ココおかしいと思いませんか?No.34
全国高校サッカー選手権を持ち上げ過ぎるな
日本テレビが全国中継をすることもあってサッカーの高校レベルで最も注目を集めるのが全国高校サッカー選手権(通称:選手権)。 ほとんどの一般視聴者は選手権しかTVで高校生段階のサッカーに触れる機会はないので選手権が最も価値のあるレベルの高い大会と思ってしまう可能性はかなり高い(中継する日本テレビも全日本ユースの方が遥かにレベルの高い大会だとは言わないため)。 サッカーは他のスポーツとは違って学校単位だけでなく、Jリーグのユースも存在している。基本的に力のある選手はユースへ進み、ユースに入れなかった選手が高校のサッカー部へ所属する(Jリーグのある都道府県の選手は特に)。 2009年全国高校サッカー選手権を制した広島皆実の選手の多くはサンフレッチェ広島のユースに昇格できなかった選手であり、非常に伸びる年代とは言え中学卒業時点では力不足と判断された選手たちが栄冠を勝ち取った。 高校年代で最もレベルの高い高円宮杯、全日本ユース選手権でもJリーグユースが互角か優勢であるが、高校チームは勝利が最も優先されるのに対してJリーグのユースは目先の勝利よりもいかにプロとして通用する選手を一人でも多く出すかが育成の主眼となっているはずであり、選手は皆勝ちたい気持ちは同じだが、指導者の意識は違うと思われる。そのような状況でも個々の能力がユースチームの方が高いために勝負でもユースが勝ってしまう。年代別日本代表はユース所属選手が多くを占め、選手のレベルはユース所属選手の方が高いと言わざるを得ない。 別に高校の部活動を否定するわけではなく、ユースに残れなかった選手でも中村俊輔のように中学卒業以後にグンと伸びて世界で活躍する選手も出てくるので受け皿は大きくあった方がいいので高校の部活動もあった方がいい。ただ選手権が箱根駅伝のようにひとつの大会があまりにも大きくなり過ぎて世界ではさっぱり通用しない状態になり、そこに勝つためだけが目標になってしまっては日本のサッカーにとっては損失と言える。 そう考えると日本テレビが箱根駅伝の如く選手権を神格化するのは非常に良くないことだ。高校年代であまりにも選手を持ち上げるのも問題であるし、持ち上げられた選手の将来にも良いことではない。日本テレビが高校サッカーを中継することによって競技人口が増えるということは否定しないが、冷静な放送を心がけて欲しい。 |
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