からだまめまめ知識

季節の変わり目や、普段の生活の中でよくある
体に起こるさまざまな出来事を簡単にまとめてみました。

※こちらの記事はアーカイブです(2001年〜2006年)
当時の情報としてお読みください。

1 風邪  2 花粉症  3 頭痛
1 風邪

何故、風邪を引くの?

原因はウイルス性のものがほとんどで、その数は200種類以上とも言われる風邪。
このウイルスの侵入を体が阻止できないと、いわゆる「風邪をひいた」状態になります。
発熱、くしゃみ、鼻水、咳、吐き気や嘔吐、下痢などウイルスが体のどこについたかに
よって出る症状も様々です。
また自律神経が活発に動いている時は、体の防衛反応も活発になっているので風邪を
ひきにくいのですが、大食や甘いものの食べ過ぎで胃腸が疲れたり、ストレスなどで
気持ちが弱っていると自律神経も疲れて風邪をひきやすくなります。

ひきはじめには・・・


♯ゾクゾクする、悪寒を感じる、鼻水が出る場合♯
 冷えから来る場合が多いので体を温めて汗を出してあげるのが1番。
 体を温める食べ物(しょうが、ねぎ、にら、かぶなど)を積極的に摂って
 代謝のアップを。湯冷めしないようにお風呂に入るはOK。水分補給は
 温かい飲み物(番茶に梅肉エキスをといたものが◎)で。

♯喉が痛くていがいがする・水分を取っても喉が乾く場合♯
 喉や鼻の粘膜が乾燥してそこにウイルスが入りこんでいるので炎症や
 発熱を引き起こします。熱を追い出す食べ物(ほうれんそう、大根、豆腐など)
 を積極的に摂って潤いを補給して。汗をかいて熱を冷ます方法は逆効果に
 なります。同様の意味で唐辛子を使った料理もNG。

♯おなかが痛くなる・吐き気がする・下痢、排泄物が黄色っぽい場合♯
 胃腸の働きが弱っている所にウイルスが入り込んで起こる、いわゆる
「お腹にくる風邪」です。こんにゃく湿布でお腹全体を温めたり、おかゆに
 しょうが入れて食べるなど体内から温めるのも良。
 サラダやお刺身などの生物は控えて。消化の良いもの(長いも、さつまいも、
 おかゆなど)を摂り、塩分を控えた薄味に。食べ過ぎない(欲しくなかったら
 食べない)ことも大事です。


本格的に風邪を引いてしまったら・・・。


何より安静にして睡眠を充分とること。
食事で避けたいものは、甘いもの、肉、魚、卵、乳製品です。
栄養をつけようと思って、肉や卵を食べるのは逆効果! 
お腹を軽くした方が早く毒素が流れて行くので食事を簡素にしましょう。
食べたくなかったら食べなくてもOK。ただし水分補給だけは忘れずにして下さいね。
イオン飲料は含まれる糖分の方が気になるので出来れば避けて、
番茶に梅干を入れたものや梅肉エキスを湯に溶かしたものを飲んだりするのが良いです。
子供は甘味がないと飲みたがらない場合もありますので、
その時は黒砂糖や粗製糖、はちみつを少々入れましょう。

 
2 花粉症

どうして花粉症になるの?


今や国民病となった花粉症。原因は食生活の変化、添加物の過剰摂取、大気汚染など
色々と言われていますが、はっきりとした答えは出ていません。
アトピー性皮膚炎やぜんそくなどと同じアレルギー疾患のひとつとされています。

肉食過多・砂糖過剰と言った食生活で体の血液が酸性化し、アレルギー体質に
なると鼻や目の粘膜を溶かす「好酸球」が増えてきます。もともと体の粘膜には
異物をガードすると言った働きがあるのですが、薄く弱くなってしまった粘膜には
花粉のように大きな異物の侵入を防ぐことが出来ません。
花粉が体内に侵入してくると、体の中に花粉の抗体が出来て鼻の粘膜の表面にある
細胞にくっつきます。そして再び花粉が体内に入ると抗原抗体反応が起こり、
白血球が「ヒスタミン」と言う物質を出して攻撃をはじめます。そのヒスタミン
などが神経や血管に作用するので鼻水が出たり、目のかゆみや腫れを引き起こすのです。


花粉症は治らない?


軽減することも可能ですし、治ります。 
そのためには、もちろん努力が必要ですが・・・。

花粉の侵入を防ぐためには、粘膜を丈夫にするのが1番です。そのためには
体内から「パロチン」というホルモンが出ることが必須です。パロチンはあごの
間接の所にある「耳下腺」から出ます。つまり、良く物を噛んで食べると唾液が
たくさん出て、パロチンの分泌が良くなると言うことです。ここで甘いものを
食べると唾液の分泌が悪くなるので注意!

