「新緑の八十里越え縦走」

登山月日  2004.06.13
所在地  新潟県南蒲原郡下田村、北魚沼郡入広瀬村、福島県南会津郡只見町
2万5千図 「光明山」「守門岳」「只見」
コースタイム 吉ケ平6:35発ー馬場跡7:03−椿尾根7:27〜7:35−山ノ神8:04−番屋乗越8:15〜8:25−火薬跡8:50−ブナ沢9:08−高清水沢9:18−空堀小屋跡9:28−空堀9:31〜9:45−桜の窟9:53−殿様清水10:00〜10:15−鞍掛峠10:50−小松横手11:21−田代平11:35〜12:50(昼食)−木ノ根峠13:10−入叶津登山口(車道)15:10

登山道が不明瞭です。必ずこの山に精通した人と入山して下さい

 八十里越え縦走路の起点は吉ケ平山荘である。以前は学校の分校だったが、その後無人の宿泊施設になり老朽化の一途をたどっていた。ところが最近少し手入れされたらしく窓や外壁が綺麗になっていた。
 山荘前の樽井橋を渡って広い道を行くと、「馬場跡」と刻まれた石碑がある。道は2手に分かれるが右の道を行く。すぐ先には「詞場」と刻まれた石碑もあった。同行のAさんが途中にある水準点を教えてくれた。
 杉林を過ぎると明るい所に出る。踏み跡は雑草に覆い隠されており、おまけに朝方の激しい雨で先頭を行く人はズボンがビショビショになっていた。
 途中に分岐があるが左が正解。湿った岩のごつごつした急な登りになり、ペースの早い先頭の人に必死に付いて行く。辿り着いたところが「椿尾根」だ。ここに来てようやく休憩となる。
 その先は少しなだらかな道になる。
 周りの木々はブナをはじめ今新緑真っ盛りである。暫く行くと「山ノ神」と刻まれた石碑があり、脇に祠もあった。
そこから10分ほどで切り通しになった「番屋乗越」に到着だ。ここには豊富な残雪があった。2回目の休憩を取る。
 我々は一番早く着いたが、もう列はバラバラで最後尾とはかなり離れてしまったようである。
 今まで割りと良かった道もここからは極端に足場の悪いへつり道になった。雪崩に削られた急な斜面はルートも不鮮明で滑りやすい。スニーカーで来ている人も何人かいたが、大丈夫なんだろうかと心配になってくる。古いロープを頼りに慎重に足を運んだ。
 「火薬跡」と刻まれた石碑のある岩の張り出した場所に出てへつりが終わった。岩には火薬跡の無数の穴があいていた。
 ここは豪雪地帯のため雪の消えたあとから様々な山菜が出てくる。ウド、ワラビ、フキ、ウルイなどが豊富にあるが人がほとんど入らないので手付かずだ。
 ここから沢に向かってゆるやかに下降する。峠道らしい幅広の道はブナの原生林の中を通っておりこのルートのハイライトと言えよう。
 このように歩き易い所もあるが、以前のルートが崩れて高巻きする箇所もあり初めてだとルート選びはなかなか難しい。単独で入って道に迷い遭難死した人がいたという。
 ブナ沢と高清水沢を渡り雑草の覆い繁った御所平と言われるなだらかな道を行くと、「空堀小屋跡」と刻まれた石碑があった。小屋のあった広場はもうすっかり草に埋もれていた。
 その先「空堀」で右へ急カーブする。ここで3回目の休憩となる。左から割りとしっかりした踏み跡が入ってきていた。この道は大谷ダムの先から続くルートとのことである。
 山菜を採りながら歩いているので次第にリュックが重くなってきた。「桜の窟」と刻まれた石碑は足早に通り過ぎた。
 山菜は豊富にあるが花はサンカヨウが咲いている程度であまり見られない。「殿様清水」で4回目の休憩だ。雪解けの冷たい水で喉を潤し、ワラビ採りに精を出す。見上げると烏帽子山がその荒々しい岸壁を見せていた。
 ここからS字形にカーブしてゆるやかに進み、よじ登るほどの急な坂を上がると、「鞍掛峠」と刻まれた石碑があった。太いフキがニョキニョキ。今度はフキ採りに精を出す。今まで大分歩いてきたが、ここはまだこのルートの中間だ。
 ここから道は広く歩き易くなり、足元にはポツポツとヒメサユリが咲いていて目を楽しませてくれた。
 大きく張り出した尾根を回り込むところに「小松横手」と刻まれた石碑があった。見返りの松の向こうには黒姫が大きく聳えていた。
 浅草岳は残念ながら雲の中だった。
 次第に道幅が広くなって車道に出る。この林道は五味沢から続いているが、ゲートがあって一般車は入れない。民宿の車が2台止まっていた。
 田代平を一周して林道に戻り昼食タイムとなる。冷たいビールがことのほか美味しかった。
 1時間ほどの休憩後入叶津に向けて出発だ。まもなく「木ノ根峠」に着く。ここがちょうど新潟と福島の県境である。昔ここに茶屋があったと聞く。新潟県側と違って道幅は広く歩き易いが、所々道がぬかるみ歩くのに苦労させられた。また、沢のトラバースでは残雪があったり足場が悪いところもあり慎重に歩かなければならなかった。
 福島県側には松ケ崎という看板があっただけで石碑は見当たらなかった。シラネアオイやユキザサが咲いていた。
 だらだらとしたゆるい下りが続き、肩も痛く次第に足も疲れてきた。もう山菜を採る気力もなくなり、ただひたすら歩き続けた。
 急下降になってようやく終点の舗装された建設中の車道に出た。

馬場跡(標高470m) 登山道は草に埋もれている
山ノ神 眼下に建設中の道路を望む
火薬跡 空堀小屋跡
縦走路から黒姫を望む 田代平
長かった縦走を終え終点に集合した我が会の美人?女性軍団です