ファジアーノ岡山ホームゲーム感想

2011年J2第22節vsザスパ草津(16位)
試合結果スタッツなど
勝っているチームはいじるな(Never change a winnning team.)。よほどの理由がない限り勝ちを収めたチーム構成を変更するのはリスクが高い(編成を変えて負けた時のダメージが大きく選手から監督への信頼がなくなる)。特にホームで強さを発揮する北九州相手にファジアーノ岡山はアウェイで勝利を飾っていただけにそのままの勢いで今季初の連勝を狙っていきたい一戦だった。
しかし、北九州戦から先発メンバーを5人も入れ替えた(出場停止の後藤を含む)監督の方針は見事なまでに裏目に出た結果となった。

個人的には影山監督に対して懐疑的な目を向けて来たが、この一戦で監督に対する評価は完全に固まった(昨年も不満があったがもう一年様子見でも構わないと考えていた)。
最低でも今年で契約終了、出来ればいち早く次の監督の目星をつけて一昨年の愛媛のようにシーズン終盤を新監督で動き出すべきだ。

監督を代えるべきというからにはきちんとした理由が必要だ。その理由を述べていきたい。

まず監督に求められる大きな要素であるモチベーターとしての力が決定的に足りない。モウリーニョを筆頭に優秀な監督は選手をのせるのがうまく、チームのパフォーマンスを最大限に発揮する。
対して影山監督は選手のやる気を引き出すどころか選手のやる気を意図的に削いでいるのかとさえ思ってしまう。アウェイ北九州戦で勝ちながら今回先発出来なかった選手は今回の内容も結果も乏しかった試合をどのような思いでピッチ外から見ていたのだろうか。
また監督は選手が思い入れのある試合で先発から外すというこれまた選手のやる気を削ぐ采配を行っている。昨年は真子の地元福岡で廣永を初先発させ、今年は近藤の旧所属チームである愛媛戦で近藤を先発から外している。
選手というのはやはり地元であったり、元いたチームと対戦する時はいつも以上に気合いが入るものだ。気合いの入る試合を前にしていきなり先発から外されるとなると後々まで気持ちの面で引きずってしまうだろう。
対照的に好調北九州の三浦泰年監督はファジアーノホームでの試合で0-3で負けているにも関わらずSBを交代させて前所属相手で岡山に思い入れのある重光を後半起用している。北九州の試合は見ていないので内容までは分からないが、好調北九州を支えているのは監督が選手を気持ちよくプレーさせているところに大きな要因があるのではないかと思う。
影山監督は選手の感情をコントロールするのが下手であり、チームの士気を高めるのが下手であるというのが監督を代えるべきだというまず第1の理由だ。

第2の理由は選手の特性を生かし切れていないということだ。今回の試合でも白谷を1TOPに据えることに対して試合前から懐疑的な目を向けるサポーターは多かったに違いない。北九州戦のヒーローであるものの運動量が少なく、ボールが収まるわけでもない白谷が1TOPで機能するとは非常に考えにくい(スペースが出来る後半途中からの1TOP起用ならばまだ白谷の短所が出にくい)。白谷を起用するならば2TOPにしてトップ下を配置した方がまだ機能する可能性が高いと素人でも考えるだろう。
また白谷1TOPでボールが収まらないことが容易に想像できたにも関わらずボランチは攻撃に持ち味を発揮するキムと千明のコンビを起用し、身長が低く、フィジカルに難がある千明がどちらかと言えば守備的なボランチであるためセカンドボールが拾えない悪循環に陥ってしまう最悪の組み合わせとなった。

第3の理由は欠点を修正できない指導力のなさだ。今年は何度となくコーナーキックでの守備が不安定だと書き続けてきた。そして今回もCKからの失点を喫し、まったく成長の跡が感じられない。17試合でCKからの失点が6と3試合に1試合はCKからやられている計算になる。
CKからの失点パターンは同じというのもさらに印象を悪くする。ストヤノフあるいはチアゴが出場している時はチアゴの後ろに大きく開けたスペースに飛び込まれて失点する。3人のDF+チアゴはJ2でも屈指の高さがありながらCKからの失点が多いのは監督の指導力に問題があるとしか思えない。
具体的にはストヤノフあるいはチアゴのポジションがポストに寄りすぎているように感じる。このストヤノフあるいはチアゴのポジションは西野が受け持っていたが、西野はもう少しゴールラインから離れた位置に陣取ってボールを跳ね返していた。ストヤノフやチアゴの位置ではやや巻いてくるボールに対してはポジションが悪く、せっかくの高さも生かしきれないためストヤノフorチアゴの後ろの広大なスペースをマンツーマンを外した選手に使われ放題になっている。

その他にも交代が遅いなどの理由もあるが、選手をコントロール出来ていない影山監督ではこの先安定したパフォーマンスを期待できない。
山陽新聞試合満足度調査
不満74%
やや不満19%
やや満足6%
満足0%

MIP(投票者53人)
千明聖典53%
石原崇兆9%
ストヤノフ8%
澤口雅彦8%
筆者の試合満足度(10段階)
1