花粉はウイルスや菌ではないので、抗生物質で殺せば終り、と言う訳には行きません。
薬は一時しのぎには有効でしょうが、根本的な解決にはつながりません。
アレルギー疾患は原因をしっかりと処理すれば元通りになると言われています。
それは薬剤による抑えこみではなく、アレルギーを寄せ付けない体を作ると
言うことです。つらい時には薬に頼りながらでも体質改善して、花粉の侵入を
許さない体を作る方が賢明でしょう。


おすすめの食事方は・・・。


血液をサラサラにするアルカリ度の高いもの、またパロチン分泌を促すために
唾液がたくさん出るような食事をするのが好ましいでしょう。
玄米(無理ならせめて胚芽米)、ごぼうなどの食物繊維の多いもの、
また発酵食品(納豆・しょうゆ・みそ)や昆布、梅干と言った食品も
体内をアルカリに傾けてくれます。特に昆布はアルカリ性の高い食品です。
積極的に摂る事をおすすめします。食事の20〜30分前に昆布をしゃぶるのも
良いでしょう。

避けたいのは砂糖をたくさん使った食品。特に白砂糖は大敵です。血液を汚して、
ますます体の粘膜が弱くなってしまいます。気をつけましょう。冷たいものも
腸を冷してしまうので避けましょう。

アレルギー疾患は大きな病気になる前の警告とも言われています。
お手当てはお早めに・・・。


3 頭痛

頭痛は何故起こるの?


広い年齢層を通じて3人に1人は自覚があると言われる頭痛。頭部の筋肉や血管が
何かの原因によって刺激を受けるために起こります。
その原因は、ストレスから発症するものもあれば、生命に関わる重大な病気の
サインだったりと多岐にわたり、痛くなる部位や頻度、程度も実に多彩です。
内科系から来るものが最も多く、次に目、耳、鼻、歯や脳などの神経に関するもの
と続きます。睡眠不足、女性の月経や貧血、高血圧・低血圧などが引き起こす場合も
あります。
大きく2つ、急性のものと慢性のものに分けられます。風邪やインフルエンザで
頭が痛くなるのは急性の頭痛にあたります。また急性で激痛を伴うものは、
クモ膜下出血や脳溢血・脳血栓などの病気の恐れもあります。一方肩こりや
疲れなどから来る頭痛は慢性頭痛の典型です。片頭痛も慢性頭痛の仲間です。


慢性頭痛の一般的な対処法


慢性の頭痛は大きく分けて頭の血管が拡張して起こる「血管性頭痛」と、
ストレスなどで首や肩の筋肉が緊張して起こる「緊張性頭痛」の2種類があります。
片頭痛は脳内やその周辺の血管が収縮→拡張するために起こる典型的な血管性頭痛です。
一方肩こりや目を使いすぎて起こる頭痛は緊張型頭痛です。対処法としては以下の通り。


1 頭は冷す(氷枕などを使うよりキャベツや白菜、ほうれんそうなどの葉野菜や
ビワの葉を使う方が必要以上に冷し過ぎず、痛みを取り除く働きがあります。
この場合、葉を頭の前後に当てて冷し、適宜取り替えて下さい。使いすぎた目も
冷すのが原則です)

2 肩や首は冷さない(温めたタオルやこんにゃく湿布などで凝り固まった
筋肉をほぐすのが有効です)


緊張性の頭痛は心身の緊張を解くことにより解決します。ゆっくりお風呂に入ったり、
好きな音楽を聴いたりして心身ともにリラックスするのが1番です。一方、偏頭痛は
何故起こるのか未だ解明されていない厄介な頭痛で、病院ではたいてい鎮痛剤や
精神安定剤を処方されます。しかし一方で薬物にたよらず、食事療法での体質改善に
よって軽減・完治する例も数多くあります。頭痛の起こる時の自分のパターンをみて、
原因となりそうなものを排除するだけでも片頭痛は軽減します。



頭痛のない生活を送るために・・・


ひとくち頭痛と言ってもあまりに範囲が広く、様々な要因から誘発されるため、
いちがいに「これをしたら頭痛がなくなる」とは言えません。
しかし、頭痛から遠ざかった生活を送るために「生活のリズムを整える・
ストレスをためない・食事に気をつける・睡眠をしっかりとる・適度に運動する」
などが全般として効果的です。言うのは簡単ですが、誘惑の多い現代これを守るのは
なかなか難しいことですね。
また食事に関しては脂っこいもの・甘いものなどの血流の流れを悪くするものは
控えた方が無難です。女性は月経前に疲れないような生活をするのも大事です。

軽い重いを問わず、頭痛は体が出している危険サイン。原因が分かっている場合は
すみやかにそれを取り除くことが大事です。
また、いわゆる頭痛持ちの人は1度病院へかかって、きちんと原因を見極めた方が
良いと思います。今は頭痛外来を設けている病院もあるようですが、一般には
神経内科か脳神経外科を受診する場合が多いようです。