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[書道と基礎知識]
書道の基本です。これから書道を始めようとする人は何かの参考に、すでに書道を学んでいて壁に突き当たっている人は、初心に戻り壁を乗り超えるきっかけにして欲しいと思います。
(1)書道と姿勢
- 姿勢を正しくして書くことはとても大切なことです。姿勢が正しければ、曲がらずに書くことも出来、疲労も少なくてすみます。
上体に無駄な力が入らないように心がけ、リラックスした姿勢を保つことが大切です。筆を持つ手は肘を張らないようにし、反対の手は手首より上だけを机上に置き用紙を軽く抑えます。
(2)執 筆 法−筆の持ち方−
- 筆の持ち方には大きく分けて二通りあります。
双鈎法(そうこうほう)
人差し指と中指とを前の方から浅くかけ、親指は後ろから筆の軸にあて、薬指は爪の根元を筆の軸にあて、小指は薬指に付けておきます。軽く持っていても引き抜かれない程度の力の加減が目安です。
単鈎法(たんこうほう)
筆の軸の前の方から人差し指一本をかけ、親指と2本で筆の軸を持って、他の3本は後から軽く添えておきます。これは細い筆で小さい字を書くには適しますが、大字を書くときには力が入りずらく不向きです。
筆軸のどの辺を持つかということについては筆の大きさ、また楷書・行書・草書によって違いますが、行書が筆軸の中央、楷書は行書よりもやや下で草書は行書よりもやや上と覚えると間違いありません。
(3)腕 法
- 筆を持って字を書こうとする時に、その腕をどうするか? これを腕法といいます。
懸腕(けんわん)−腕が机上にふれないで書く(大字を書くとき)
提腕(ていわん)−洋服の袖が机上のスレスレ位にして書く(中字を書くとき)
枕腕(ちんわん)−左手の指の上に右手首をのせて書く(小字を書くとき)
(4)下 筆 法−かひつほう
- 筆の打ち込み方のことで、落筆とも言います。力がある字だとかそうでないとか、様々な違いが出来るのはこの下筆の方法によるものです。
- 大体の法則としては
1. 縦画を引くときには筆を横に打ち込む
2. 横画を引くときには筆を立てに打ち込む
この二つは非常に大切で斜めのときはこれを応用すればいいのです。
(5)用 筆 法
- 一点一画を書き表すのにどのように筆を動かすか、その方法です。
昔から「一点一画有三転」とまで言われるほど多様ですので、ここでの説明は省略します。
(6)接 筆 法
- 点と線、線と線の接している部分の書き方を接筆法といいます。
縦画に横画を接する時は横画の先の力を抜きます。あとから別の点画によって隠される所は力を入れて押さえ込まないと覚えると分かりやすいかもしれません。
(7)結体と結構法
- 点画を組み立てる方法を結体法と言います。
文字の急所というべき部分を知っているといないとでは上達に大きな差が生じます。大まかな要領は次の通りです。
中心線のある文字(車 常)
これは言うまでもなく中心線をまっすぐに書くことが大切です。
左右上下等に対象のものがある文字(湯 兆 洞 昌)
左右上下等いずれもすわりを良くするのが望ましく、例えば
左が ( ならば右も ) で左右のバランスは( )となります。これを「向」と言います。
左が ) の時は左も ( で左右は )( のかたちとなります。これを「背」といいます。
左が | ならば右も | で左右は||となります。
このように考えて形を作るとまとまりが良くなります。
横画または縦画が多くある文字(王 書 事 川 州 世)
このような文字は画と画との間隔を同じくすることが大切です。
横画または縦画が重複している文字
例えば「王」のように横画がいくつもある場合は、上の画は下に反り、下の画は上に反らすように変化をつけ ます。また、川のように縦画がいくつもある時は左は左に反らし、右は右の方に反らして書くのです。
このようなちょっとした変化が文字をよりよく見せる方法です。
へんとつくりの関係
へんとつくりのある文字は、その両方ともに譲り合ってひとつの字としてまとまりのあるように書くことが大切で す。これらの色々の条項を研究して出来たものを間架結構法と言います。
間架結構をひとつの言葉として使っていますが、間架と結構という別の語の結合で出来た言葉です。
間架というのは中心に縦画があって、これに横画を組み合わせたもので、例えば「重・車」のような文字です。
結構とは中心に縦画がなくて、「父・乃」のような文字を言います。
つまり、立派な点画があって、それを間架結構法によって立派に組み立てることによって、素晴らしい文字が 出来るのです。
(8)布 置 法
- 紙面に文字のいくつかを書く場合に、いかに字を配置するかを布置法といいます。一字一字が良く出来ていても、その文字の布置が良くなかったら、上手に見えません。
布置法として大切なことは、各字を配置するのに各字の間隔、すなわち文字と文字との余白を考慮することが大切です。小さすぎる文字を配置すると淋しい感じを与え、大きい文字だけを配置するとゴミゴミした感じを与えます。
各行ごとに文字の中心が一直線上にあるようにすることが大事です。そして各文字がそれぞれに連絡を取り合うようにすると、全体に一貫した脈絡が備わって始めて立派な作品が出来上がるのです。
作品という観点から考えると、文字の布置法とその大きさとの関係が出来、不出来に関係があるのです。すべての文字が活字のようにあまり揃うのも面白くありません。文字の形によって適当に大小や変化をつけて譲り合いながらまとめることが大切です。
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