スポーツコラムNo.46

バンクーバー五輪を前に(3)(2010/2/8)


−誰が爪を隠しているのか−

スピードスケートでメダルを期待できるのは男子500mだろう。男子でメダル獲得可能種目は500mのみで、女子でも団体追い抜きで可能性があるくらいでトリノ五輪に続くメダル0の可能性も十分ある。

男子500mは五輪直前の段階では好調な選手がおらず、誰が金メダルをかっさらってもおかしくない。陸上100mに例えればシーズンが開幕しても何とか9秒台に入れてはいるもののメダルラインである9秒8台には誰も到達しないまま五輪を迎えた感じだ。

それだけにどの選手も五輪のみにピークを合わせようとしている感じを受け、今シーズンのこれまでの成績は全くあてにならないだろう。

日本勢は長島、加藤、及川が出場するものと見られるが、誰もがメダルを獲得する可能性はあるが、惨敗する可能性もある。

男子500mに関しては本命不在で、開けてびっくりのレースになっても全く不思議ではない。

−ジャムゲームで活路を見出せ−

個人的に一番この五輪で楽しみにしているのがカーリング女子。このスポーツコラムの読者ならば筆者が一貫してカーリング女子の可能性を説いてきたかはご存知だろう。

北京五輪ではこちらも一貫して強化を訴え、メダルの可能性を指摘し続けてきた陸上男子4×100mリレーがメダルを獲得した。今回のバンクーバーでもその再現となれば最高だ。

ただチーム青森の実力からすれば4強に残るにはもう一歩届かないと見るのが妥当だろう。

出場は10ヶ国で優勝候補はカーリング王国カナダと世界選手権優勝の中国、それを追ってスイス、スウェーデン、デンマークなどのヨーロッパ勢が続く。

日本はアメリカ、カナダ、中国、イギリス(スコットランド)、ロシア、ドイツ、スイス、スウェーデン、デンマークの順で対戦する。

まず初戦のアメリカ戦を取る事で勢いが出る。カナダ、中国の優勝候補との連戦で1勝でも挙げることが出来ればベスト4へ大きく近づくことになる。この2ヶ国は力は上でも相性はそれほど悪くなく、十分勝機はある。

そしてスイス、スウェーデン、デンマークの最後の3連戦が山場になるかもしれない。特にスイス戦は相性が悪く、これまでは勝てる気がしなかった。
チーム青森にとって有利な面を探すとすればカナダのアイスだということだ。カナダのアイスは非常に曲がる氷で得点を積極的に狙うストーンを置いてくるチームに有利となる。スイスは力強くシンプルにストーンを弾き出すスタイルなだけにプレースタイルとアイスとの相性は良くない。

サードからセカンドに回った本橋が主導権を握って的確にストーンを配置してストーンをハウスに多く置くジャムゲームに持ち込めれば勝機はあるはずだ。

ベスト4に残れればあとはいかに痺れる場面で実力を発揮できるかに掛かってくる。チーム青森は2008年の世界選手権で4位になっているが、準決勝で優勝したカナダを倒す寸前まで追い詰めながらスキップの目黒の手元が狂ってしまい大きな魚を逃してしまった。ベスト4に進めばその苦い経験も生かされるはずだ。スキップの目黒も一回り成長しており全てが噛み合えばメダルを狙える力は備えてきている。
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