1993年に華々しく開幕し、バブル的人気を獲得したもののその後人気は低迷、ようやく上向きの兆しが見えてきているJリーグ。
Jリーグが開幕するまで自分はサッカー自体にはもちろん興味はあったが、どんな選手がいるのかさえ(日本、海外含めて)さっぱり分からないぐらいだった。TVでサッカーを見るのは正月の天皇杯決勝ぐらいだった。
ところが、Jリーグが出来、その理念を川淵チェアマンがTVで説明しているのを聞いて深く感銘を受けたのだった。
一番深く感銘を受けたのが”地域密着”の理念。それまでの日本のスポーツ界にはそのような物の存在は皆無等しく、海外のこともほとんど知らなかった自分には新鮮で素晴らしいものに聞こえた。
これはドイツをお手本にしたということらしいが、素晴らしいところに目をつけたと思う。
今現在、地域密着の理念を現実に出来ているチームははた目から見ていると浦和、鹿島が代表的で最近急成長を見せている福岡も地域に根付き始めていると思う。
逆に地域密着とはかけ離れたところを進んできたのがヴェルディ川崎(東京ヴェルディ1969)だ。
このクラブは地域密着をなおざりにし、Jリーグバブル期には人気を博したが(ミーハーファンが多かったのか?)、その後は全くの不振に陥っている(成績、観客動員数共に)。さらに川淵チェアマンにはしつこく企業名を出させろと迫ったが断られた。
そして読売新聞が撤退し(これは大いに結構なことだと思う)、ホームタウンも川崎から東京に移転することになった。
ただ、ホームタウンを移しただけでは人気も観客動員も復活しないだろう。
本来アウトサイダーの位置にあるべきメディア(この場合は日本テレビ)がインサイダーとなり、クラブの意思決定に直接関わり偏った情報を提供している限り、本物のフットボールファンの心はつかめないと思う。
ということでJリーグは支持できても東京ヴェルディ1969はJリーグ開幕当初から支持していない。
Jリーグ全体を見ればまだまだクラブの絶対数が足りないと思う。
Jリーグの理念では地域密着で総合スポーツクラブを持つことになり、老若男女、気軽にスポーツできる環境を整備することも重要なことだから(これは本当に重要なことだと思う)、最低各都道府県に1クラブは欲しいところ。
そうすと必然的にクラブは50以上に増えるわけで、そうすると現在のJ1、J2の2部制ではなく3部制にはならないといけないと思う。
となると1部は16〜20としてもクラブのごくわずかしか1部に行けないことになる。
だからといって運営するのに悲観的になるかといえばそうではないと思う。
常に優勝を狙うクラブという方針で運営するのもひとつの手だし、ペルージャのように選手を育ててその選手をビッグクラブに売った移籍金で運営するというのもいいだろう。
他にも選手に金を使うならもっと安上がりで済むコーチを充実させ、小・中・高の若年層の強化をウリにするクラブがあってもいいと思う。
今のJリーグでは全てのチームが優勝を狙っているというあまりクラブの特色がわかりにくい状況になっているが、時が経ってくるにつれて色々な方針を持ったクラブが出てくるのではないか。
まだまだ未熟なところも多いJリーグだが21世紀の日本のスポーツを背負っていってくれることを切実に願っている。
というのも、日本のスポーツが発展していくにはナショナルトレセンを作ったりするだけでは不十分だと思うからだ。
スポーツをする環境が整っていない状態で一握りのエリートを作るよりも、誰もがみなスポーツを気軽にできる環境を整備し、その中から優秀な選手がナショナルトレセンなりできちんとした指導を受けられれば継続的にいい選手が生まれ、そうなればさらなる日本のスポーツの発展も可能となると思う。
スポーツをする環境を整備することによってもたらされるスポーツ人口の底辺拡大も非常に大切なことだと思う(韓国サッカーはこの底辺があまりに狭いためにW杯を前にしてもがき苦しんでいるのは象徴的)。
そのための地域密着であり、総合スポーツクラブの創設であると思う。
この理念を掲げる限り自分はずっとJリーグを支持していくと思う。
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