ファジアーノ岡山ホームゲーム感想

2010年J2第20節vs.コンサドーレ札幌(11位)
試合結果スタッツなど
今季唯一の平日ナイトマッチとなったコンサドーレ札幌戦。1万人チャレンジDAYと銘打ち昨年あと僅かに届かなかった1万人以上の集客を目指した。
今季から札幌に加入したゴン中山こと中山雅史効果でスタジアムはホーム開幕戦を上回る11,290人の大観衆を集め大盛況の試合となった。

これまでファジアーノ岡山はJFL時代を含め1万人以上集まった試合で勝利したことはなく、3分2敗で試合中1度もリードを奪ったこともなかった。
しかし、開始4分で田所のビューティフルミドルが決まり、早々とリードを奪う。前半は先制点が入っても守りに入ることもなく岡山の方の攻めに勢いがあり、どちらが順位が上か分からない出来だった。

後半になると札幌のエンジンが掛かり攻めに迫力が出てくる。札幌というと昨年の岡山ホームでも前半戦の札幌ホームでもそうだったが後半の運動量が落ちて動けなくなる印象があり、今回も暑い岡山ということもあり運動量が落ちるのではないかと思ったが、運動量がより落ちてしまったのは岡山の方で意外だった。札幌は良い形でフィニッシュまで持って行く場面も多かったが、シュートの精度が非常に悪くバーの遙か上に飛んで行くシュートが目立った。
岡山の現時点の最大の持ち味は粘り強い守備でセンターバックとゴールキーパーが特に安定しているので失点が少なく、ボランチの田所とキムのコンビも良いバランスを見せていて大崩れはしそうにない。得点力は相変わらず低いものの少ない得点を守り切る現状の戦力で最も考えられる勝ち方で勝利した。

守備陣に関しては不満はないが、やはり攻撃陣には不安を感じざるを得ない。前半でチーム得点王で左サイドハーフに入っていた岸田を下げ、小林を投入した。妹尾が現在のトップにボールを放り込むことを優先する戦術では生きないのと同様に岸田もこの戦術では生きにくいための交代だったのだろう。
小林の最大の長所はクロスの精度だが、果たして良いクロスが上がったとしてFWに決め切れる力があるのかという問題がある。

今回の札幌は主力DFが出場停止だったために三木とマッチアップしていたのは170cmのセンターバックだった。三木との身長差は13cmありポストプレーで三木が勝つのは当たり前だろう。しかし、そのようなミスマッチの相手でも三木のシュート数は僅か1本でもうひとりのFWのリもシュート1本とFWはシュートすら打てていない。三木は3試合でシュート3本でそのうちの1本は水戸戦のラッキーゴールも含まれている。リもここ3試合でシュート3本でリは11試合出場して未だに無得点にアシストも0だ。
FWの数はいるものの得点を取れるFWはいないのが現状だ。妹尾や岸田が満足に出場できないとなると流れの中で2列目以降の得点はなかなか期待できないだけに深刻な得点力不足に陥る前に何かしなければいけない。
夏に強いファジアーノ岡山だけに現状調子が良いから何もしないのであれば昨年と同様に秋以降に大きなしっぺ返しが来る可能性が高い。

今回は中山効果もあり1万人を達成したが、やはり中山雅史の集客力はさすがだと感じざるを得なかった。中山が途中出場する時は岡山が得点した時に勝るとも劣らない歓声が起きた。
また平日開催にも関わらず札幌サポーターが大勢来ていたのはさすが元J1クラブだけのことはあると感心した。
最後に、試合が終わり、インタービューも終わって帰路に就く時、他人が飲んで椅子の下に置いてあったペットボトルを見つけてわざわざ拾って持ち帰っていった女子高生には心が洗われた。
山陽新聞試合満足度調査
満足84%
やや満足16%
やや不満0%
不満0%

MIP(投票者103人)
田所諒70%
真子秀徳8%
川原周剛6%
三木良太5%
近藤徹志5%
筆者の試合満足度(10段階)
8