イグアスの滝、ペリト・モレノ氷河・パタゴニアエルチャルテンハイキング
2012.2.10〜2.18
今年の冬は記録的な豪雪だ。
そんな真冬の新潟から脱出して,日本から一番遠い国,アルゼンチンへ行ってきた。
アルゼンチンは南アメリカの南端に位置し,首都はブエノスアイレス,今は真夏である。
目的は,イグアスの滝,ペリト・モレノ氷河見学,パタゴニアエルチャルテンハイキングだ。
【2月10日(金)】 成田発〜アメリカ・ヒューストン経由〜ブエノスアイレス
昨夜,新潟はかなり雪が降り,とても寒かったので,コートの下にダウンを着てブーツを履き出発する。
成田についてダウンとブーツを脱ぎ着替える。待ち時間の間,有料ラウンジで過ごした。ほとんどの人はパソコンに向っていた。
15時45分,コンチネンタル航空で予定通り成田発,13時間のフライトがスタートした。
日本とヒューストンの時差はー15時間,時計の針を15時間戻す。
ヒューストンのジョージ・ブッシュ国際空港に到着する。
アメリカに入国するには事前に必ずESTA申請をして,許可を得なければならず,これはインターネットで取得した。
さて,入国審査だが,荷物を受け取ることなく,その日のうちに国際線に乗り継ぐ場合は,「one-stop」と言われるカウンターに進むと,長い時間待たずに済む。
入国審査は簡単な質問でパス。次は出国審査だ。荷物検査,ホテルの回転ドアのようなカプセルの中に入れられ全身チェックを受け終了だ。
出発までかなり時間があったので,有料ラウンジでシャワーを浴びたり飲み物を飲んだりして過ごした。
夕方,コンチネンタル航空でアルゼンチンのブエノスアイレスに向け離陸した。ブエノスアイレスまで約10時間半のフライトだ。コンチネンタル航空では機内の飲み物でアルコール類は有料だ。それもカード支払いのみとのこと。ビール350ml$6,ワイン$6,カクテル$7だった。
アメリカ上空
【2月11日(土)】 ブエノスアイレス〜イグアス
午前ブエノスアイレス着。今こちらは真夏だが思ったより暑くない。気温は30度位か。
荷物を受け取りゲートを出ると,M女史が出迎えてくれた。
ここから国内線の空港まで車で移動だ。30分位で到着し自動チェックイン機でイグアスに向けチェックインした。
イグアスに向う途中,上空から滝を望めるようしばらく飛行機は旋回してサービスしてくれた。
イグアスに到着すると,係員が出迎えてくれてホテルへ向かった。
上空からイグアスの滝を見る
【2月12日(日)】 イグアスの滝見学
朝,ホテルにガイドさんから迎えにきてもらった。
日系三世の女性だ。私一人のプライベートガイドだ。
まず,車でイグアスの滝入口まで行く。そこからトロッコ電車に乗った。ところが,途中で電車が故障してしまい,1時間ほど立ち往生してしまった。でも止まっている間,木の上に猿が現れて退屈しなかった。
さて,終点に到着していよいよイグアスの滝の見学だ。「悪魔の喉笛」と言われる滝を間近に眺める所まで行くには,川の上に作られた桟橋の遊歩道を片道1.1km歩かなければならない。増水すると危険になるとのこ と。
展望台に着き,迫力ある滝を真上から見学した。
再びトロッコ電車に乗り,一つ手前の駅で降り遊歩道を歩き始めると,前を歩いていた人が持っていたビニール袋が突然,アライグマのような動物に引きちぎられた。食べ物を持っている時は要注意だ。
滝の周辺に付けられた遊歩道を様々な滝を見学しながらかなり歩いた。
お昼は公園の中のレストランで取った。
午後からは,滝の真下まで行くボートクルーズである。滝壺に近づくためずぶ濡れになるとのこと。濡れて困るものはビニール袋に入れ、ライフジャッケトを着けさせられて船に乗り込む。
滝坪に近づくと,上から勢いある水がボート全体にかかり,全身ずぶ濡れになった。賢い人は水着を着ていた。
ボートはその後,川をクルーズし別の船着き場に着いた。そこから長い階段を登ると,オープンカーが待っていて,それに乗って終点まで戻った。
車の中ではガイドがいろいろ説明してくれた。スペイン語と英語だったのでよく分からなかった。そして,迎えの車でホテルまで送ってもらった。
