スポーツコラムNo.39

浅田真央はこのまま沈むのか(1)(2009/11/12)


−トリプルアクセルは水物−

フィギュアスケートのグランプリシリーズ2戦を終えて初戦のフランス大会で173.99点で2位、2戦目のロシア大会で自己ワーストの150.28点で5位と五輪シーズンの序盤戦で絶不調に陥り、表彰台を獲得して日本人最上位ならば五輪代表権を獲得できるグランプリファイナルは絶望的となっている。
ロシア大会の調子が続いてしまうと五輪でのメダルはおろか日本代表さえ難しいほどの出来で多くのファンが浅田のパフォーマンスを心配しているだろう。

今季から浅田は苦手のショートプログラムを大幅に内容を変更してきた。エッジの問題で成功率が非常に低くなってしまったトリプルルッツを外し、昨年好調だった大技のトリプルアクセルをショートに入れてきた。トリプルアクセル+ダブルトゥーループのコンビネーションジャンプにすることで昨年綺麗に跳んでも認定されなかったトリプルフリップ+トリプルループに代わる策を用意した。

そしてトリプルアクセルはフリープログラムにも単発とコンビネーションで2回跳ぶ予定となっておりショートとフリー合わせて3回トリプルアクセルに挑戦する非常にアグレッシブなプログラム構成となっている。

しかし、昨年は好調だったトリプルアクセルだが、今年は2戦戦って未だ成功せず成功率は非常に悪い。トリプルアクセルは女子選手にとってギリギリのジャンプで毎年確実決められる保証はない。そして3度のチャレンジでダウングレードなく全て成功させるというのは年に1回あれば良いほうだろうと思うくらい難しい。

−トリプルアクセルにこだわるしかない−

そんなリスクの高いトリプルアクセルだが、浅田にはトリプルアクセルに挑戦するしかキムヨナに勝つ方法はないためトリプルアクセルにこだわり続けるしかないと見られる。

というのもトリプルアクセルを跳べなければジャンプに関して並の選手になってしまうからだ。
3回転ジャンプの種類は浅田の武器であり、得点が一番高く、決まった時の印象も他の3回転ジャンプとは比較にならないほど高いトリプルアクセル、得点の高い順にトリプルルッツ、トリプルフリップ、トリプルループ、トリプルサルコー、トリプルトゥーループの6種類がある。

通常の選手はトリプルアクセルは無理なので次に得点の高いトリプルルッツを跳ぼうとする。しかし、浅田はこのトリプルルッツがトリプルアクセル以上に成功率が低く、苦手意識がある。
というのもエッジエラーを矯正しようとするも、長年染み込んだ跳び方から簡単に矯正するのは難しくルッツはほぼ使えないように見える。

もしトリプルアクセルを外すことになるとトリプルフリップとトリプルループとトリプルトゥーループの3種類しかまともに跳べるジャンプがなくなることになり、3回転+3回転のコンビネーションジャンプも跳べなくなってしまっては技術点が大きく下がってしまい、メダル争いもおぼつかない状況となってしまう。

そのため浅田はトリプルルッツが計算できない以上失敗のリスクが非常に高くてもトリプルアクセルに挑戦するしか道はなく、どんなに調子が悪くても五輪本番ではトリプルアクセルにこだわるしかない。

パート2に続く
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