ファジアーノ岡山ホームゲーム感想
2012年J2第19節vs町田ゼルビア(22位) |
試合結果スタッツなど |
観客が急増し始めた直近のホーム3試合で1分け2敗と多くのサポーターの声援を力にし切れてなかったファジアーノ岡山。今節は今季初の平日ナイトゲームで最下位町田ゼルビアを迎えた。 岡山は怪我人続出で先発の選択肢が限られている。ここ3試合先発で出ていたチアゴが軽い肉離れで離脱し、控えはGK2人を含めて6人とフィールドプレーヤーの控えは4人になり試合に出場できるコンディションにある選手は総出での試合となった。 町田ゼルビアは丁寧に繋ぐポゼッションサッカーを行い、格上クラブに対してアウェイでもそのやり方は変わらない。そのやり方も功を奏しているのかアウェイでの得点力が非常に高く、最下位クラブながらアウェイ1試合平均1.33点を記録している。 町田のアウェイでの得点力がこのゲームでも発揮されて平本の見事なドリブルからの豪快シュートで前半19分に先制する。 またもや前半の早い段階に先制されて嫌な雰囲気となった岡山だが、前半のうちに逆転に成功する。 仙石からのロングボールを川又が利き足とは逆の右で素晴らしいコースに決め、2点目はキム・ミンキュンがペナルティーエリアのすぐ外で千明のスルーをトラップから素早く右足を振りぬいたビューティフルゴールをゴールネットに突き刺した。 岡山にとっては前半のうちに逆転できたことは非常に大きかった。結局このままタイムアップし、今年お馴染となった1点差で勝ち切った。 ここで勝ち点3をきっちり奪ったことは上位に食らいついていく意味では非常に大きく、内容がいまひとつでも勝ちを拾って行けるのは上位に行くクラブが必要としている条件のひとつだ。 ただ内容面では反省点も多い。守備面はGK中林に助けられた場面が多く、センターバックは3人ともピリッとしなかった。特にドリブルの対応は甘く、易々とゴール近くまで侵入されてピンチを招いていた。後藤、竹田、植田のセンターバックは高さ勝負においてあまり心配はいらず、ドリブルに対して対応の拙さがシーズンを通しての課題となている。 攻撃面では川又、キムと前線の選手が点を決めたことは大きいが、前線3人のうちの川又、キムの出来に文句をつける人はほとんどいないだろうが、3人目の選手のパフォーマンスには不満を持つ人が多いだろう。チアゴの離脱期間がどの程度になるのかは分からないが、中野、纉c、関戸の中の3人から先発、途中交代を選ばねばならず、流れを変えるという意味では関戸が最も適しており、中野と纉cは先発向きで出来ることなら先発が無理ならばベンチ外だろう(選手不足によりこの二人も途中交代で使わざるを得ない現状)。 中野、纉cに対して物足りなさを感じるのは攻撃面ではもちろんのこと守備に関して川又やキムとは意識の面で大きく劣ることだ。 特に川又は以前から言っているようにボールを奪いに行く守備をしている。このことによってうまくボールを取れることもあれば相手がプレッシャーに負けて意図のないボールを前に蹴ることも多く、川又の守備面での貢献も非常に大きい。キムも粘り強い守備を行っている。対して中野と纉cはコースを切ることが最優先に見えてボールを取りに行くという意志が感じられない。相手に対してのプレッシャーが川又に比べると全くないと言っていいほど希薄だ。 体力のあり余った途中交代で要求されるガンガンプレスを掛けるということが中野や纉cは出来ず、先発かベンチ外かの選択肢に繋がる。怪我人続出でここまで層が薄くなるとは開幕前には想定されなかったのかもしれないが、途中交代でガンガン前にプレッシャーを掛けられていた岸田が欲しいと思ってしまう。 次節の湘南戦は川又と石原が累積警告で出場停止となっている。チアゴの復帰も不透明で前線3人はミンキュン以外の選択が難しい。千葉戦のような引き分け上等の引いた戦術を採用するのか、それとも違った戦いをするのか次節は選択肢が限られた苦しい中で上位湘南相手に非常に重要な戦いとなる。 |
筆者の試合満足度(10段階) 7 |
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