イグアスは小さな田舎町だが,とりあえず街へ出て,みやげ物店などを見てまわった。
イグアスの滝入口 | イグアスの滝 | イグアスの滝 | 滝をボートでクルーズ | イグアスの滝 | イグアスのホテル |
【2月13日(月)】 イグアス〜ブエノスアイレス〜カラファテ
今日は移動日だ。朝ホテルに迎えにきてもらい,イグアス空港へ向かう。
昨日の女性がいろいろ手続きをしてくれた。イグアスからブエノスアイレスに一旦戻り,飛行機を乗り換えてカラファテへ向かう
カラファテはパタゴニアへ行くための拠点空港だが,とても小さな空港である。
荷物を受け取り,空港を出ると現地係員が迎えてくれた。ここからは全てスペイン語か英語の行動となった。混載バスにはいろいろな国の人が乗っていてそれぞれのホテルへ送ってくれた。
ホテルの前では係員が待っていてくれて,ロビーで今後の予定の説明を受け,チェックインを済ませ部屋に落ち着いた。
カラファテのホテル
【2月14日(火)】 エル・チャルテンハイキング
ホテルに朝8時に迎えにきてもらい,混載バスに乗る。ガイドは若い女性で,パタゴニアの歴史についていろいろ説明してくれた。パタゴニアは,太平洋の湿った風がチリの山岳地帯に当り雪を降らせ,そのせいで乾燥し た砂漠のような地域が広がり,荒涼としている。しかし,湖はエメラルドグリーンで素晴らしかった。
途中でバスが必ず寄るというドライブインでは,日本からのツアーの人達に会った。パタゴニアは日本人に人気の場所だ。
3時間ほど走ると,ようやく到着する。バスに乗っている人の中でハイキングに行くのは私だけのようで,最初に私だけバスから降りる。他の人は湖を遊覧船で回るらしい。
バスから降り,ハイキングガイドと合流する。32歳の女性だった。普段は氷河トレッキングのガイドをしているとのこと。彼女は英語ができないため,彼女の妹夫婦が同行してくれた。
今回は、カプリ湖まで4時間程度の往復だ。
登山口から緩い登りとなる。よく歩かれている道で明瞭だ。足元は乾燥しているが,花も僅かに咲いており、植物に詳しいガイドがいろいろと説明してくれた。眼下には素晴らしい景色が広がっていた。1時間ほど歩くと広 場に出て,そこからフィッツロイの山々が見えるとのことだが,少し雲がかかっていて見えなかった。
更に先へ進むと周遊道の分岐となり右方向へ進む。山登りとしてはちょっと物足りない感じだが,今回は観光旅行なのでしかたない。
まもなく大きな湖が見えてきた。カプリ湖だ。
水は澄んでとてもきれいだった。ガイドによると飲めるとのことなので飲んでみた。
ここでランチボックスを開け昼食タイムとした。ガイドの妹夫婦は夏に1カ月休暇を取ってヨーロッパ一周バカンスに出かけるとのこと。また、ガイドの彼氏は登山家で昨年アコンカグアに登ったそうだ。
休憩時,彼らはマテ茶を独特な容器とストローで飲んでいた。飲ませてもらったら,日本の緑茶を渋くしたような味だった。
休憩が終わり戻ることにする。林の中にはいくつものテントが張られていて,ここを拠点にあちこちトレッキングしている人が多く見受けられた。
ガイドに先頭を歩いてもいいと言われ,どちらがガイドか分からない状態で下った。歩くのが速いと言われたけれど、あちらでは一般的にはもう私のような年齢では山には登らないから驚かれたようだった。
バスが4時半に待合所に来ると言われ,そこで待っていたら,迎えのバスが来た。
朝一緒のバスだった人達は湖周遊観光だったようで,バスに乗ったら「トレッキングはどうだった?」
と聞かれた。「Very Goodよ」なんて言いながら,それぞれのホテルへ送り届けてもらった。
こちらでは夜9時半頃まで明るいので,シャワーを浴びてから再度街へ出た。大きな建物はなく平屋の小さなshopが通りの両側に連なっていた。スーパーもあったのでお土産などを買った。
カラファテ | 東京まで21,000km | カラファテ | ガイドと共にハイキング | フイッツロイを背景に | カプリ湖で昼食 | カプリ湖にて | フイッツロイの山々を望む |
【2月15日(水)】 ペリト・モレノ氷河見学
朝9時に混載バスが迎えに来た。各ホテルでお客を乗せ約1時間半位のドライブだ。ところが,途中でバスが故障してしまい,代替のバスが来るまで荒野の真ん中で1時間ほど待たされた。日本では考えられないこと だ。
