ファジアーノ岡山ホームゲーム感想

2010年J2第29節vs.サガン鳥栖(7位)
試合結果スタッツなど
筆者は非常に怒っている。今回の試合についてではなく、岡山大学整形外科の医療技術の低さにだ。ファジアーノ岡山は岡大の医療チームが担当している。昨年末のコラムで岡大整形の医療技術に関して疑問を呈したが(参照コラム)、妹尾隆佑の再手術の件で岡大の医療技術が非常に低いものだと決定付けられた。
妹尾は昨年12月下旬に左膝の手術を行い、早くて2月下旬、遅くても3月一杯までには復帰できる予定だった。そもそもこの手術は慢性的な左膝の痛みを完全に除去し、1年でも長く選手生活を送るために膝にメスを入れた。
しかし、復帰予定が過ぎた4月になっても一向に復帰の目途が立たず、妹尾が試合に復帰したのは予定よりも3ヵ月遅れの6月上旬だった。
回復が順調ではなく、手術後から一貫して痛みが残る状態で、痛みがあることによって復帰が遅れに遅れた。山陽新聞の記事によると復帰後の夏に状態を悪化させて階段の上り下りさえ苦労する状態だったという。
この記事によれば一旦治ってそれから悪化したのように受け取れるが、復帰が非常に遅れて、復帰途上の記事でも痛みが残っているとあったことからも手術そのものが失敗していたと断定してよいだろう。
そして今回の再手術となり、妹尾は岡大の低い医療技術の犠牲になったと断じてよいだろう。専用練習場の整備も必要だが、選手の怪我の治療、リハビリの観点から岡大に任せておいてはこれからもさらなる犠牲者が出るのは確実だろう(昨年まで所属していた小林康剛も岡大のリハビリ方針ミスでシーズン中の復帰が叶わなかったようだ)。
尾崎商事のようにスポンサーのみのサポートに転換してくれることを望み、フロントも岡大の医療技術に疑問を持って円満に医療サポートの打ち切りを図ってもらいたい。岡大としても専門分野で失格の烙印を押されるというのは尾崎商事の件(ユニフォーム)とは違ってプライドが許さないだろうが、サポーターとすればこれ以上身内に選手を潰されるのは見ていられない。

鳥栖戦は試合前から雨で試合中もかなり強く降った。観客動員は4197人と今季最低を大きく更新し、今年初の雨と最近の不甲斐ない試合の連続であわや3000人台かというほど不入りだった。
この条件で5000人台をキープできればコア層がかなり増えて底堅いなと思っていたが、4000人余りしか入らなかったことは危機感を持ち続けなければいけない。

試合は三木のゴールで先制し、順調な出だしを見せる。三木のシュートそのものは普通なら入るシュートではなかったが、うまい具合にDFの足に当たって絶妙ループとなっての得点だった。やはりシュートを打つことが大事で、シュートを打てば何が起きるか分からない見本のような得点だった。
前半のうちに同点とされて、後半から千明を投入する。千明は初戦と同様にダイレクトで捌くプレーが多く、ボールタッチは他の選手とは異質でレベルの違いを感じさせた。しかし、千明のボールを受ける方にかなり問題があり、濡れたピッチということもあって思うようなコントロールが出来ず、千明の能力を最大限に生かした攻撃は出来なかった。

後半30分に鳥栖の藤田が退場し、流れが変わる。それまでは前からプレスを掛けられて苦し紛れの前に蹴り出しては鳥栖に拾われるという内容に乏しくこのままでは良くて引き分け、逆転負けの可能性もかなり高い状況だった。
鳥栖が一人少なくなってようやく互角の戦いになり、白谷が決勝ゴールを決める。このゴールは西野がゴールライン付近からマイナスに小林にパスし、小林が3人に囲まれながら利き足ではない右でほぼ平行にグラウンダーのパスを出してフリーの白谷が落ち着いて決めた。
やはりサイドをえぐった状態を作ってそこからマイナスのパスやグラウンダーのパスでペナルティーエリアにボールを供給する方が得点の可能性が非常に高くなると感じた。
単純なクロスでは岡山のFWがCBに競り勝ってゴールを決めるというのは相当可能性が低く、サイドをえぐってからボールと人を同一視界に捉えられない状況を作ってフリーでシュートを打つシーンを作ろうとする方が遥かに得点の可能性が上がる。

監督はどうしても単純なクロスを多く入れることを好んでいるようだが、敵陣深くまで切り込むことをもっともっと重視するべきだろう。

今回山陽新聞の満足度調査では満足が85%でやや満足がおらずやや不満が15%と面白い結果となった。やや満足がおらずやや不満が15%いる理由としては勝ったので不満ではないが、内容が次に繋がらないことへの不満がやや不満という評価になったと思われる。11対11の状態では鳥栖とのレベルの差は歴然で今のままでは勝利を積み重ねていくことは難しいと感じ、勝利したとはいえチームの方向性が依然として見えない手放しでは喜べない試合となった。
山陽新聞試合満足度調査
満足85%
やや不満15%
やや満足0%
不満0%

MIP(投票者115人)
白谷建人51%
三木良太%
小林優希%
筆者の試合満足度(10段階)
5