−方向転換− 第1クール(第1〜17節)を終えた後のコラムで第1クールのファジアーノ岡山が展開している内容は最下位レベルで妹尾がいない場合はダントツの最下位と記した。 そして大きな問題点として次の2つのこと挙げた。 ・ボランチのパフォーマンス不足(特に守備的ボランチ) ・ボールを保持できない→シュートが打てず逆に多くのシュートを浴びる 監督も同じような見解を持っていたのか第2クールになると弱点を克服しようと対策を打つ。 まずボランチに関しては第1クール最終戦の草津戦から竹田を守備的なボランチに起用し、CBもこなすことが出来る竹田に攻撃よりも守備を重点的に意識させて格段に守備力が上がる。 そしてシステムをオーソドックスな4-4-2から2トップを1トップに変更して余った1人をトップ下に配置して中盤を厚くし、中盤でプレッシャーを掛けやすくすることとセカンドボールを拾うことを狙った。 2つ目の問題点のボールを保持で出来ない点についてはボールを繋いで行くという意識を高めることによって解消しようとした。 第1クールは西野の頭めがけて蹴る場面が非常に多く、そのこぼれ球を相手に拾われることで相手のポゼッション率が上がりシュートを多く浴びただけに繋ぐ意識を持つことによってポゼッション率が上がり、相手のシュート数も減った。 竹田の起用とシステム変更がうまく機能して守備の建て直しに成功し、第1クール最後の4戦で13失点(1試合平均3.25失点)と崩壊していた守備が第2クール最初の6戦で6失点(1試合平均1失点)と見違えるほど守備は良くなった。 −産みの苦しみから戦える自信へ− 第2クール序盤6戦で6失点で済んだといことは通常ならばそれなりに勝ち点を重ねられる失点数だが、この6戦でファジアーノが獲得した勝ち点は僅か1だった。 というのもこの間1得点も挙げられない深刻な得点力不足に陥っていたからだ。 第1クールを終えた後にも記しているがサイドハーフの妹尾がいるといないとではファジアーノの攻撃力は大きく違い、妹尾の個人で突破できる能力の貴重さを妹尾不在で誰もが痛感したことだろう。 妹尾は第21節(第2クール4戦目)のアウェイ横浜FC戦で6週間ぶりに捻挫から復帰する。 この横浜FCを含めて3試合無得点試合が続いてしまうことになるが、妹尾が帰ってきたことで明らかにチームは変わった。 妹尾復帰前は決定的チャンスが非常に少なく、0得点でも仕方のない内容だったのに対して妹尾復帰後は決定機が非常に多く、得点がいつ入ってもおかしくない見ている方としてはもどかしい思いがするほど可能性は感じられるようになった。 そのもどかしい思いもようやく第2クール7戦目にして解消される。アウェイ富山戦で2ゴールを挙げて2-1で勝ち、アウェイ初勝利を得る。 富山戦以降の11試合で14得点とこれまで運に見放されていた分の少しは取り戻した感じはした。 そして第2クール後半になると得点力がアップした分だけ勝ち点も積み重ね、最後の7戦で3勝3分け1敗と好成績を残し、第2クール最終戦で昇格争いをしている甲府にアウェイで2-0と結果も内容も完勝することにより、どことでも戦える自信をつけて第2クールを締めくくった。 −新戦力が続々加入− 第2クールになると弱点を補強しようと新戦力が次々と加入した。 まずジェフ千葉からレンタル移籍で青木孝太を獲得し、第20節のセレッソ大阪戦から登場した。 チームが連続無得点を続けている中でのJ1から移籍した選手ということで周りの期待も非常に大きかった。 試合前のシュート練習などを見るとゴールすることが多く、他の選手がフリーで打つシュート練習にも関わらず枠を外したり、GKに止められたりしてほとんどゴールマウスに入らないのとは対照的でシュート練習を見ると青木に否が応でも期待は高まった。 しかし、期待とは裏腹に結果が出ず、青木がゴールを決めたのは第32節の東京ヴェルディ戦まで待たなければならなかった。非常に惜しいシュートもあったものの、176cmと1トップを張るには上背がなく、ポストプレーのヘディングにも強くない青木を1トップに置いたり、左サイドハーフで起用したりと青木の持ち味が出にくい起用のされ方をすることによって調子も落とす結果となり、右サイドハーフで持ち味が発揮できるようになるまで時間が掛かってしまった。 青木に続いてガンバ大阪から三木良太を完全移籍で獲得する。三木は第28節の愛媛戦でデビューするも後半に足首を痛め途中交代するとそれ以来怪我の治療に専念している状態となっている。そのため僅か72分では評価のしようがなく、完全復活を待つ状態だ。監督は三木を起用する場合は第1クールに用いた4-4-2のシステムで戦いたい意向を持っているようで西野よりも背の高い三木が先発する時に誰が相方を務めるのか注目したい。 そして浦和レッズから野田紘史をレンタル移籍で獲得する。ポジションは左サイドバックでこのポジションは多くの選手を試すもののなかなかしっくりと行かず補強ポイントだったが、野田が加入したことによって大きく戦力が向上した。 169cmと小柄なものの浦和の目に留まっただけあり、身体能力もあり、攻撃も守備もしっかりとこなしている。右の澤口、左の野田と両サイドバックが安定することによりファジアーノの守備力は確実にアップしている。 |
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