろう(プロ野球や高校野球などの野球賭博は暴力団の資金源)。

野球人気を何が何でも復活させたいマスコミが取り組んでいるのがプロで何ら実績のない新人選手を過剰なまでに持ち上げてスターに仕立てようとしていることだ。
2年前は中田翔、昨年は菊池雄星をスターにしようとしてドラフトからシーズンインまで視聴者に押し付け報道を繰り返したが成績が全く伴わず徒労に終わった。

今年は4年半前の甲子園で一躍時の人となった斎藤佑樹がターゲットとなり、中田翔、菊池雄星を遙かに凌ぐフィーバーをマスコミが演出している。
そもそもプロで何も実績を残していない選手をここまで持ち上げることに何ら抵抗感を感じないことにマスコミのモラルが崩壊していることがよく分かる。高校野球で活躍した選手でプロ野球のスターを作って自分たちが少しでも楽をし続けたいマスコミの欲望が透けて見える(特にスポーツ新聞は野球の衰退は死活問題)。

TV欄を見るだけで辟易とする現状だが、肝心の斎藤の実力に関することを報じているところは少ないだろう。
TVに踊らされて自主トレやキャンプ地を訪れた人の中の何割の人間が斎藤があの東大にも負けた投手だということを知っているのだろうか。
大学野球に詳しくない人でも東大が実力的に場違いの弱小大学であることは知っているだろう。斎藤は大学4年の秋に東大相手に7回3失点で負け投手になっていて5年ぶりに早稲田が東大に負けた戦犯になっている。ちなみに東大はリーグ戦で2年勝ちなしの35連敗中だったわけだからそのような大学に負ける投手を持ち上げるのはなおさら違和感を感じるのが普通だ。
斎藤フィーバーに乗せられている人でも東大に負けている選手だということを知れば多くの人は引いてしまうだろう。


競技の魅力ではなくキャラクターを前面に押し出すしかないプロ野球。サッカーアジアカップの激闘との対比で映ったマスコミ主導の佑ちゃんフィーバーは改めてプロ野球がスポーツではなく芸能だと感じさせ、佑ちゃんフィーバーを演出するマスコミの異常さが強調されていた。
ファジアーノ岡山と日本スポーツ ココおかしいと思いませんか?トップ