スポーツコラムNo.1

企業スポーツの崩壊、理想は地域密着だがそのためには1つ変わらなければ・・・(2000/12/27)


ここ何年か、特に最近では日立バレー部の廃部に代表されるように企業スポーツの崩壊が顕著になってきているのは皆さんご存知の通りだと思う。

一方で、地域密着を目指したものの日光アイスバックスのように挫折してしまうというスポーツの形態で両極端にあるもの両方ともに表面的には暗雲が漂っているように見える・・・。

改めて説明するまでもないが、企業スポーツというのは企業が自社の宣伝を目的にして優秀な選手を嘱託社員等で迎え入れ(スポーツだけしている選手が多い)、ほとんど全ての予算を拠出しているという、一企業が丸抱えのスポーツ形態。

多くのアマチュアスポーツはこの形態を取っていて(善いか悪いか別にして)戦後の日本のスポーツを担ってきたのは間違いない。
最近の成功例ではマラソンの高橋尚子が金メダルを取ったことが挙げられる。

しかしその高橋も他の外国の選手同様、プロになるのでは?という話もあるようだ。
この日本のマラソンのプロ化に先鞭をつけているのがバルセロナ銀、アトランタ銅メダリストの有森裕子。有森は自分というものをしっかり持っていて、今後の日本マラソン界のことも考えた上でのプロ宣言は賞賛に値すると思う。

海外ではレースに出て出場料、順位による賞金、そして世界記録が出たらボーナスが出るなどのビジネス化しているので海外の選手がプロになるのは至極当然のことだと思う。

個人的には高橋には早くプロになってもらってたいと思う。実力的にも申し分ないし、人気もある(日本においてではあるが・・)。今のままだと企業のしがらみで駅伝にも(半ば強制的に)参加しなければいけない。そのせいで(当然マラソンと駅伝では練習方法が違うはずだから)マラソンのタイムが落ちるようなことがあれば何をかいわんやということになってしまう。

話が逸れてしまったので話を戻そうと思う。要するに企業スポーツというのは第一義が企業のためにあるということだ。

では、地域密着というのはどういうものなのかといえば、一番分かりやすいのはJリーグだと思う。特定の企業の宣伝・利益のためにクラブがあるのではなく、その地域の住民のためのクラブがあるということ。だからといって決して企業からサポートを受けないということではなく、当然クラブを運営していくにはお金がかかるのでスポンサーとしてのバックアップは受けることになる。
ともかく地域密着型はその地域の住民を第一義に考えているものと考えていいと思う。

それではこの地域密着型なら上手くいきそうなのに、どうして日光アイスバックスのようなことが起きてしまったのかということを考えなければいけないと思う。

日本には数多くのスポーツが存在するが、パイは限られているわけだからその中でパイの奪い合いがあるのは当然なのである程度のスポーツが淘汰されるのは仕方ないことかもしれない。

が、しかし今の日本人のスポーツに対する意識にも問題があると思う。
マスコミが煽りすぎということもあると思うが、五輪では異常に盛り上がるけど五輪後はほとんどの人がそっぽを向いてしまうという国民性(?)とともにもっと重要なことがひとつある。

それは金子達仁氏も言っていることだが、日本人の一般的な傾向としてひとつのスポーツにしか興味を持たないということ。
Jリーグなどの地域密着型は1つのクラブが色々なスポーツを運営していくことになるので、そのためにも少なくても2つ以上のスポーツに興味を持つことを心掛けることが必要だと思う。

そうすればパイの問題もある程度は解消され、より一層日本スポーツの発展にも繋がっていくと思う。

皆さん、色々なスポーツに興味を持ってみてはいかがですか?

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