ファジアーノ岡山関連コラムNo.23

ファジアーノ岡山2012年展望(2012/3/1)


−目標はプレーオフ進出−

2009年にJ2に参入して4年目の今年。クラブとして初めて具体的な目標順位を掲げて戦うファジアーノ岡山。

今年からJ2は昇格条件が変更され、上位2クラブが自動昇格で最後の3枠目をリーグ戦3〜6位の4クラブによるプレーオフにて決定されることになった。
この昇格条件変更により、より多くのクラブに昇格のチャンスが出来たのは明らかで多くのクラブが最低6位以内を目標にシーズンに臨むことになる。

昇格条件が変更されたこと以上に大きな変化が今年はある。町田と松本が参入したことにより、J2は22クラブと当初予定していた枠が全て埋まってしまった。
よって今年から恐怖の降格制度が始まり、下位チームも殺伐とした終盤戦になり、今年のJ2は昨年までとは様変わりして多くのチームがシーズン終盤戦までモチベーション高く戦うことになる。

−攻撃力アップ−

昨年のファジアーノ岡山は失点数が3番目に多く、大量失点が目立った。通常ならばいかに失点を少なくするかを第一に考えた補強をすると思われるが、30試合以上出場したストヤノフが去りながら最終ラインの補強をしなかった。これはシーズン終盤は安定した守備が出来ていたという判断と思われる。

フロントが重視したのは攻撃力アップだった。アルビレックス新潟から川又とアンデルソンをレンタルで獲得して引退した妹尾、臼井の穴を埋めるどころか大きく戦力が上がったように見える。

また昨季はシーズン直前に大怪我してチームの力になれなかった纉cも実質戦力アップとなっており(怪我しやすい選手なので過大な期待は禁物だが)、昨年は非常に層が薄かったシャドーや1トップのポジションが激戦になっている。

−セットプレーはゾーンで対応−

J昇格後ファジアーノ岡山はコーナーキックなどのセットプレーでの失点が非常に多く、長年の課題となっている。上位に行くようなクラブはセットプレーでの失点が少なく(FC東京、札幌はCKからの失点0で鳥栖も1失点のみ)、プレーオフ圏内を狙うにはセットプレーからの失点を大きく減らすことが必須となる。

ファジアーノ岡山は伝統的にマンツーマンで対応してきたが、マークを外されて失点を喫するシーンが目立った。筆者は昨年途中からゾーンで守ることをしつこく主張してきたが、ようやく影山監督も今年からゾーンで守ることを決断した。

ファジアーノ岡山は180cm以上の長身選手が多く、ゾーンで高さで競り負けることとマークを外されることのリスクを天秤にかけると圧倒的にマークを外される可能性の方が高い。セットプレーをゾーンで対応することは正しい選択だろう。

−大勢のサポーターで後押し−

昨年はほとんどのクラブが東日本大震災の影響(平日開催が増えたことも含む)で観客動員を落とす中でファジアーノ岡山は+98人と参入以来観客動員を増やし続けている。

ただし、ファジアーノ岡山の特徴としてシーズン後半戦に動員が鈍ってしまう。つまり前半戦は期待も込めて好調な出足を見せるもののその後は成績が低迷して動員も今一つ伸び切らなかった。

今年はプレーオフ圏内という大きな目標を掲げ、プレーオフ圏内でシーズンを進めることが出来ればシーズン後半戦も大観衆を集めることが出来るだろう。好位置につければサポーターも集まり、選手の力となる。シーズン中盤までの成績が好循環を生めるかどうかのカギを握るだろう。

今年は昨年達成できなかった1試合平均8000人クリアを最低限の目標とし、昨年1試合しかなかった1万人越えを多くの試合で達成できればJ1昇格の資格は十二分にある動員数を記録することが出来るだろう。

−ネクストは撤退戦−

ファジアーノ岡山は2009年よりセカンドチームを有し、2010〜2011年は地域リーグを戦った。しかし、戦績はパッとせず、地域リーグをオールプロで臨みながら地域リーグ決勝大会を2年連続で逃し、昨年は3位に終わった。中国地域リーグから決勝大会に出たチームは2010年も2011年も決勝リーグにさえ進んでおらず、中国地域リーグのレベルは高くないにも関わらず結果が出なかった。

個人的には昨年までのネクストの状況を見て、いち早くネクストではなくユースに全力を挙げるべきだと感じたが、フロントもネクストを見切って撤退戦に入ったように見える。

物事を始めることよりも終わらせることの方が難しい。「ネクスト廃止」と一言で簡単には終わらないだろう。ただ今年はトップとネクストを合わせても40人にも満たず、ネクストが満足な戦力を整えられるとは思えない(トップチームがプレーオフ圏内を掲げる以上出来るだけトップチームに人数を割いておきたい)。
ネクスト行きの選手にとっては非常に不幸な状況だが、年間数千万単位の無駄遣いを1年でも早く終わらせることは大事だ。
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