スポーツコラムNo.4

箱物より芝生を!(2001/1/19)


日本の学校のほぼ全てのグラウンドが土のグラウンドであることは皆さんご存知だと思う(中にはコンクリートという信じられない学校も都心部にはある)。

このことに対して疑問に思ったことはないだろうか?
どうして土なのか?と。
自分はよくこのことについて考えていた(特に高校ぐらいから)。どうして芝生にはならないのかと。

確かに土なら手入れも必要ないから経費としては芝生の方がかかるのは分かる。
でも何もサッカーやラグビーののフィールドのように綺麗にしろとは言わない。少々雑草が混じったりしてもしてもいい。肝心なのは芝生で思い切りプレー(遊べる)できる環境であればいいという事なのだから。

芝生になれば情操教育になるのはもちろんのこと、サッカーとかラグビーでは土だと思いっきりタックル等出来なかったものが出来るようになる。
それに土では無意識にうちにケガを避けるようになってしまう癖がつきやすいという技術面でのマイナス要素も見過ごすことが出来ない。他にも多くの利点があるだろう。

このようなプラス面が多くあるのだからそのために芝生を張るくらいの投資はやって損はないはずだ。むしろ積極的に芝生に変えた方がメリットが大きいと思う。

このように効果的な投資をせずにムダなことに投資(というより税金の無駄遣い)をしているのが日本の現状だ。
無駄な投資というのが外観の立派な陸上競技場などのいわゆる箱物だ。

日本はこういう立派なハードを作るのにお金をかけるが、ソフトには外国と比べてもお金をかけない。
話はそれてしまうが、やはり政治家はスポーツのことを思っているわけではなく、ゼネコンの票が欲しくて箱物ばかり建てているとしか思えないのだが・・・。

具体的な話では、地元のことで恐縮だが、岡山市は操車場跡地という広大な土地を所有していて、何に使うか今年まで決めかねていた。
当初はチボリ公園の予定だったが倉敷市に行ってしまったために、使い道に困った土地なのだが、途中の案では芝生を張った緑地公園という案もあったが、結局は多目的ドームという訳の分からない物を作ることに決定してしまった。

更に悲劇的なのは、この多目的ドームを作る動機となったのが国から既に出ていた補助金が関係しているというのだ。そして岡山市はその補助金を返還しない最低額のお金を使って(貧素な?)多目的ドームを建設するというのだ。
確かに岡山市にはコンサートを開けるようなホールはない。でもそんな経緯で中途半端なものを作ったところで市民が納得するはずはないと思うが・・。

全く馬鹿げた話だと思う。誰の税金を誰のために使うのか。
補助金を返還してでも当初の芝生を張った緑地公園を建設すべきだったと思う。
そうなれば市民誰もが利用できて素晴らしかったのに・・・。

個人的には跡地全体に芝生を張り、跡地を半分ずつか、1/3と2/3に分けて、ひとつを半分もしくは2/3を一般市民に無料開放し、自由に使ってもらい、もう半分あるいは1/3を有料使用するのがよかったと思う。

有料使用といってもお金儲けが目的でない。無料開放では地元のクラブや学校の部が練習できないのでそういう環境を用意するための有料使用ということだ。要するに専用使用料とでも言おうか。ひとり数十円くらいなら気軽に利用できるだろうから料金設定はそのくらいが妥当だろう。

このようにすれば市民にとって有意義な土地利用法となると思うのだが、そうはならなかったのは残念。

現在、芝生の重要性を説いているスポーツ関係者も多い。
そうした活動を通じて芝生の重要性を認識する人がひとりでも多く増えて、大きな声になり芝生のグラウンドがひとつでも多くなっていき、全国至る所に芝生のグラウンドが出来る事を切に願っている。
ヨーロッパでは芝生があるのが当たり前なのだから。

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