ファジアーノ岡山ホームゲーム感想
2012年J2第1節vsカターレ富山(-位) |
試合結果スタッツなど |
今年から昇格条件が変わり、6位までに入るとJ1昇格の可能性があり、多くのチームが最低でも6位以内の目標を掲げる。 ファジアーノ岡山も昨年の13位から大きく順位を上げて6位以内のプレーオフ圏内を目標に掲げる。 システムは昨年のまま3-4-2-1を踏襲し、課題だった左ウィングバックには広島からスペシャリストの鉄人服部公太を迎えた。 3年ぶりのホーム開幕戦だったが、晴れの国に似合わずしとしとと雨が降り続くあいにくの天候となった。 この雨による影響と富山のプレスが強いこともあって前半は各選手非常にミスが多く、特にボランチで出場した竹田は凡ミスを繰り返して大ピンチを誘発していて前半は大いに反省しなければいけない45分となった。 前半で気になったのはセンターフォワードのチアゴの使い方。安易にチアゴをめがけたボールが多く、192cmの長身を生かしたいのは分かるが、例えチアゴが競り勝ったとしてもセカンドボールが拾えるとは限らず、富山もチアゴにボールを集めてくることは織り込み済みなのでリズムが出なかった。 チアゴはフットサル出身でもあり、足下も上手い。チアゴを生かすにはどういう攻撃スタイルが有効なのか考え直す必要がある。チアゴに頼り過ぎたパスの出し手側の責任感のなさが気になった(昨年はストヤノフが出場した時にすぐストヤノフに預けて頼る責任感のなさに共通する)。 後半は膝を痛めたチアゴに代えて大卒1年目の関戸を入れて空中戦を捨てて地上戦でパスを繋ぐことを徹底してきた。 意思統一がはっきりしたことで攻撃にリズムが生まれる。富山のプレスをかいくぐって惜しいシーンもあり、後半は今年やりたいサッカーが見られた。 この徹底的に繋いでゴールに向かうスタイルはシステムは違えどJ1昇格有力候補の京都が志向するサッカーだが、このスタイルで主導権を握って点が入るようになればどのクラブに対しても互角以上の内容を残せるだろう。 このボールを大切にして繋ぐサッカーをやる上で欠かせないのは2年目のキム・ミンキュンだろう。ボールキープ力に優れドリブル、パス、シュートのバランスが取れていてレギュラーが固定されていない攻撃陣3人の中でキムだけは外せない選手だということは開幕戦を見た者なら誰もが感じただろう。 今年は得点に力を入れると公言しており、後半のミドルシュート、終了間際のドリブルからの惜しいシュートと昨年よりも得点の匂いが増している。 残り2人を誰と組ませるのか悩みどころか。今回は先発にチアゴと中野、途中からチアゴに代えて関戸、関戸がボランチに下がった後に纉c、中野に代えて川又と多くの選手を試した。 中野は昨年までのイメージよりも良くなっており、悪くはない。ただレギュラー固定というほどのインパクトはなく、もう少し様子を見たい。 関戸が入った後半からリズムが変わり、関戸も及第点以上の働きを見せた。シャドーとボランチが出来るのは利点で最低でもベンチ入りは保障されるだろう。 纉cは昨年終盤の登場以来、未だ印象に残らない。当然出場時間が短いのでどの程度の力があるのか判断がつきにくいが、スピードがあるわけではないので途中出場よりも先発の方が向いているのではないかという感じがする(先発出来ないならベンチ外)。 個人的に期待しているのが川又。FWらしい顔つきでファジアーノでは数少ないガツガツ行ける選手だ。アンデルソンの復帰が長引きそうなだけに、チアゴ-川又-キムの3人が特長が被らずバランス良い布陣になるように思える。 守備面で最も注目したのはセットプレーでの対応。昨年までのマンツーマンからJ昇格後初めてゾーンで対応することになった。 セットプレーの守備に不安のあった真子から中林に代わったこともあってかセットプレーでひやりとするような場面はなく、まずは順調な出だしとなった。 正GK争いを制して先発を勝ち取った中林だが、雨のkankoスタジアムは初めてとあってかキックが精度が酷く、キックに関してはプロレベルではなかった。ストロングポイントのシュートストップでも防げた1点目のロングシュートを許した点で物足りなさが残った。 ただ足下がお粗末であることは事前に言われていたものであり、kankoスタジアムで初めての雨の中での試合ということを考えればこのパフォーマンスで正GK交代云々は時期尚早だ。 後半見せた戦い方でシーズン序盤から勝ち星を積み重ねればプレーオフ圏内も可能だと感じさせた開幕戦。 ボールを繋ぐスタイルには選手の自信が不可欠になる。早く勝利を手にして波に乗りたい。 |
筆者の試合満足度(10段階) 6 |
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