ファジアーノ岡山ホームゲーム感想

2014年J2第41節vsロアッソ熊本(14位)
試合結果スタッツなど
まともや後半の終盤に失点を許し、ドローで終わったホーム最終戦。
今年のホームの成績は6勝4敗11分けの勝ち点29で幕を閉じた。

試合終了後のセレモニーで木村社長はプレーオフにさえ進めなかったことで足りなかったものが何だったのかを考えていくと発言した。

ここ2シーズン連続して大事な終盤での大失速に象徴される勝負弱さの原因は何なのか。ファジアーノ岡山に足りないものを思いつく限り挙げていきたい。

1.フィジカルコーチ
専用練習場が出来るまでは怪我人が多いのは専用練習場がないからだととしてきた。しかし、専用練習場が出来た去年も今年も怪我人は一向に減らず、終盤戦で失速した一因に核となる選手の怪我が挙がるだろう。
トレーナーは存在するもフィジカルコーチはいない。しっかりと選手のコンディションを管理する専門のフィジカルコーチの必要性を感じる。

2.苦しくても繋ぐ意識とボールが収まる攻撃陣
最近の試合で目に付いたのがリードしてから相手に押し込まれてハーフコートゲームを展開され、耐え切れずに失点と言う場面。
ディフェンスラインが大きくボールをクリアすることだけを意識しているため、セカンドボールが相手に渡って一方的に攻め続けられる場面が目立った。
前線でボールをキープできる選手がいたなら繋ごうという意識も出るかもしれないが、ボールを持って運べる石原が離脱していたのは大きかった。

3.ホームでの勝利
ホーム6勝というのは2011年の19戦7勝にも満たず、ホームでの勝率は28.5%でしかない。プレーオフ圏内のクラブはどこも10勝以上挙げており、約半分は勝たないというけない。ホームで勝つ事は当然観客動員にもプラスに作用するのでホームで勝つことを意識したチーム作りが求められる。

4.シュートと被シュートのバランス
ファジアーノがJ2に昇格してから主なデータを収集してみて感じる事は、J1に行くクラブはよくシュートを打ってシュートを打たれないということ。
昨年の徳島や一昨年の大分、2年前の札幌はシュート数よりも被シュート数が上回って昇格したが、J1で全く通用せず1年で降格した。
少なくともJ1残留の可能性がある昇格はシュート数>被シュート数であり、J1昇格を目指すには相手にシュートを打たさず、こちらが打つということが必要となる。
ここまでのファジアーノ岡山はシュート数426本、被シュート数501本と大きく被シュート数が上回っている。J2で圧倒的力を誇る湘南は651-326とシュート数が被シュート数の倍という凄まじい数字を残している。
岡山はJ2に上がってから一貫して被シュート数が上回っている。一回りチームが成長するためにはシュート数-被シュート数のバランスを改善する必要があるように思う。

5.フロントのJ1昇格への本気度
フロントが今年何が何でもJ1へ昇格するんだという姿勢が見えたかと言うとノーだと言わざるを得ない。
2013年が12位に終わったこともあって積極的にJ1と言うには口が憚れたのかも知れないが、J1への本気度が感じられなかった。
フロントはJ1昇格はまだ早いと思っているのかもしれないが、チャンスがある時にモノにすることは大事だ(その点松本は非常に上手くやった)。
J1昇格を経験することによって、例えJ2に降格しても有力選手を集めやすくなり、スポンサーやサポーターに対してJ1を目指すという言葉に説得力が出てくる。
本当にJ1に上がる気があるのか懐疑的に思っているスポンサーも少なからずいるはずで、サポーターの中でも同様だ。
昇格経験のある監督を招へいしたり、核となる外国人を獲得するなど本気でJ1を狙っているという姿勢をまずは見たい。
昇格するだけの予算はあり、ファジアーノよりも少ない予算で松本は昇格し、昨年は長崎がPOに進出し、今年は北九州がファジアーノよりも上の順位となっている。


予算と成績は比例すると説明してきた社長だが、ファジアーノよりも少ない予算で良い順位になるチームが何チームも出てきていることは足りないものがあるということ。
足りないものの答えが何なのかシーズンオフの動向で少なからず見えてくる事を期待したい。
筆者の試合満足度(10段階)
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