ファジアーノ岡山関連コラムNo.22

ファジアーノ岡山2011年展望(2011/3/1)


−3年目の方向転換−

ファジアーノ岡山は今年でJ2昇格から3年目を迎える。過去2年は最下位、17位(下から3番目)と低迷し、昇格初年度から上位につける観客動員とはギャップのある成績だった。

筆者はことあるごとにベテランの必要性、朝鮮系以外の外国人の必要性を訴えてきた。
ついに今シーズンのファジアーノは30代以上のベテラン選手を獲得しない方針を捨てて前サンフレッチェ広島所属で2010年までブルガリア代表DFで実力者のイリアン・ストヤノフ(33)を獲得した。
ストヤノフは通常ならばファジアーノ岡山が獲得できるような選手ではない。ストヤノフ獲得はストヤノフを知っているサポーター誰もが驚いたことだろう。
ストヤノフはお金よりも大切な物があると語ってファジアーノ入りを決断した。歴史が浅いクラブであり、レジェンドとなる選手がいない岡山は将来日本で指導者になることを希望しているストヤノフにとっては魅力的に映ったのだろう。ストヤノフがファジアーノ岡山をJ1に導くことが出来れば鹿島のジーコ、名古屋のストイコビッチのような地位を築くことも可能だろう。

ストヤノフの獲得はベテランの必要性と朝鮮系以外の外国人獲得という筆者の考えを一気に満たしてくれる素晴らしい補強だったと思う。
惜しむらくはFWに外国人選手が欲しいところだが、フロントとしても外国人を含む有力FW獲得に動いているもののなかなか契約まで至らないということなのでFW補強を考えていることが明らかなので今後の補強に期待だ。

−J1昇格を見据えて−

フロントは2010年に3年かけてJ1昇格争いをすることを明らかにしている。しかし、2010年は下から3番目と昇格など雲の上の話にしか聞こえない状況で終えた。そして2011年は来年の昇格争いを目指すというのならば最低でも上半分でシーズンを終えないと来年の昇格争いや昇格のための有力選手獲得が出来ないだろう。

よって今年はここ2年以上に成績が求められる年となる。ストヤノフを最大限に生かす布陣を敷くことが予想され、これまで一貫して採用していた4バックから3バックへの転換が予想される。
ストヤノフが常時スタメンで出場できるのならば3バックの方が良さそうだが、昨年怪我がちだったストヤノフが欠場する試合が多くなった場合に4バックに戻すのか3バックを貫くのか監督の力量が試される場面もあるかもしれない。
2つのシステムを使いこなせるほど選手に器用さがあるのかどうか。2つのシステムを同時にトレーニングしていき、両方とも中途半端にならないかなど同時並行を決断する場合は懸念もある。

−課題は得点力−

誰しも感じていることは今年も得点力不足に陥るのではないかということ。昨年のチームトップの得点は岸田の5点とあまりにも寂しい数字となった。
トレーニングマッチでも格上クラブとの試合が続いているとは得点力不足が顕著で得点力をいかに上げるかが今年の最大のテーマになるだろう。

現有のFWの中で最も期待したいのは昨年後半からチームに加入して4得点と得点率ではチームナンバー1だった白谷建人だ。
白谷はロンドン五輪世代でロンドン五輪に強い意欲を示している。しかし、ロンドン世代の攻撃陣は非常に層が厚く、ちょっとやそっと結果を残したぐらいでは呼ばれもしないだろう。
J2得点王はJ1でも海外でも通用する事例が複数(フッキ、香川)出ているので白谷には20ゴール以上で得点王を目指すくらいの気持ちで持ち前の貪欲さを発揮してもらいたい。

−観客動員は順調に増えるか−

J2昇格1年目の2009年は6162人、昨年は7165人と順調に観客動員を増やしてきている岡山。しかし、昨年の後半戦は頭打ち感も漂っていただけに今年も動員を増やしてJ1昇格争いをしても恥ずかしくない1試合平均8000人にどれだけ近付けるか、あるいは超えられるかが注目となり、そのためにはやはりある程度の成績が求められるだろう。


専用練習場の整備の遅れが決まり、選手獲得にも悪い影響が出るだろう。来年のJ1昇格争いという目標が本気だと示すためには結果を示す必要のあるシーズンとなる。
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