ようやく代わりのバスに乗り替え氷河に着いた。国立公園なので,入園料100ペソ徴収された。
まず,氷河の間近に迫る「氷河クルーズ」だ。小さな客船に乗って氷河の先端まで迫った。ブルーに輝いていて迫力があった。
次に氷河全体が眺められる場所へ向かった。終点は高台になっていて,広大な迫力ある氷河が一目で眺められる。そして,氷河の先端が陸に届いている場所までジグザグに階段の遊歩道が付けられていて,そのどこ からも氷河を眺めることができた。クルーズよりむしろこちらのほうが素晴らしかった。遊歩道を端から端まで目いっぱい歩き,指定された時間午後5時にバスへ戻った。そして,朝と同じくホテルまで送り届けてもらった。
夜,再度街へ出た。アルゼンチンはワインでも有名なので,購入した。割らないよう持ち帰らなきゃ。
氷河クルーズボート乗り場 | ボートで氷河を間近に | ペリト・モレノ氷河 | 氷河を望む遊歩道にて |
【2月16日(木)】 カラファテ〜ブエノスアイレス
12時まで時間があったので,チェックインを済ませ,荷物を預かってもらって,街へ出た。それまで行かなかった方向へ向かった。博物館のような場所や,小さなショッピングモールがあって,結構楽しめた。
午後1時,迎えのバスに乗りカラファテ空港へ行く。チェックインを済ませ,空港税を窓口で払い飛行機に乗る。
カラファテからブエノスアイレスに向う飛行機では,今までに経験したことのない激しい揺れが起こり,とても怖かった。着陸すると同時に拍手が起こり,ほっと安堵の胸をなでおろした。
墜落するのではないかと思うくらいだったから飛行機は怖いものだ。
ブエノスアイレスに着き,国際線のチェックインカウンターへ向かう。建物が別で一旦屋外へ出なければならなかった。
コンチネンタル航空カウンターへ向かいチェックインを済ませ,あとはラウンジで過ごした。
アメリカへは二重,三重の厳しいチェックを受けなければならない。最初のカウンターで,ESTAは取得済か,スーツケースはあなた自身のものか,誰かから預かったものはないか・・・等,英語で質問を受け,次のカウンタ ーでボーデングパスの発行を受け、更に手荷物や身体検査を受け、さらに,飛行機に乗り込む直前には手荷物の中身も全部調べられた。
ブエノスアイレスからアメリカ・ヒューストンまでは比較的飛行機が空いていて,隣の座席も使うことができて,10時間半のフライトがすごく快適だった。
飛行機から望むブエノスアイレスの夜景は本当に美しく素晴らしかった。
【2月17日(金)】 ブエノスアイレス〜アメリカ・ヒューストン
朝,アメリカ・ヒューストンのジョージブッシュ国際空港に着く。入国検査にすごく時間がかかった。国際線乗り継ぎに2時間半必要というのもうなずける。
荷物はスルーなので直接,出国検査へ。靴を脱がされ,ホテルの回転扉のような中に再度入らされて全身検査を受ける。
持参した電子辞書は念入りに調べられた。
出発までラウンジで飲み物を飲んだり,スナックを食べたりして過ごした。日本とヒューストンの時差はー15時間,成田まで13時間かかる。遠いなあ。
【2月18日(土)】 帰国
13時間のフライトで予定通り成田に着いた。私が日本を留守にしていたこの一週間,新潟ではかなり雪が降ったようだ。
【おわりに】
日本から21,000km、一番遠い国,アルゼンチン。今回このアルゼンチンの南端パタゴニアに行ってみたくなった。ちょうど所属する山の会でここを巡るトレッキングが計画され,参加する予定で準備していた。
ところが,出発日が直前に変更になり,休暇の関係で一緒には行けなくなり,それではと,単独で出かけた。
ツアーより安く行けたが,添乗員が付かないため,搭乗手続き、乗換、チェックイン・・・等、すべて自分一人でやらなければならなかったので大変だった。
でも,今回は本当に良い経験ができ,今後の海外旅行におおいに自信をもつことができた。今後も機会があったらまた出かけようと思う。
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