初雪山
(はつゆきやま)
標高 1610m
三角点 雪で確認できず
登山道
所在地 富山県下新川郡朝日町
2万5千図 「親不知」「小川温泉」
登山月日 2003.04.17(木)
コースタイム 1時間ほど別の所を登って引き返すー境川第2発電所ゲートー0:45−境川第3発電所ー0:30−尾根取り付きー2:50−1141m−1:40−山頂ー1:15ー尾根取り付きー1:30−境川第2発電所ゲート
【記録】  この山は栂海新道犬ケ岳の南西に位置し、今のところ登山道はなく残雪期の山である。
 久し振りに山仲間のH氏からお誘いがあった。前から気になっていた山だったので二つ返事でOK。ところがH氏は小川温泉から登るとのこと。境川からの情報を得ていたので、過去の情報など全く感知せずルートは自分で決める性格のH氏を無理に説得し、こちらのコースにする。
 早朝自宅を出発し、予定通り登山口のゲートに到着する。ところが、後で気が付いたのだがこのゲートは間違いで本当は少し手前から左にもう一つのゲートがあったのだった。そうとは知らずに身支度をして出発する。ゲートの周りも有刺鉄線で厳重に人が通れないように囲ってあり、苦労して高巻いて通り越した。その先の林道もジグザグにかなりの斜度で登っており、道端には鋭い棘のある木が行く手を阻んだりして難渋した。40分ほど登ると急に道が無くなり、ここでようやく間違った所を登っていると気が付いた。
 再度車まで戻って仕切り直しである。大変な山なのに登る前から無駄なアルバイトをしてしまって一気に疲れてしまった。
 本当の道はすぐ手前に目立たないようにゲートがあった。
 また身支度をして出発だ。境川に水平に付けられた道は気が遠くなるほど長いが、歩き始めてすぐ大平トンネルがあった。カーブしていて中が真っ暗だ。先に明かりが見えてようやくほっとする。そういえば飯豊湯の島小屋へ行く時も真っ暗なトンネルを通ったが、真ん中にに溝があったのに比べこちらは平だったので歩き易かった。
 道端にはあちこちにフキノトウが顔を出し、ミヤマカタバミ、ショウジョウバカマ、エチゴキジムシロ、イワウチワ、コシノコバイモ、スミレ類が咲き誇っていて目を楽しませてくれ、あっという間に滝淵の発電所に到着した。
 発電所のトンネルを抜けると谷が深くなり、所々デブリに覆われ気を付けてトラバースしなければならなかった。寝入谷に架かる橋を渡り、短いトンネルを抜け道がカーブする手前の橋の手前が今回取り付く予定の尾根だ。雪の状態では林道をたどるより、手前の寝入谷右岸尾根をすぐ登ったほうがよいようだ。
 残雪に覆われてたどることはできなかったが、ジグザグの植林用の道が僅かに認められた。
 標高550mくらいまでは杉の植林されたものすごく急な登りである。雪はよく締まっていなくてザクザクだ。1時間ほどでようやく尾根がゆるやかになり前方に山頂が姿を現す。
 標高1141mあたりまではブナの生えるなだらかな単調な登りが続く。毎週ハードな山に行っているH氏の足取りは軽やかであっという間に引き離されてしまい、必死に後を追う状態で標高をいちいち確認する暇もないほどだった。
 晴天に恵まれて太陽が雪に反射して眩しい。北東には白鳥山がそのどっしりとした山容を広げていた。日本海の大海原も見渡せた。
 標高1141mからは木の生えていない広い斜面になり、雪崩が起きやしないかヒヤヒヤだ。途中に大きな亀裂も認められた。登るに連れ斜度が増し、上部は石転び沢以上あるように思われた。雪はザクザクだが、ピッケルを使って慎重に登る。
 標高1450mに達すると尾根は痩せ、雪が消えて藪漕ぎとなる。それでも尾根の東側の雪が使えたので20mくらいの藪漕ぎで済んだ。
 標高1595.7mの三角点があると思われる場所に達すると、前方には、だだっ広い平原が山頂まで続く。山頂には鉄柱があった。それにしても目の前に展開する懐かしい白鳥山〜犬ケ岳〜朝日岳に続く栂海新道の稜線の大パノラマは圧巻である。360度の展望、素晴らしい所だ。
 苦労して登った尾根も下りはたった1時間15分で林道まで下りられた。残雪の山はこれだから楽しい。
境川沿いのトラバース(深い谷に注いでいるので危険) 杉林の間は急登
途中は快適な尾根 前方に山頂
山頂を目指す(次第に傾斜が増す) すごく急な登り
北東に白鳥山 三角点のある峰から山頂(鉄柱あり)までの広い尾根
山頂から犬ケ岳 山頂から朝日岳など大パノラマが広がり圧巻
登ってきたルートを見下ろす 山頂にて