佐渡一周花と歴史の旅  2009.6.7〜8   戻る

 期間限定でカーフェリーの車両代金片道1000円が実施された。
 毎年佐渡に行っているが,佐渡に渡ってからの交通手段はタクシーに頼らざるをえなかった。
 今回この企画が実施されたことで早速予約をする。
 週末はほぼ満杯とのことで,早めに予約して良かった。
 フェリーに車を乗せるのは初めてなので心配したが,以外と簡単でスムーズにできた。ただ,車を離れて客室へ行き戻ってくる時,自分の車をどこに止めたか覚えておく必要がある。
 さて,無事両津港に到着し佐渡の道路に出る。標識が整備されているので分かりやすく、それに殆ど一本道だから方向さえ分かれば迷うことはない。
 最初,山にでも登ろうかと考えたが,せっかく車で来たのにその時間がもったいなくて、できるだけ車で回ろうと考えた。
 まず向かったのは二ツ亀だ。夏には海水浴客で賑わうキャンプ場もまだひっそりしていた。駐車場から一旦海岸へ下り,二つの亀のような小島まで砂浜の渡り廊下を渡って行く。満潮時はたぶん渡れないと思う。足が砂に潜って歩きにくかったので裸足になって渡った。
二ツ亀
 
 海岸沿いには遊歩道があり、次に向かったのは「賽の河原」だ。20分位歩くと到着する。
賽の河原

 小さな石像が幾体もあり,中には人形なんかあったりして何だか複雑な気持ちだ。遊歩道脇には岩ユリ,トビシマカンゾウ,ハマヒルガオ,ハマナスなどが咲いていて目を楽しませてくれた。

 車まで戻り次に向かったのは大野亀だ。この時期にはもっとも賑わう場所である。なぜなら一面にトビシマカンゾウの黄色い花が満開になるからだ。
 混み合っていたが,車を止めるスペースは結構あり,大野亀の山頂まで登る。家族連れが多く登っていたが急峻で山頂は狭く断崖絶壁なので気をつける必要がある。三角点があった。
山頂

 山頂から下り遊歩道を一周した。辺り一面のトビシマカンゾウは素晴らしかった。

 海岸線の岩ユリも綺麗だった。
海府大橋の手前にあった滝 岩谷口観音洞窟

 次に向かったのは,「佐渡金山」だ。今までの地下道の他に昨年から新たに公開になった「道遊の割戸」までの地下道直下や間近まで行って見学した。(1200円)佐渡は金だけじゃなく銀の採掘も盛んで,「金銀山」と言ったほうが正しいかも知れない。坑道の中は非常に寒く一周1時間位だった。昔の採掘の様子をそのままに、人形を使ってリアルに再現してあり、過酷な労働だったようだ。出口の売店で買った金箔のかかったソフトクリームと干し柿の中に餡を詰めたお菓子がとっても美味しかった。
佐渡金山入り口 金山内部

道遊の割戸

 ここから先は佐渡スカイラインに通じており,そこを通る。途中新しく展望台ができていて平野を望むことができた。
 休日だったがすれ違う車もなくゆったりと運転できた。旧白雲台は取り壊されて広場になり,また,金北山へ向かう道路の分岐にはがっちりゲートがあり門番がいた。スカイラインを下り真野へ向かった。
スカイライン途中から平野を望む

 まず県内唯一の五重の塔がある妙宣寺へ行く。佐渡は歴史的な寺の多く存在する場所だ。私はとりわけ寺に興味があるわけではないが,こうした古刹を訪れると気持ちが静まり心安らぐ感じだ。妙宣寺は古くから北陸道七ケ国法華の棟梁で、寛文年中身延・池上・中山三ケ寺の輪番所となり。明治十一年独立本山と定められた名刹だ。境内にある文政八年(1825年)建立の五重の塔は県内唯一のものである。

 その後国分寺跡や国分寺を見学して今日の行程を終了した。
国分寺跡

 宿を出てまず向かったのは大膳神社能舞台だ。昨夜はここで能の舞が行われた。佐渡にはこのような舞台が所々にあり鑑賞することができる。
大膳神社能舞台

 その後「長谷寺」へ向かった。
 参道は長い階段が続いていた。階段の途中,高野槇の巨木(周囲4.6m、樹高40m、推定樹齢500年、県指定天然記念物)があった。また上り切ったところに3本の杉の巨木(県指定天然記念物)があった。天正17年(1589年)上杉謙信の養子景勝が佐渡国攻略の際、家老直江兼続はこの寺の再興に尽くし、文禄4年(1595年)当国支配役鳥羽備前守に令を下し、寺領を兵火の災難から保護するために務められた。第五寺宝展示室には、直江兼続書状、平安時代の地蔵菩薩・十一面観音座像、五智堂棟札などがある。
あらためて佐渡には名刹が沢山あると感じた。
仁王像 高野槙 3本杉

 佐渡歴史伝説館の開館の時間になったので,向かった。入場料を払い門を入り振り返ると門の上に2羽の瑞鳥が飾ってあった。伝説館の中は人間そっくりのロボットが場面,場面で短編の物語を演じてくれる。意外とあっけなかったが,多くを回る観光客にはこの程度が飽きずにいいのかも知れない。
お土産店にはジェンキンスさんがいて,一生懸命観光の一役をかっていた。
ジェンキンスさんと一緒 瑞鳥 伝説館

 すぐ近くには真野御陵があったので寄ってみた。一帯は塀で囲まれていて墓があるわけでもなくこれといって見るものはなかったが,多くの観光客で賑わっていた。
 係の人から,承久の乱で敗れ24歳で佐渡に島流しされた順徳天皇のこと,後鳥羽上皇が隠岐の島に流されたことなど詳しくうかがった。そして一般の人があまり訪れない順徳天皇が名付けたといわれる御船石、御馬石、狆石など3つの岩などを案内してもらった。案内してくれた人は,よく聞いたら何と,私の叔父さんと宮内庁で一緒に仕事をしたことがあると言われ驚いた。世の中は狭い。
真野御陵

 梨ノ木地蔵を見学し、五所神社の大杉(周囲5.2m、樹高30m、樹齢800年)を見て、最後に向かった所はアジサイで有名な蓮華峰寺だ。アジサイの花にはちょっと早かったが,見ごたえのある古刹だった。
五所神社の大杉 大銀杏

 佐渡にはこうした沢山のお寺が存在し,それとともにその周りには何百年もの間風雪に耐えた巨木が生きている。
 建物はどうしても老朽化で再建をよぎなくされるが,出来る限り昔のまま保存されてほしいものだ。
 今まで佐渡には山登りにしか来たことがなかったが,たまにはのんびりとこうした歴史の旅もいいものだとつくづく思った。