もっと評価されてもいいのでは?
No.8リーグ戦をもっと楽しもう


−美味しいところだけつまみ食いする傾向にある日本人−

特に近年日本で顕著な傾向にあるのが、日本人が有望な世界大会は盛り上がるが、同じ選手達の日常の国内リーグなどのタイトルが掛かったものではないものにはほとんど興味を示さない傾向が強い。

日本人はその競技に興味があるのではなくて、世界に通用する日本人が見たいだけで、スポーツそのものに対する関心は相当低いのではないかと思ってしまう。
事実スポーツの基盤である国内リーグ戦のメディアによる扱いは惨憺たるものだ。日本で一番人気のあるプロ野球でさえアメリカ大リーグ情報に押されており(これはニュースのみでさえ大リーグに多額の放映権料を支払っているTV局の事情が大きい)、リーグ戦の価値をかなぐり捨ててでもポストシーズンゲームに注目を集めさせようとしているが、成功しているとは言えない(個人的には全くの逆効果だと思うが)。

日本で2番目の大きな国内リーグ戦を持つJリーグも一般に対する浸透度はイマイチで、限られた人間の趣味の域を出ていない。TV放映がCS放送中心というのはあるのかもしれないが、TBSのスーパーサッカーは終了し、後番組にもスパサカの文字はあるもののサッカーそのものを扱う時間は3分の1ほどに大削減されて当然Jリーグの情報を扱う時間も大きく減った。やべっちFCは代表偏重で元からJリーグは軽視し、テレ朝の看板番組である報道ステーションにおけるJリーグのクラブが出場しているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の報道は数十秒というとても放映権を持っている局の扱いとは思えないものだ。
むしろ地域密着よりも巨人的クラブを作りたかった読売新聞の系列の日本テレビがACLにしろJリーグにしろ比較的報道量が多いというのは時代の変遷を感じさせる(うるぐすで取り上げていたオシムへのインタビューは秀逸だった)。

−最初から最後まで追いかける事の楽しみ−

アメリカのスポーツだとレギュラーシーズンが前座でプレーオフから本番というどこを見るべきかはっきりと示していて今の日本人の特性に合ったシステムを提供しているように見えるが、一時の好不調が最終成績に大きく影響するプレーオフよりもシーズン全体の成績をリーグ戦で決める方がより実力に近い順位が反映されて見応えがあるというのは筆者だけだろうか。

プレーオフのないリーグ戦ではそれこそ1試合が運命の分かれ道になることが多い。プレーオフのように数試合注目していればいいわけではなく、どこにその分かれ道が来るかは分からないが、1年間リーグを追いかけた後であそこが勝負どころだったと感じる。
リーグ戦はチームの総合力が試されるというのもリーグ戦の醍醐味だ。ひとつひとつの積み重ねが大事で何が致命傷になるか分からない。ひとつのチームでいいので1年間追い続けるとリーグ戦の楽しみがよく分かると思う。特に国内リーグを大切にする意識が日本人に出てくれば日本のスポーツ文化もひとつ前に進むと思う。
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