ココおかしいと思いませんか?No.24
選手にキャッチフレーズをつけたがるTV局


ここ10年ほどの地上波民放スポーツ中継の大きな流れとして選手にキャッチフレーズをつけるというものがある。
バレーボールでは「プリンセスメグ」「パワフルカナ」「鉄腕エリカ」「世界最小最強セッター」「クールビューティー」など日本人にはそれぞれキャッチコピーがあり、普段キャッチコピーをつけないサッカーでもTBSが「美白のロベカル」など理解不能なキャッチフレーズがつけられていた。

TV局側の言い分としてはキャッチフレーズをつけることによって選手の知名度を上げて、選手個人のキャラクターを浮かび上がらせやすいと考えているのだろう。
しかし、キャッチフレーズをつけることによって選手を一面のみでしか見ない弊害はどのように考えているのだろうか。

例えば女子バレーボールのセッター竹下佳江のキャッチコピーは「世界最小最強セッター」である。
世界大会に出てくるセッターの中ではまず間違いなく世界最小だろう。しかし、最強セッターというのはあまりにも実態と掛け離れているのではないか。世界最小であるがゆえにブロックの大きな穴になっているのは間違いなく、しかもトスアップの位置が低いゆえにいくらトススピードを速くしても速い攻撃には限界がある(トススピードは速い部類なので一見、速い攻撃に見えやすいが)。最強セッターとキャッチフレーズをつけたがゆえに中継中の竹下への正当な批判さえも許されなくなっているように感じる(それだけが批判できない原因ではないと思うが)。

視聴者の側にとってもキャッチフレーズをつけることによるデメリットがある。何も知らない状態でキャッチフレーズを通してその番組を見るとキャッチフレーズのせいで先入観を持ってその選手を見てしまう。悪く言えばTV局がレッテル貼りをしてそのまま信じ込んでしまうナイーブな視聴者を作りやすいということだ(TV局の世論誘導、洗脳と言っていいかもしれない)。
スポーツにしろ政治にしろ多角的なものの見方が重要な今の時代においてキャッチフレーズを多用して必ずしも正しくない一面的な部分を押し付けるのは正しいことだとは思えない。
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