ファジアーノ岡山関連コラムNo.8

ファジアーノ岡山の挑戦:2009年第2クールを終えて(2)(2009/8/19)


−歴史のターニングポイント−

第2クールで最も重要な試合は第32節東京ヴェルディ戦だろう。8月5日水曜日に行われた一戦は1万人チャレンジDAY!と銘打ち、平日にも関わらず観客1万人を目指してイベント等集客に力を入れた(タダ券は配布していない)。

このヴェルディ戦の前までに平日開催は第23節水戸戦3,084人、第25節熊本戦3,473人、第29節栃木戦3,661人と徐々に人数は増えてはいた。しかしいくら知名度が高い東京ヴェルディが相手とはいえ3倍弱もアップさせるのは難しいのでは思っていた(昨年も1万人を目指しての試合があったが1万人には遠く及ばなかった)。

しかし、蓋を開けてみると9,436人の大観衆が集まり今季3番目の入りとなった。

えてしてこういう観客動員が多い試合で大敗してしまうことが多く、同期昇格の栃木は15,857人を集めた鳥栖戦で0-5の大敗を喫してしまっている。
動員をかけようとする試合は普段余り興味のない層にも試合へ来てもらおうとするため相手の知名度が高いクラブを選ぶことが多く、実力も伴うクラブが選ばれることに繋がりやすい。
そのため大観衆の前で虐殺を食らってしまい、それ以降のホームゲームへの影響を考えると動員をかけたのが成功とは言えないということが多い。

観客を多く集めるためには相手の知名度は重要だが、相手の実力も高く、無様な試合になるリスクがあるため企画したフロントとすればどうか白熱した試合になって欲しいと祈る思いだっただろう。

東京ヴェルディとの試合は前半早々に2点を失い、栃木対鳥栖の再現になるかに思えた。
しかしヴェルディが中2日の過密日程もあってペースを落とし、3点目を積極的に狙いに来なかったことが奇跡に繋がる。

後半25分まで0-2で負け、決定的チャンスは作るも元日本代表GK土肥の厚い壁を破ることが出来なかった。
しかし、後半26分に青木のヘディングシュートで1点を返すとスタジアムとチームがイケイケ状態になり、34分に喜山のミドル、43分に保坂のヘディングシュートと17分で3点奪い大逆転勝利を飾った。

これまでファジアーノは11,053人が集まった昨年のホーム最終戦、10,525人が集まった開幕戦の甲府戦、13,228人が押し寄せた横浜FC戦と全て引き分けに終わっており(得点は3試合で1点のみ)、大観衆の中で初めての勝利が劇的な勝利となった。

大観衆の中で年に一度あるかないかの大逆転勝利をした意味はとてつもなく大きい。この試合を見てファジアーノの虜になる人が多くいたことは間違いない。

第2クールに入って観客動員が下降線だったクラブにとってこの1勝は今年1番価値のある勝利だろう。

第3クールホーム初戦の熊本戦のチケット販売も好調のようで東京ヴェルディ戦に負けない動員を期待したい(日曜開催だと5000人前後に落ち着いているので7000人以上だと東京ヴェルディ戦効果だと言っていい)。
この東京ヴェルディ戦がファジアーノ岡山の歴史にとってターニングポイントとなる歴史的な試合になったかもしれない。

専用スタジアム建設の可能性も−

以前のスポーツコラムに将来的には”操車場跡地に専用スタジアムを”と記しているが、専用スタジアムが建つとしても何十年も先のことだと考えていた。
ところが、9月13日に行われる岡山市長選に操車場跡地にサッカー専用スタジアムの建設を公約に掲げる候補が立候補した。

その候補は元岡山市長で岡山市長時代にJリーグクラブもなく、サッカーに対する理解に乏しかった時代から操車場跡地にサッカー専用スタジアムを建設しようとしていた安宅敬祐氏で政令指定都市に移行したことを受けて再び岡山市長に立候補した。

現職で2選目を目指す高谷市長も立候補しており、安宅氏が当選するかどうかは不透明だが、国政で民主党が政権を取り、以前民主党推薦で立候補していた安宅氏に民主党推薦が下りれば安宅氏の当選の可能性も出てくる(元市長といえど現職よりも年齢は低い)。

操車場跡地に専用スタジアムが出来るとすれば岡山駅から一駅で、駅の側にスタジアムが建つことになり、アクセス抜群で現在の桃太郎スタジアムで問題となっている駐車場の少なさも解消されるいいこと尽くめだ。

岡山ドームのような無用の長物を作られてもたまらないのでチャンスが巡って来たときはしっかりと掴むことが重要となり、安宅氏が当選するかどうかもファジアーノ岡山の将来にとっても大きな分岐点になるかもしれない(現職は口ではファジアーノをサポートすると言っているが、行動は鈍い)。

第2クール主要スタッツ

勝敗 4勝4分9敗 勝ち点12 15位
ホーム 2勝1分5敗 勝ち点7 16位
アウェイ 2勝3分4敗 勝ち点9 14位
得点 14 16位
失点 21 10位タイ
ホーム得点 7 15位タイ
ホーム失点 12 12位タイ
アウェイ得点 7 15位タイ
アウェイ失点 9 6位タイ
シュート数 163本 9.58本/1試合 16位
シュート数(通算) 319本 9.38本/1試合 18位
(最下位)
被シュート数 202本 11.88本/1試合 13位
被シュート数(通算) 413本 12.15本/1試合 14位
シュート決定率 8.28%
シュート決定率(通算) 7.83% 16位
被シュート決定率 13.74%
被シュート決定率(通算) 11.62% 11位
ホームシュート決定率 9.72%
ホームシュート決定率(通算) 8.28% 14位
ホーム被シュート決定率 10.52%
ホーム被シュート決定率(通算) 10.63% 9位
アウェイシュート決定率 7.69%
アウェイシュート決定率(通算) 7.4% 17位
アウェイ被シュート決定率 7.43%
アウェイ被シュート決定率(通算) 12.44% 15位
観客動員数 39,321人 4,915人/1試合
観客動員数(通算) 100,407人 5,906人/1試合 7位
18節 19節 20節 21節 22節 23節 24節 25節 26節
湘南 仙台 C大阪 横浜FC 岐阜 水戸 富山 熊本 徳島
ホーム 0●1 0●2 0△0 0●1 2●3
アウェイ 0●1 0●1 2○1 0●1
観客動員 3,233 7,333 4,218 3,084 3,473
27節 28節 29節 30節 31節 32節 33節 34節
鳥栖 愛媛 栃木 札幌 福岡 東京V 草津 甲府
ホーム 0●3 2○0 3○2
アウェイ 0△0 2●4 0△0 1△1 2○0
観客動員 4,768 3,661 9,436
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