日本平山〜日倉山〜マンダロク山環状縦走
(にほんだいらさん・ひぐらやま)
標  高 日本平山1081.1m、日倉山843.7m、マンダロク山865.9m
三角点 日本平山一等三角点、日倉山、マンダロク山三等三角点
登山道
所在地 新潟県東蒲原郡阿賀町と五泉市の境
2万5千図 「高石」
登山月日 2006.05.04(祭)(単独)
コースタイム 中山口(自然の森)駐車場5:40ー日本平山10:25〜40−日倉山14:15〜30−マンダロク山16:20−栗園登山口18:00ー林道歩きーゲート18:45−中山口(自然の森)19:25
【記録】  日本平山は川内山塊の山の一つで、登山道が整備された山であるが、アプローチが長く、苦労した割にはこれといった特徴のない山で、おまけにヒルの生息地であるため、敬遠されがちな山である。藪に囲まれて見晴らしが良くなかった山頂も、近年、刈られて眺望が良くなったとは聞いていたが、それでも積極的に足を運ぼうという気はなかった。
 ところが3年前に、マンダロク山(地元では前日倉山、亦六山ともいう)に登って稜線を見て以来、日倉山まで明確な登山道が無いので、残雪期に日本平山までの環状縦走をやってみたいと思いつつ、なかなか機会がなく、今回ようやく決行ということになった。
 日本平山は1991年に登ったきり実に15年振りだ。その時の印象で、この山はもう登らなくてもいいなと思い、足が遠ざかっていた。
 朝4時20分、自宅を出発し、1時間あまりで登山口に着く。身支度をして出発。この辺一帯は熊の生息地(登山口に「熊に注意」の看板あり)なのでザックに鈴を付けて歩く。ここは県民自然の森としてキャンプ場が整備されていて、ここからの登山道もきれいに刈り払いされていた。
 杉林の中を行くと、30分ほどで広く刈られた場所(水場だと思う)に出る。テント1張り分、平らにされている。ゆるくアップダウンを繰り返し、最後の登りで人分山(678.0m)に着き、そこから大きく下った鞍部に「人分」と書かれた杭があった。(ここが谷沢からのルートと合流)
 次第に夏道は豊富な残雪に覆われるようになる。途中から突然新しい足跡が現れた。尾根が広いのでガスった場合は、ルートファインデングが難しくなりそうだ。先行者は所々マーカーを付けながら進んでいたのでその後を追った。
 標高700m位から上はほとんど残雪に覆われていて、無雪期の日本平山からは想像できないくらい、素晴らしい眺望が広がっていた。
 広大な雪原に出る。地図で確認すると、大池がまだ雪で埋まっている場所のようだ。普段はどこが山頂かよく分からないが、この時期ははっきりと「あそこが山頂」だと目視できる。
 標高997m手前で男の人二人が下って来た。先行者はこの人達だった。途中にテントを張り(どこにテントがあったか気がつかなかったが)、早朝登ってきたのだ。
 いつものごとく「一人ですか?」と聞かれる。
 標高997mは急な登りで、そこを過ぎると尾根が痩せ、三角形に残った残雪の頂点をバランスをとりながら進む。
 山頂手前も急でキックステップでピッケルを使いながら登った。
 山頂は豊富な残雪に覆われ、まるで運動会ができそうな広さだ。片隅に一等三角点とカエルの置物が顔を出していた。風が冷たかった。
 さて、先は長いのでゆっくりしていられない。日本平山から日倉山までは夏道があるが、急な斜面をトラバースするように付けてあるため、残雪に覆われたこの時期は危険で、とても辿ることはできない。尾根通しに行くしかなかったが、この時期の記録が見つけられず、全く未知の世界だ。標高997mから北へ500mほど進んで西へ張り出している尾根に行こうと思ったが、藪が深くて先が全く見えない。見当をつけながら急斜面を下ったら、北側に行き過ぎて軌道修正を余儀なくされた。
 地図を見ても分かるとおり、この山域は急峻な地形なので、一旦違う尾根を下ってしまうと取り返しのつかないことになる。
 地形と地図を何回も見比べながら、尾根の続きを確認しながら歩を進めた。
 標高752mの100mほど下を夏道が並行に走っているが、残雪に覆われて確認できず、稜線の藪漕ぎを強いられた。
 標高752mから下った鞍部でようやく夏道と合流ししばらく進む。イワウチワ、カタクリ、タチツボスミレ、エチゴキジムシロ、イワナシなどが咲いていて目を楽しませてくれた。標高777mへの登りは中途半端に残雪が残り、登るのに苦労した。日倉山への登りも残雪と夏道半々くらいだった。
 日倉山からはほとんど残雪の上で、雪の消えた所には踏み跡も認められ、無雪期にも歩けるように感じた。マンダロク山に近づくと、きれいな刈り払いが現れる。マンダロク山は急峻な山である。所々ロープの設置された急な痩せ尾根を慎重に登山口の栗園まで下り、日没と競争で6km余りの車道を歩いたが、車に戻る頃にはとっぷり日が暮れてしまっていた。朝の二人以外、誰にも会わない静かな山行きだった。
広い尾根 大池は雪の下
山頂(遠くは飯豊連峰) 山頂からの川内山塊
日倉山山頂 日倉山からの日本平山(右奥が山頂)