ココおかしいと思いませんか?No.42
非現実的な秋春制(2009/8/20)


事あるごとに日本サッカー協会の犬飼会長はヨーロッパのシーズンに合わせた秋春制に移行すべきと現在の3月初旬開幕12月初旬閉幕の春秋制からの変更を主張している。

犬飼会長が語る秋春制のメリットとしてはヨーロッパとシーズンが同じになることでヨーロッパクラブへの移籍がスムーズになること。そして夏場は暑さによるパフォーマンスが落ちて試合の質が落ちるのでそれを回避できるなどとしている。

もっともらしい意見に聞こえるかもしれないが、Jリーグのクラブは札幌や山形、新潟など雪の多いクラブもあり、冬に試合を行うのは非常に困難だ(札幌とてドームはあるものの芝生の育成が出来ない)。
Jリーグ側は秋春制は出来ないと結論付けているが、会長はまだまだ諦めていないようだ。

反論はいくらでも出て来てしまう秋春制だが、ひとつ決定的なのは秋春制と文字だけを見ると秋に開幕し、春に閉幕すると思ってしまうが、閉幕がW杯との関連から5月と自動的に決まってしまうため開幕は8月になってしまう(ウィンターブレークがほとんどない欧州でさえ8月開幕)。実態は夏春制となり、暑い時期を避けるという大義は跡形もなく崩れてしまう。

仮に百歩譲ってJリーグが秋春制に移行したとして、これからJ2が22クラブになりJFLとの入れ替えが始まるようになると当然JFLも秋春制にしないとスムーズに昇降格できない。JFLは地域リーグと繋がっており、その下も・・・となる。つまりピラミッドの底辺から頂点のJリーグまで全て秋春制に変更しないといけないわけで豪雪地帯で冬にきちんと試合が出来るのか疑問だ。

Jリーグが重視している観客動員に関しても秋春制になると大幅減は必至だ。今の日程はうまく出来ていて春先の肌寒い時期は開幕特需で観客を呼び、中だるみが始まりそうな時期にゴールデンウィークで盛り返し、夏休み期間で観客の減少を抑え、寒くなり始めた時期に終盤の盛り上がりで観客を呼ぶという日程は観客動員という視点から見ると理想的にさえ見える。
もしも秋春制となれば中だるみの期間が冬となり、大きく観客動員が落ちるのは目に見えている(かき入れ時のGWが終盤と重なってひとつピークが減るのも痛い)。

選手の身になると夏の暑さを回避できるのなら回避したいというのが本音かもしれない。ただアジアで戦う限り中東の暑さの問題はついて回る。Jリーグの夏のシーズンを経験していればそれなりに対応できるが、夏の試合がなくなれば大事な試合で暑さにやられるということも十分あり得る。
もちろん夏場は全試合19時以降の試合開始として出来るだけ涼しいコンディションで試合が行えるように配慮するのはもちろんのこと練習も涼しい時間帯を選んで練習するべきだ。何も直射日光の当たる35度以上の条件で試合をしろとは言わないので夏場に試合をする経験も役に立つはずだ。

犬飼会長は夏場に試合をすることで消耗で試合の質が落ちると言っておきながら選手を休ませることを許さないベストメンバー規定を推進している。
一サッカーファンとすれば一刻も早く会長職から退場して頂きたい。多くのサポーターは会長にレッドカードを提示したい思いだろう。
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