スポーツコラムNo.55

グループリーグを終えて(2010/6/28)


−1戦毎に成長−

グループリーグを2勝1敗の勝ち点6で堂々とグループリーグを突破した日本。カメルーン戦よりもオランダ戦、オランダ戦よりもデンマーク戦と試合をする度にチーム力が上がっているのがはっきりと分かるほど日本は別のチームへと変貌し、実力でグループリーグを突破した。

本田1トップの布陣はカメルーン戦前の練習試合で初めて試すという突貫布陣で守備の方はイングランド戦からアンカーを置くシステムを試していたため初戦からある程度機能していたものの攻撃面はまだまだといった感じだった。

しかし、試合を重ねることで攻撃に鋭さが増してきてデンマーク戦では流れの中でもフリーキックでも得点と強さを感じさせる試合で内容・結果ともデンマークに対して完勝だった。

−戦う気持ち−

フランスやカメルーンの内紛を見るとやはり、チームとしてひとつになって戦っているかというのが非常に重要だというのがよく分かる。

日本にとってひとつの転機となったのが長谷部のゲームキャプテンかもしれない。非常に強い気持ちを持ちながらリーダーシップが取れる選手のように見え、チームが一致団結する上で大きな役割を果たしたのだろう。

岡田監督はワールドカップに入る前に戦える選手と戦えない選手の見極めができたと発言していて、本来ならば23人を決定する前に見極めておくべきだった。

そのため23人に戦えない選手が混じっていることで本来ならばこの戦術に合った選ばれるべき選手が落選していて大久保、松井の両サイドの控えがおらず選手層が薄いのは大きな不安材料として残っている。

−読めないパラグアイ戦−

2002年以来2度目のベスト8挑戦となる日本。カメルーン、デンマークと勝利のイメージを描くことは出来たが、正直パラグアイに対してどうすれば勝てるのかというイメージが湧きにくい。

ただパラグアイも過去ベスト16が最高でこの試合に対する思いは強く、逆に空回りする可能性もある。お互い堅守速攻型のチームだけに0-0の段階でバランスを崩してまで攻撃してくるのか見どころとなる。他の試合では負けたら終わりの試合にも関わらず積極的に攻めて先取点を取るという意識が非常に見られるので点を取りに行くことを優先するのか、取られないことを優先するのか特に前半の戦い方はどちらに比重を置くのか注目したい。

点を取られないことを重視した場合、カメルーン戦やデンマーク戦のように攻撃の人数はあまりかけないと見られる。それだけにデンマーク戦でキレキレだった本田を軸に両翼の大久保と松井の3人で局面を打開してゴールをこじ開けられるのかが注目となる。
大久保と松井の個人技は今大会中非常に効いているが得点力という面ではなかなか点が取れそうにない。この二人の内一人でも目覚めてくれれば日本のベスト8が近づいてくるかもしれない(特に大久保はシュートまではうまく持って行っているだけに後はシュートの精度のみ)。
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